永遠の曠野 芙蓉千里III

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 176
レビュー : 31
  • Amazon.co.jp ・本 (435ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041102275

作品紹介・あらすじ

私は、芙蓉。この最果ての地で見事な一夜花を咲かせてみせよう。不世出の舞姫は恋ゆえに芸を捨て、馬賊に。彼女の思いが、歴史を変える-ドラマティック女子道小説、感動の完結巻。

感想・レビュー・書評

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  • 馬賊の当家となった山村健一郎-楊健明を追いかけ、舞うことを捨て馬賊の世界へ飛び込んだフミ。
    下働きの馬の世話から始め、徐々に仲間と馬からの信頼を得ていく。
    ようやく自分の居場所を見つけたフミ。
    しかし時代は大きく動き出し・・・。

    『芙蓉千里』完結編。ああ、こう落としましたか!!
    うっわ、びっくり。大興奮しました。ここまでの話が全て吹っ飛ぶくらい。
    だけどちょっと抑えて感想を。

    このあたりの大陸の動きは複雑すぎて、ほとんど何も知らない状態。
    であるからしてモンゴル・露西亜・ソヴィエト・中華民国そして日本の政治的思惑と駆け引き、それらの背景がていねいに描かれていたのは助かりました。
    浅田次郎さんの『中原の虹』も思い出しながら読みました。

    『北の舞姫』で「少女漫画みたい」って思いましたが、須賀さんのインタビューを読むと「大河少女漫画」が読みたいと思い書かれたそうで。
    なるほど。大成功ですよ。
    それにしても、ずいぶん遠くにきちゃったねぇ、フミ。
    だけどこの後のほうが、もっと時代は大変なのですが・・・。

    見事な大団円ですが、でもこのラストってば。誰かと話したくてしょうがない。
    ということで、以下ネタバレです。未読の方、ご注意を。












    山村さんは、馬賊の当家ってことで早々に死亡フラグがたっていたので、その後の身の振り方をフミがどうするのか、ってことが気になっていたのです。
    すごすごと黒谷さんのところへは戻らないよねぇ?と。
    そうしたらコレですよ!
    さすが「大陸一の女郎」。ゲイをもその気にさせるなんて。
    って、おバカな話はおいといて、山村さんの血を混ぜた2人が子をなし家族を作ることで、間接的に山村さんの家族をつくった、ってことですよね。
    ここ、うまいなぁと唸りましたね。
    あと個人的には431ページ下段はじめ。ああ、生きていたんだ!
    愛すべきキャラでしたので、本当に嬉しかったのでした。

  • 89:須賀さんの書かれる少女主人公は、本当にしなやかで、逞しくて、可愛くて、艶やかで、強い。胡子としての生活がありありと描かれ、スケールの大きさとリアリティ、圧倒的な展開とスピーディな展開に毎度のことながら浸れました。
    正直なところ、建明のフラグが立ちすぎていて読んでいてつらく、フラグが成立してしまったときは泣きましたが、心折れた芙美が再び立ち上がるまでの描写は「流血女神伝」を思わせるもので、胸熱でした。少女小説というとちょっと違う気がするけど、少年小説の少女版? たぎります!

  • 切ないような清々しいような読了感でした。



    ていうか、炎林!

  • 登場人物と関係性がごっちゃになって読むのが辛かった中盤。

    最後はそこに落ち着いたのか、とすこしほんのりしんみりしつつも、逞しく生き抜いた先の幸せによかったな、と思えたラストでした。

    2018.7.9

  • やっと読み終わりました。
    放置してかなり経ってしまったので、関係性や名前の読み方を忘れてしまい、一苦労。

    一度読み始めれば、止まらないのはさすがです。引き込むのがうまいなと毎度ながら思います。

    終わりが予想外だったので、そうきたかという思いですが、私は良い終わり方だなと思います。
    炎林のことも好きになりました。良い男ですね。再読するまでに二歳ほど歳を取ったので、以前の私は今よりも子供で、炎林の魅力がわからなかったんだろうなと思いました(笑)

    それでもやっぱり黒谷さんが好きだなと、しみじみ。
    黒谷さんのような男性、いませんかね?(笑)

  • 読み始めたら一気読み。

    そうか、そういう風に終えるのか。
    面白かった。

    それにしても長い旅路だったな・・・

  • もうちょっと詳しい地図と、あとやっぱり人物紹介が欲しかったなあ。慣れない地名や人物名に苦労したけど、ストーリー自体は面白かった。女一代記というか文字どおりの芙蓉千里を駆けるといった風で。すっかり落ち着いた感のある終章だけれど、実際にこのあとなにが起こるか知っているだけに、フミたちはその時代をどう生きていくのだろう、とすごく興味がある。

  • どうしてそうなるのか理解出来ない。前回までとっても面白かったのに何故こうなった・・・。ガッカリ。

  • いやー。読みきった。

    息もつかせぬ展開過ぎて。

    芙蓉千里を遥か前に読んで、後の二冊。

    まさかこれを読みながら、浅田次郎さんの清朝末期のあのシリーズを思い返すとは思わなんだです・・・


    久々に、読書後の心地よい爽快感が得られた作品でした。

    これ以上ない結末だったと思う。

    うん!

  •  『芙蓉千里』を読み始めた頃は、まさかここまで続くとも、骨太になるとも思ってなかった。大河ロマン小説にしては、政治情勢なんかがきちんと書かれており、難しくてなかなかすんなりとは読ませてくれない。でも、シリーズ最終巻を読み終えて、感無量。小難しい中にも、大河ロマンたっぷり。フミの波瀾万丈でたくましい生き方も素敵だけれど、黒谷、建明、炎林というフミをめぐる3人の男たちの、なんと魅力的なことか!それぞれにキャラクターが違って、とてもいい。特に建明の最期、炎林とフミの関係が素敵すぎて、分厚い本を持つ手のだるさも、二段組みの構成で文字を追う目の疲れも、読み終えた後は胸がいっぱいで、心地よかった。

     またいつか、読み返したい。次は、ぎゅっと短い時間で一気に読みたい。

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著者プロフィール

須賀しのぶ(すが・しのぶ)
1972年11月生まれ。埼玉県出身、上智大学文学部史学科卒。
1994年『惑星童話』」でコバルト・ノベル大賞読者大賞を受賞し1995年デビュー。2010年『神の棘』で第13回大藪春彦賞候補。2012年『芙蓉千里』三部作によって第12回センス・オブ・ジェンダー大賞受賞。2015年『革命前夜』第18回大藪春彦賞受賞、第37回吉川英治文学新人賞候補。2017年、『また、桜の国で』で第156回直木賞候補、第4回高校生直木賞受賞。同年、『夏の祈りは』で「本の雑誌が選ぶ2017年度文庫ベストテン」1位、「2017オリジナル文庫大賞」受賞。
第100回高校野球記念大会が開催されるメモリアルイヤーの2018年、『夏空白花』が刊行された。

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