- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041101506
作品紹介・あらすじ
みうらじゅん、楳図かずお、中村うさぎ……彼らが夢と希望を抱いて上京して来た初めての日。その初夜はどうやってすごしたのか? 抱腹絶倒でちょっとホロリとさせる、有名人たちが語った無名時代物語。
感想・レビュー・書評
-
2012年刊。各界著名人11人に、上京直後のことなど、東京での無名時代の青春を訊くインタビュー集である。
どのインタビューもそこそこ面白いが、梯久美子にしては薄味だ。
「このメンツなら、標準以上の能力を持つライターが書けば、まあこれくらいの内容にはなるだろう」という感じ。
各インタビューともベタ・モノローグで、地の文が(ほぼ)ないのも本書の弱さの原因だ。梯久美子ならではの端正な文体の魅力が希薄なのだ。
私は梯が『アエラ』の看板連載「現代の肖像」で書いた人物ルポ10編をまとめた『声を届ける』を高く評価しており、「人物ルポのヴィンテージ」だと思っている。
そのように期待が大きいからこそ、ハードルが高いということもある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
281
リリーフランキー、みうらじゅん、中村うさぎ、… -
みうらじゅん、楳図かずお、中村うさぎ…夢と希望を抱いて上京し、東京で過ごす初めての日。彼らは何を思い、どうやって過ごしたのか。11人の有名人たちが語った無名時代の物語。
今では各界で活躍している著名人も、田舎から東京へ出てきたばかりの頃はまだ若くて無名だった。「知らない」ことは当たり前で、それだけでなく「勘違い」から損をしたり迷惑を掛けたり・・・前へ進もうともがいて、なるようになれと流されて。笑いあり涙ありの「初めて」物語はどれもとても面白かった。皆10代後半から20代にかけて上京しており、今の私と年齢的に近いこともあって、有名人をぐっと近くに感じることができた。
この本に登場している人々が上京した時代は70~80年代。現代と比べて、多少無茶をしても何とかなるし、そんな人がいても許してしまう寛容な人が多かった時代だったのではないだろうか。そのような、現代とは違う時代の空気をこの本から感じた。
11人11色の生き方があり、それぞれが際立った色をして輝いている。現代は生き方の多様性が叫ばれているが、生き方が固定されているのは今と昔どちらなのだろうか。どのような人生を辿っていくかは時代や周りの環境よりも、本人の意思次第なのだろうと思った。 -
各界の成功者の上京物語。予想以上に面白い。佐々木常夫さんの家庭環境に驚き。著書を読みたくなった。
-
押しも押されもせぬ著名人達が無名時代、上京前後を赤裸に語る。成就に向って笑いあり涙ありのドラマ仕立てで構成されている。思いがけない素顔に触れることもでき貴重なひとときを過ごすことができた。
-
11人の有名人の東京に出てきた頃の話を著者がインタビューして書き上げたもの。
今は各分野で成功を収めている人たちが上京してきた当時のエピソードに思わず引き込まれてしまいました。それぞれの人の青春物語を耳元で語ってもらったような,そんなしみじみとした文章です。もっと他の人の上京物語も聞きたくなりました。 -
11人の著名人の上京物語集。昭和のよき時代に上京した人が多い気がするが、駆け出しの頃の青春物語が詰まっていて面白い。つい自分が上京した時を思い浮かべてしまう。
-
上京して初めての夜を、どこでどう過ごしたか? 11人の著名人のインタビュー集。「TOKYO初夜」は呼び水で、上京するまで、上京してからの思い出が次々あふれ出るように語られる。それぞれの話がそれぞれに味わい深く、青春っていいなと思えた好著。