ナミヤ雑貨店の奇蹟

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (385ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041101360

感想・レビュー・書評

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  •  奇蹟とタイトルにつくからにはあたたかいストーリーであってほしい
    と思っていた、のかもしれない。
    見方によってはあたたかいとも思うのだけど・・・・・・

     多くのことが起きて、多くの人がでてきて
    それはもちろんとてもうまくまとめられている。
    あれがこうつながるのか、と驚きもする。

     けれど、なかなか気持ちがもりあがらない。
    結局最後まで目一杯もりあがることはなかった。

     こんな雑貨店(というかポスト?牛乳箱?)があったらいいと思う。
    こんなふうに悩みを聞いてもらえ、アドバイスをもらえるなんて
    ドキドキする。
    それでも読了後に残った気持ちは誰かに伝えたいものではなかった。

  • 読みやすいし、面白い。
    1つ1つのエピソードは救われた気持ち。
    でも魚屋ミュージシャンは死ななくても良かったかな…って思ったりした。
    若い強盗が手紙の返事を書き始めた事で別々の時間軸に影響を与えていた。「三十三回忌の9月13日に復活します。」としてお礼をお投函していた人達の時間軸との絡みが複雑ですんなり理解出来なかった。

  • 読み物としては面白いと思うけど、自分としては最近この手のSF要素が絡むと受け入れられなくなってきている気がする。
    結局何でもありじゃんって思いが先行して、物語に入り込めなくなる。
    小説ってそういうものでしょと言われればそれまでなんだけど、自分とは相性はあまり合わなかった。

  • いろいろな物語が一つ一つ繋がって最後同じ話になる。
    パズルのピースが一つの作品になるような物語

  • ここ韓国でもベストセラーになりました。娘は中学の国語の先生から、面白いと推薦されたそうです。「これ読んでみたかったの!」開いたページの漢字のふり仮名の少なさに、静かに本を閉じていました。まあいつか読んでくれたらいいかな。物語は、人と時間が交錯する中、雑貨店主のアドバイスのもと、それぞれが幸せを探そうとします。人が迷った時、親身に相談にのれる人間力が欲しいものです。

  • 心がほっこりするお話。

    悩み相談をする不思議な雑貨屋さんのお話だけど、ミステリーテイストも盛り込んでいて意外なストーリー展開だった。

    短編形式でいろんな相談が来るけれども、最後は結局話が繋がっていく、ある意味短編の王道パターン。だが飽きさせないのは東野圭吾さんの上手いところだと思う。

    安心して読める小説です。

  • 奇跡を覗き見た。

  • とても上質なファンタジーでした。謎は謎で楽しませ、丁寧に心情を描くことにより読後に切ないながらも満足する自分がいる。
    悩み相談をする雑貨屋主人。読み進めるとわかるその真実。

  • ナミヤ雑貨店に寄せられる悩み事。
    たまたまその店に入った犯罪者3人が悩み相談に乗るという物語。
    章ごとに登場人物が切り替わり、それぞれの視点で物語は進んでいく。徐々に登場人物の繋がりが明らかになっていく展開は面白かった。
    ただ全ては決まった通りに進んで変わらないみたいな物語感を覚えてしまい微妙。

    深刻であればあるほど匿名のほうが相談しやすいという気持ちは何となく理解できた。匿名だからこそ、自身の醜い部分など本音を伝えやすい部分はあると思う。

    大体の相談者は自分の中で答えはほとんど決まっており、納得できない答えは都合のいいように解釈したり反論する。匿名で与えられる影響力は少ないが、それでも多少の影響は与えられる。相談をすることによって相談者が一歩足を進める手助けが出来るのは間違いない。
    真剣な相談に対して返答をすることは責任感がなければできないことだと感じると共に、そんな場所があることは素敵なことだと感じた。

  • 東野圭吾の作品。短編集のような長編。

    悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。
    そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。
    廃業しているはずの店内に、突然シャッターの郵便口から悩み相談の手紙が落ちてきた。
    時空を超えて過去から投函されたのか?3人は戸惑いながらも当時の店主・浪矢雄治に代わって返事を書くが…。
    次第に明らかになる雑貨店の秘密と、ある児童養護施設との関係。悩める人々を救ってきた雑貨店は、最後に再び奇蹟を起こせるか?

    どうやら結構評判が良いらしい。
    個人的には、普通の人情物語(?)のようだった。東野圭吾の『加賀シリーズ』的な。
    相談の手紙が時空を超えてやってきたり、速攻で返事が来たりすることを
    それなりに理由付けしているのは流石東野圭吾という感じもするが、
    メインとなるのはそれぞれの悩みを投稿した側のストーリー。
    なので「最後に一つになる短編集」という捉え方はあながち間違ってないかと。

    それぞれの相談は相談者側にとってはどれも深くて決断できないようなものだが
    3人組にとっては所詮他人事なのである。他人事なのでバッサリと言えるし、正直そこまで親身にはなっていない。
    そんな「外部からの冷静な意見」を上手く取り込めた人達が、自分なりに悩みの答えを出しているだけなのである。
    しかも本当の浪矢氏の回答は、実はあまり役に立っていない。
    オリンピック候補もアマチュアミュージシャンもリトルドッグ社長も、3人組の雑な回答からヒントを得ているのだ。
    唯一本当の浪矢氏から回答を受けたビートルズファンの彼も、浪矢氏の回答とは違った道を選んでいるのである。
    まぁ、最後の最後にある浪矢氏から3人組への回答だけでも価値があるのかもしれないが。

    と、細かくくだらないケチならばいくらでも付けられてしまうのだが、
    物語としては温かい気持ちになれるし、それぞれの悩み相談者の行く末は気になるのでページを繰る手は早くなる。
    安心して読める作品というところか。


  • 物語一話一話を、登場人物一人一人を、上手に絡めていくところは流石。
    時代が入れ替わるので整理しないと混乱するが、ごく最近?の過去という点が郷愁を誘う。

  • 悩み相談、承ります。

    まさかのファンタジー…。
    しかしとてもうまい連作だった。
    相談を受ける側とされる側、過去と未来、視点の切り替えが絶妙。

  • 知人に借りて読みました。
    様々な人物の視点から描かれるオムニバス形式の物語で、話と時代が進むにつれ伏線が回収されて行くミステリーです。
    昭和から現代にかけての時代背景もおもしろかったです。
    どの話の主人公も深刻な悩みを抱えており、とある雑貨屋のおじさんに相談することで解決していこうとするのですが、どんな小さな町の人々にも、代わりの効かない人生があるんだなぁとしみじみ感じさせられました。
    雑貨屋のおじさんにも人生があって、後半で明かされる過去は切なくてロマンチックです。
    個人的にはビートルズに心酔する少年の話が好きでした。
    周囲の人たちへの見方が少しだけ変わるような、切なくもあたたかな気持ちになれる小説です。

  • 時代を超えた手紙による悩み事相談。
    “時代を超えた”というのがひとつ、ストーリーの奥行きを作り出している。

    あまり東野圭吾っぽくはない感じ。
    浅田次郎っぽいかな?

  • いつもの東野圭吾とはちょっと違う、ほっこりファンタジーだった。過去と未来を繋ぐ手紙のやりとりでお悩み解決するっていうのは面白いし、本家波矢おじいちゃんのトンチが効いた回答は優しくてとっても良い。
    でもNaverまとめかなんかで東野圭吾の代表作がこの本だと書いてあって違和感。これはこれでもちろんおもしろかったんだけど、東野さんの魅力ってもっとこう伏線回収どんどんするミステリーだと思うなぁ。

  • なんだろう?すごくよくできたお話だし、理詰めに構築してあって、隙がない。話は面白かったのに、なぜか読後??が残ったのは、登場人物が話のなかで将棋の「駒」みたいな感じがしたからかな・・・。
    読んでみて人気の作家さんというのはよくわかったのだけれど、私には合っていないのかもしれません。

  • しっくりハマったって感じですきです。短編かと思いきや、ひとつの線で結ばれてるお話。奇蹟って奇跡と違うのかなと思い、ネットで調べたら、奇跡は「理屈では説明できない超常現象」で、奇蹟は「神様が何らかの意図を持って起こしたこと」となっていて納得。やっぱり奇蹟でないと。

  • 驚いた。東野さんにしては珍しい、ハートワーミングな話だった。しかも時代バラバラが後々絡み合う系。

    登場人物みんながみんな、前向きな悩みを抱えながら、真面目に頑張って逃げずに生きてて、その結果良い方に事が運んでいいな、と思った。
    そして、登場人物がみんな人のアドバイスに耳を傾ける誠実さがあって、現状を打破しようとする努力ができて、結果に感謝できる心の広さがあって良いなと思った。
    最後でわかる、「ナミヤ雑貨店」と「丸光園」の繋がりも、昔愛し合った二人の縁ってわかって、なんかもう、最初から最後までハッピーエンド満載の話でした。

    レビューがネガティブなのは、他でもない自分が現在進行形で自分の努力ではなんかどうしようも出来なさそうな悩みがあるからです。単なる僻みです。

  • 敦也、翔太、幸平の三人が逃走中に逃げ込んだのは、人のすんでいない古びた雑貨店「ナミヤ雑貨店」。かつてこの店ではナミヤの主人が悩みを解決していた時代があったが、それは遥か昔のはなし。ところが夜明けを待つ三人のもとに新聞受けから一通の手紙が投げ込まれる。
    なんとなく始めた悩み相談の文通。しかし続くうちにいろいろな点が線となって、未来と過去と、悩みに関わる人たちが結ばれていく。

  • 結婚かスポーツか、音楽か八百屋か、ビートルズ、キャバ嬢のこの話は内容忘れた、、、
    いつか読み直す。

  • 読みやすさは評価するけど
    それ以上でもそれ以下でもない感じかなぁ。
    ハートウォーミングなおはなし って聞いた割には
    どうも『薄い』感がぬぐえない。

    そうだなぁ。
    東野圭吾さんの文章は
    トシをとった、本を読み過ぎた私の感性と
    マッチしなくなったんだと思う。

    誰かが転んだとき、
    「だいじょぶ?」って尋ねるのも優しさ
    恥ずかしいだろうから、と敢えて放置も優しさ
    救急箱持ってくるのも優しさ
    うかつさを注意するのも優しさ

    どの優しさを受けたら嬉しいか、は ひとそれぞれ。
    それと同じだったりすんのかも。
    東野圭吾さんの提示するものは
    もう私にはいらないものになったんかしれん。

    残念。

  • 盗みをした3人 敦也、翔太、幸平が逃げ込んだ先は
    40年前、店主の浪矢雄治が悩み相談を受けていた
    ナミヤ雑貨店。今は、だれも住んでいない空家。


    その夜は、40年前に亡くなった店主の浪矢が
    自分の回答が将来役に立ったのかどうか知りたくて
    返事を欲しいと願った、一夜限りのナミヤ雑貨店
    復活の日。そして奇跡が起こる。


    悩みが投函されるポストと、その返事を渡す
    牛乳箱が、40年前と今を繋ぐ入り口になる。
    浪矢は、40年後からの未来の手紙を受け取り、
    敦也、翔太、幸平の3人は、40年前に投函された
    『月のウサギ』からの相談を受け取り、
    自分たちなりに返事を書く。

    40年前の人たちと、今に生きる人たちの話が
    並行してすすむなか、親子、恩人、人間関係が
    交差する。手紙のやりとりと、人がが温かい物語。

    お悩み相談は、回答が大事なのではなく、
    回答してくれる人がいることが大切なのかも。
    あとは、自分自身どう生きるか、かな。

  • さらりと安心して読める内容。

    人は悩みを相談する人がいる時点で救われるんだなぁとつくづく思う。
    考えをまとめ、ぶつけ、自分を見つめ、その時点で解決に向かってる。
    ナミヤさんが真剣に自分のことを考えてくれてる、その時点で救われてる。トンチな答えも温かくて素敵だ。

  • 東野圭吾っぽくないファンタジー。ネットで簡単につながる時代と、そんなものを夢にも思わなかった時代とを、時空を超えて手紙でつなぐ。これまた登場人物がみんなどこかでつながっていて、見えない何かで支配されている…。週末、この作品の舞台を娘と見に行く。タイムスリップして、どっぷりとファンタジーに浸るつもり。

  • 昭和初期の浪漫ちっく、時空隙をもつ牛乳受と郵便受、ヘタレな3人組、まあ懐かしい人には嬉しいビートルズ(?)など、色々てんこ盛りなんだけど、どうもしっくりこない。何でかな・・・と思うに登場する人にも持ってくる相談にも悪意があるものが1つもない。オマケに失敗、間違いから起こる砂を噛むような思いがほんの欠片も出てこないので、何だか現実感に欠けるのだ。スパイスの効いてないカレーみたい。

  • 「悩み相談」を軸に、時空を超えるポストを持つ雑貨店を舞台にしたミステリー。

    人生のターニングポイントになっていく瞬間を、手紙の交換という悩み相談に集約している手法が面白かった。悩みに真摯に向き合う人たちの姿にはリアリティがものすごくあって、心に迫る場面が多かったです。いろいろな要素が各話でリンクしているところも楽しめました。

  • うーん、
    普通かなぁ。

    物語がするするするっと最後にはつながってくところに感動。

    さすが、東野さん。

  • 久しぶりの東野圭吾。あまりに売れっ子すぎて、逆に手が伸びなくなっています。大概は面白いんだけどね。不思議。
    さて、読んでみてファンタージー物語でビックリ。現在と過去のつながるお話、嫌いじゃありません。
    それも「手紙」が行き来するって手法は、なかなか独創的です。
    (韓国映画の”イル・マーレ”をちょっと思い出させますが)
    雑貨屋なのにどんな悩み相談も受付ける「ナミヤ雑貨店」の店主おじいさん。
    シャッターの郵便ポストに投函した相談手紙に対して真剣に考えて、
    翌朝に裏の牛乳瓶入れに返事を書いて入れておく、というやり取り。
    それがおじいさんの死後40年後に、偶然(?)お店跡に忍び込んだ若者3人が、
    一晩限りで過去からの相談手紙を受け取るところから物語がスタート。手紙だけが時空を越えてこんにちは。

    各章ごとに主人公が違って、それぞれの抱えるのっぴきならない悩みを相談していきます。
    現在と過去を上手く組み合わせながら、現在はその3人が未来の視点で返事を書き、
    過去はナミヤのおじいさんが人生経験を踏まえて真剣に返事を書くわけですが、
    どれもこれも簡単に答えがでるような悩みではないので、
    読み進めながら、差出人はどんな答えを出すのだろう?と気になって気になって、読むペースが加速。
    しかし本文にもありましたが、悩みって人に相談する時点で、
    自分の中ではある程度答えが決まっていて、
    それを誰かに肯定してもらいたかったり、
    背中を押してもらいたかったりするための「相談」なのかもしれません。
    結局は自分自身で選択するということ。

    運命なんてかっこいい言葉で言えるほど素敵な人生ばかりではないけど、
    人と人のつながりの中で生きる我々の、
    悩みながらも「明日は今日よりも素晴らしい」ということを、
    信じて生きていこうというメッセージは伝わりました。

  • とてもワクワクする話でした。

    主人公達は妄想なのではと思うが、きっちりと現実の世界に
    リンクしている事を知る。しかも過去の現実の世界に。

    廃屋となったナミヤ雑貨店に忍び込んだ不良少年の3人が
    うっかりと過去の人達からの悩み事の相談のてがみを
    を受け付けてしまう。

    悩み苦しむ相談者達は藁をもすがる気持ちで投函してくる。
    初めて人の幸せの為に考えあぐねる不良少年達。
    稚拙だが一生懸命に考えた解答は過去の人の人生をどう変えるのか。

    一気に読みました。読み終えると温かな気持ちが
    心にじんわりと広がります。

    • yoko.nさん
      いつもの東野圭吾っぽくなくて、ファンタジーを感じましたね。登場人物がリンクしてきて、どんどん先が読みたくなりました。本当に面白かったです。
      いつもの東野圭吾っぽくなくて、ファンタジーを感じましたね。登場人物がリンクしてきて、どんどん先が読みたくなりました。本当に面白かったです。
      2012/09/03
  • 東野圭吾っぽくなく、最初はちょっと戸惑ったけど読み進めるうちにすんなり物語に入っていけた。
    個人的には、特別面白い!って感じでもなかったけど優しい前向きになれる話だった

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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