水木しげるの古代出雲 (怪BOOKS)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041101421

感想・レビュー・書評

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  • 水木先生の描く古代出雲と古事記ワールド。

    長々とした神々の名前と系譜だけでも分かりにくい古代神話の世界を漫画にすることで分かりやすく理解しやすい内容となっています。入門書といったところでしょうか。

    水木さんなりの新たな解釈を期待していたのですが、流布されている通説とたがわずに、ちょっとばかし拍子抜けしました。

    最近地元では神話が実話だったということで、実際の地名と結びつけて地理と時系列を結びつける作業が進んでいます。文字のない時代の実話を口頭継承したことで、文字にしたときは(噂に尾ひれがつくように)荒唐無稽な話になってしまったという説が有力です。旧約聖書の事蹟やシュリーマンが発掘したトロイなんかも、神話と言われたのが実在したといった寛治で、古代日本の原風景を地元では探しています。

    本書も、実在説を強く意識して描かれています。

    古代の出雲大社が実は巨大建造物だったことや、スサノオの宮殿の場所に須賀神社があるといった感じで、実話であったことを強調しておられます。

    今年は古事記1300年祭。

    古代出雲の再認識がすすめば嬉しいです。

  • 漫画の割には出雲神話の成り立ちがわかりやすく
    理解できた。

    水木しげるの絵ってシュールだとい%

  • 出雲からみた神代の日本を、水木しげるが描く。内容、視点、解釈に特に新しいところはなく、井沢元彦氏の著作も参考にしているし、神話に書かれたことの事実は、おそらくこういうことなんだろうという解釈も、通説通り。 ただ、島根県出身の水木しげるが描くからこそ意味があるのでしょう。画力のある著者の、トーンを使わない手書きの筆致が、古の日本の原風景を描いているようで眺めているだけでもいいな、と思わせる。
    それにしても、後半第2章から第5章までが描き下ろしとは(つまりどこかに連載したものをまとめて、それで出版でない)、水木しげるのネームバリューもここ数年でまた格段をUpしたんだな、と思わされる一冊。

  • 出雲の地に住んでいた者にとっては待ちに待った本。
    出雲神話や古事記をベースとしたストーリー展開かなと思っていたけど、水木さんなりの解釈も加えた古代出雲史の読み解きという感じかな

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著者プロフィール

1922年(大正11年)生まれ、鳥取県境港市で育つ。太平洋戦争時、ラバウル戦線で左腕を失う。復員後、紙芝居画家を経て貸本漫画を描き始め、1957年『ロケットマン』でデビュー。以後、戦記もの、妖怪ものなど数多くの作品を発表。1965年『テレビくん』で第6回講談社児童漫画賞を受賞。1989年『昭和史』で第13回講談社漫画賞を受賞。1991年紫綬褒章受章、2003年旭日小綬章受章。主な作品に『ゲゲゲの鬼太郎』『河童の三平』『悪魔くん』『総員玉砕せよ!』『のんのんばあとオレ』など。2015年11月死去。

「2022年 『水木しげるの大人の塗り絵 あの世紀行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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