夢より短い旅の果て

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.23
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本棚登録 : 330
感想 : 76
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041101933

作品紹介・あらすじ

四十九院香澄は"その道では有名な"鉄道旅同好会に入会した。鉄道に興味はなかったが、彼女には同好会に絶対に入らなければいけない理由があった。急行能登、飯田線、沖縄都市モノレールゆいレールに、こどもの国、越後湯沢、雨晴、日光…。一つの線路、一つの駅に集う多くの人々、様々な人生と交錯する中、彼女自身も自分のレールを敷きはじめていく。ありふれた日常をちょっぴり変える、珠玉の鉄道ロマン。

感想・レビュー・書評

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  • 思春期の初恋をそのまま引きずって大学生になった主人公の物語。初恋の相手が叔父さんで大学生時代に行方不明になった。その謎のトラウマを解決したく成長する青春ミステリーとも言える。物語は単純では無く叔父が所属していた鉄道旅同好会に参加して旅の魅力に引かれつつ、旅行で出会った謎解きにも関わって行く。柴田さんの物語構成は多重性に富、読み応えのある秀作に成っている。鉄道旅行の魅力も見逃せない。様々な角度から堪能出来る一品ですね‼️又、重くならず読みやすくて気持ちよく読了しました。

  • この線路の向こうには、きっとあの人がいる――。四十九院香澄は"その道では有名な"鉄道旅同好会に入会した。鉄道に興味はなかったが、彼女には同好会に絶対に入らなければいけない理由があったのだ……。
    amazon より

    タイトルがステキ.このタイトルの元になる短い鉄道旅から始まって、香澄はいろんな線に乗る.特に鉄道が好きな”鉄子”ではなかったけれど、いつしか立派な鉄子に...で終わりの話ではない.
    いろんな出来事がこんなに重なるはずがない.というのは、そこは小説だからということで置いておくにしても、旅というのは偶然の(または必然の)出会いや出来事があるものだ.
    鉄道の旅を通して、香澄が成長していく姿が見える.ある”想い”が目的の人生、それでよいのかと悩みながら、いろんな人との出会いを通じて、それもまたよいのではないか、とこの1冊の中では結論づく.続編があるようなので、ぜひ旅の続きを読みたいと思う.
    鉄子でなくても無性に鉄道に乗りたくなる.一人旅をするということは、自分と向き合うこと.こんなに小さな国に奇跡のように網の目のように張り巡らされた鉄道.そこにはいろんなドラマがあって、たくさんの夢や希望、ときに絶望を運ぶ.

  • 読んでいて、その鉄道に乗った気持ちになれて、そして実際に乗りたいと思った。
    特に、氷見から高岡への氷見線に春先に乗って、雨晴海岸からの北アルプスを見てみたいと思った。

    金沢から内灘に向かう浅野川線にも乗ってみたい。
    飯田線の無人駅も楽しそう。出口が見当たらないほどの狭さの田本駅とか、思わずネットで検索しながら読んだ。

    香澄が書いた、評判の良いレポートも読みたかったな。
    鉄道でのひとり旅を、いつかしてみたいと思える本。


    読み終える時の感想は星3つだったけど、あとがきを読んで星4つ。

  • 夢より短い旅の果て
    著作者:柴田よしき
    発行者:角川書店
    タイムライン
    http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
    この路線の向こうにはきっとあの人がいるに違いない。

  • 著名な「鉄道旅」のサークルにどうしても入りたかった香澄は、試験に受かるために必死だった。そのサークルに入りたい理由は誰にも言えなくて……。鉄、というほど鉄道に興味があるわけではないけれど、という香澄の立ち位置から見た鉄道旅。その時々で一緒の人が違っていたりするけれど、鉄道の旅は少しずつ香澄の気持ちを変えてくれる。私も鉄道に乗るのがちょっと好きな人なので、楽しく読めました。ぜひ続きを読みたいです。

  • たしかに飯田線は長い。

  • ある切実な目的のために、大学の鉄道旅同好会に入った
    香澄。最初は鉄道に興味がなかった彼女ですが、路線巡り
    で様々な出会いを重ねるうち、鉄道旅に魅了されていきま
    す。同時に、彼女の入会目的とその真相も徐々に明らかに
    …?少し切なくも温かい、ミステリー仕立ての一冊。続編
    『愛より優しい旅の空』 とあわせてどうぞ。

  • 鉄道旅研究会という設定のため、それにまつわる描写があったが、旅エッセイではないのでくどくない程度だったと思う。一冊で完結するものと思って読んでたので最後消化不良気味であっが、続編の事情もあとがきにあったのでまあよいかなと感じた。

  • 旅行好き・非鉄女子大生が、初恋相手(鉄)を探して鉄道の旅をしていく物語。最初の路線で見かけた女性の伏線が、最後にうまく回収されていたのは、面白かった。
    鉄道好きな人向けに見えるけど、内容は別に鉄道に寄っているわけじゃないので、鉄道好きじゃなくても、十分楽しめると思う。逆に鉄道好きの人がバリバリの鉄を期待して読むと残念かも。あくまで鉄道を舞台とした人間を描いた物語だから。しかも鉄道関係者でもないし。

    主人公が入った鉄道旅同好会の仲間たちの温かさや旅先であう人達の温かさを感じて、旅を通じて自分を見つめなおし、次に進もうと思うところで物語は終わっている。先に進んだ話も読んでみたい気はするけど、個人的にはこれで完結でもいい気がするな。(続編があるなら読んでみたいけども)

  • タイトルがいいと思って読むことにした。旅を感じさせる本として紹介されていた。しかし大学の同好会が舞台、ありがちなよく喋りすぎる登場人物。期待した旅の気分を味わうというのは少し違ったようだ。ミステリっぽいストーリーも消化不良かな。旅はやはり自分で行かなきゃ。

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著者プロフィール

東京都生まれ。青山学院大学卒。1995年『RIKO――女神の永遠』で第15回横溝正史賞を受賞しデビュー。本格ミステリー、サスペンス、伝奇小説、ファンタジーなど多彩な作風と旺盛な執筆力には定評がある。『激流』などドラマ化された作品も多い。「RIKO」「炎都」「猫探偵正太郎」など多数のシリーズ作品の他、近年は時代小説「お勝手のあん」シリーズも手がける。

「2023年 『ワーキングガール・ウォーズ やってられない月曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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