彩雲国秘抄 骸骨を乞う

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (589ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041101391

感想・レビュー・書評

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  • 「骸骨を乞う」―心身を尽くして仕えた主君に辞職を願い出でる時に使う、古い別れの言葉。

    角川ビーンズ文庫の彩雲国物語シリーズの、本編では語られなかった裏のお話。本編ではあまり踏み込まれなかったキャラクターに丁寧に焦点を当てた感じ。

    最後のお話(改稿収録)以外は基本的に重たいお話。小ネタでくすっと笑えるところもあるけれど基本的には色んな人のそれぞれの凄絶な生き方や最期がメインな感じ。

    本編から好きだったけど、一層悠舜が好きになった。王と悠舜の関係性がなんとも言えない。
    本編だけ読むと「かっさらっていった」感の否めない旺季もこのお話を読んで納得できた。
    あと、璃桜君が非常に格好良くなっていて嬉しかった。いい男だ。
    ただ、長編シリーズだったので若干内容を忘れててもったいなかった。

    側近の扱いの低さについては不満が残る。が、前時代、前体勢の終焉について主だって書いてあったから仕方ない…のかな。

    志美ちゃんの、戦争は、戦争のなかでしか生きられない人を作り出してしまう、世の中が平和になっても自分ひとり戦争から抜け出せない、という趣旨の言葉が重かった。
    戦争の残虐性の新たな一面を垣間見た気がした。

    長い長い物語が、やっと、終わった。
    ずっと読み進めてきて良かったな、と思う。

  • 彩雲国最後の話で、秘抄。
    本編がビーンズ文庫であるだけに年齢層を考えると、この話は好き嫌いが別れるだろうと思う。本編をより深く楽しくする話ではあるが、読まなくても困らない。スピンオフ+後日談。
    最初の頃の話が好きな人には暗いと感じるところか。
    彩雲国物語って、案外暗いけど。
    キャラの性格と言動で明るく流されたところもあるからなぁ。

    とりあえず、みんな結構我が儘に生きた話の終幕。

  • あいかわらず日本語はおかしいところがあるし、視点が変わっていたりして読みづらい.....。

  • ああ、本当に終わったんだな…って放心状態…

    泣きました。
    いいキャラが多くて。
    誰の心も、寄り添いたくなる。
    誰も、そんなに多くを望んでいないのに。
    叶えてあげれるものならば…何度思ったかしれず…

    紅秀麗が幸せで、良かった。

    「願わくは、骸骨を乞いて、帰らん」
    この言葉がじんと心に染みて、消えません。

  • 自分にとっては残念な本となった。
    彩雲国物語の登場人物、悠舜、旺季、晏樹、劉輝について、主に本編が終わった後を描いた短編、それと悠舜と国試組(紅黎深、黄鳳珠、管飛翔、来俊臣、姜文仲、劉志美)の出会いを描いた短編、のオムニバス。
    その後の話が、ストーリー重視ではなく、主人公の心情中心に描こうとしていて、かつそれが、自分の経験不足なのか、作者の文章力不足なのか、納得出来るような形では描けていないため、物語に入っていけない。そのため、淡々と文が続いていくだけで主人公に入れ込むことが出来ず、ふーん、で終わってしまっている。
    これが文庫での出版であれば文句はないが、書籍でこの値段は釣り合わない。

  • 本編では、詳しく描かれなかった王季サイドの話が、それぞれの主要キャラの視点で語られる。
    謎の多かった各々の内面に触れ、出来事の詳細を把握できるようになった。改めて、本編を読み直せば、当時は気づかなかった、登場人物たちの想いを汲み取れるかも。

  • 悠舜、旺季、晏樹、劉輝、仙それぞれの短編+「悪夢の国試組」収録の外伝
    悠舜&劉輝と、旺季&劉輝の話は本編よりも相手への思い入れがぐわっと詰まっていたので
    濃い人間関係が描かれていて良かった。

    しかし若干まどろっこしい書き方も、くだけた口語体も、ビーンズ文庫から一般書に変わっても
    あいかわらず健在だった。ハードカバーにした意味が??文庫上下巻とかじゃだめだったのかな。
    中高生にはちょっと厳しいんじゃないかと。

    それにしても作者は本当に悠舜、旺季が好きだな~側近3人の影の薄さがすさまじい。薄いだけなら良いが、キャラageのために貶めるのはちょっとね・・・そういう手法は苦手だ。
    あの3人はこれからの活躍乞うご期待!という感じなんだろうけど、番外編までsageやらなくても・・・って思った。
    劉輝の話では本編ラストの秀麗妊娠出産あたりがあるので本編の続きが気になる人にはおすすめ。

  • 終始シリアスな話が多かった。
    旺季サイドメインで、彼らが何を考えて行動していたのか、がよく分かる。

  • 彩雲国物語、さいごのお話。

    泣きました。泣けました。
    涙腺がとても弱いので、もうぼろぼろ涙がこぼれて仕方ありませんでした。
    もちろん笑える部分もあります。

    この作品を読んでから「かつくらvol.2 春」の彩雲国特集を読みました。

  • 文庫でなく単行本でというところにびっくり。
    骸骨を踏み分けていく表紙イラストといい、わりかし暗め。
    唯一明るいのは、この本の中で唯一ビーンズに掲載されたことがある、悪夢の国試組の話。黄奇人がまともに見えて可愛い……(^_^;)

    装画 / 由羅 カイリ
    装丁 / 西村 弘美(角川書店装丁室)
    初出 / 『The Beans』VOL.12〜13(大幅改稿)、他書き下ろし5編。

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著者プロフィール

茨城県生まれ。2002年10月「彩雲国綺譚」で第1回ビーンズ小説賞の読者賞・奨励賞をダブル受賞。03年11月、受賞作をもとに改稿執筆した『彩雲国物語 はじまりの風は紅く』で作家デビュー。同シリーズは11年7月に本編が完結し、累計650万部を超える大ヒット作となる。他の著作に「レアリア」シリーズ、『エンド オブ スカイ』がある。

「2023年 『彩雲国物語 十六、 蒼き迷宮の巫女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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