二重生活

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 317
レビュー : 58
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041102336

作品紹介・あらすじ

大学院生の白石珠は、ある日ふと、近所に住む既婚男性、石坂史郎を尾行してしまう。大学の講義で知ったアーティスト、ソフィ・カルによる「文学的・哲学的尾行」が心に残っていたからだ。そして珠は、石坂の不倫現場を目撃する。他人の秘密を知ることに、ぞくぞくとした興奮を覚えた珠は、石坂の観察を繰り返す。だが徐々に、秘密は珠と恋人との関係にも影響を及ぼしてゆく-。大学教授への想い、今は亡き恋人への追慕。スリリングな展開、乱れ合う感情。ページを繰る手が止まらない、傑作長編。

感想・レビュー・書評

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  • ジャン・ボードリヤール、ソフィ・カル、カミュを参照、引用している。

    「本当の話」ソフィ カルは、 ヴェネツィア組曲、尾行、本当の話、の3篇を含み、ボードリヤールの解説がある。

    主人公が仏文学の大学院生という設定で、
    カリギュラ、誤解の話題が出てくる。

    この手があったのだ。ある作品に敬意を表して、後を辿る。

    人が人を追跡することは、追跡している人自身を追跡することにもなるという。
    主人公が、登場人物を追跡することは、主人公が主人公自身を追跡するという記述になっている。

    追跡された人の二重生活だけでなく、追跡者の二重性を描写することによって、二重構造を多層的に展開する。

    著者が、作家、作品を追跡する際に、この手法は有効だろう。
    予め、追跡する対象を表明し、単なる模倣ではないという言い訳になる。

    仏文に拘ったのは、同居者が、仏文が専門だった直木賞作家、藤田 宜永のよい影響なのだろうか。

  • このミステリアスなカンジが小池真理子らしい。
    尾行、そのものではなく、背中がゾッとするようなカンジ。

    それは、
    しのぶにみつかったときであり、
    石坂にみつかったときであり、
    卓也に石坂と一緒だったタクシーを降りたことがみつかったときであり、
    篠原に話し始めたときであり、
    そして、最後に新しい対象者をみつけたときであり、、。

    妄想をすることは、自分の生活の中でもしょっちゅう。
    これだけは歳を重ねても変わらない。

    「育ち(がいい)」ということは「幼い頃に受けた愛情の問題」
    というフレーズはなるほどなあ、と。

    石坂に自分のことを話しだす珠には、ちょっと共感した。
    全く自分の生活と接点がない人に、自分のこの思いを吐き出したいことが時々ある。
    そんな対象者がいる珠が、うらやましかったりして。
    まして、美味しいワインと料理がご馳走になれるんだもんね。
    新しい対象者の話も、石坂にするんじゃないかな。

  • 面白かった!

    今まで読んだことのない話だったし、まったく先が読めなかったし
    尾行する側とされる側があんなふうに繋がったのも意外でとても面白かったです。
    小池真理子の本は数々読んできたがいろんな意味で裏切られた気分。

    結局すべてが元のさやにおさまったようで、きっと全然違うんだろうなあ。
    読み終えた後も主人公がどうなっていくのか想像せずにはいられない結末もとても良い。

  • WOWOWで門脇麦主演の同名の映画を見て、いやに官能的な映画であったので原作も読んで見たくなった。しかし原作はそれ程でもなくかえって微笑ましくなるような男女の痴話話になり、この小説の主体となる文学的・哲学的尾行は最後は人生に刺激を求めるための手段と成り果ててしまったようである。映画は門脇麦をキャスティングした時点でエロ路線を選んだのだと思うが、どちらかというと映画の方が面白かったかな。

  • 途中で読むのやめた。

    説明がくどいのは苦手。

    哲学的尾行。

  • 2016/09/26
    卓也にもうちょっといろいろエピソードがあるのかと思ってたけど、そこはあっさりしていてちょっと物足りなかった。
    映画も見たいなぁ。門脇麦はぴったりだと思う。

  • 映画化されているとはつゆ知らず、うっかり読んでしまった。
    猜疑心や嫉妬心て、ああ、面倒くさい。自分にそういうものが全くないなどときれいごとを言うつもりはないが、面倒くささのほうがはるかに大きいので、ここまで猜疑や嫉妬(それに情熱)に囚われることが不思議で、どの人物にもあまり入り込めなかった。
    そもそも恋愛小説は面倒くさい。どうしても浮わつくし。

  • 尾行するって結構大変なことだと思うんですよね。私ならすぐばれると思う。だからそれをする珠はやっぱり変わっているのか、文学的・哲学的尾行に向いているんだと思う。おもしろい小説だった。

  • たまたま図書館の返却棚から選んだ3冊のうちの1冊。全部で15冊もなかった中から。

    この本のように、楽に読める本ももっと間に入れたい。

  • 大学での授業がきっかけで、何気なく近所の住人を尾行してみた主人公、
    (なんとまぁ、悪趣味な・・・)
    思いがけず他人の不倫の秘密を知ってしまったことから、
    他人の生活を覗き見ることに目覚めてしまうというお話(笑)

    ずばり、テーマは
    『愛情』と『嫉妬心』、そして『秘密』という恋愛とは切っても切れないものばかり。

    SNSなんかを見るにつけ思うのだけれど、
    こんなに相手の私生活をこっそり見ちゃえるような面白いもの、
    私くらいの年齢になっていればまだしも
    バリバリ恋愛真っ最中な現役世代の若者たちは
    大丈夫なのだろうかと。。。

    知らなければ、嫉妬も疑いも持たなくて済んだのに
    なまじ知ってしまうから苦しくなる。
    まぁ、それも恋愛の醍醐味のひとつなのだろうけれど
    真っ最中の恋人たちにしたら、そんなこと言ってられないだろうし(笑)

    この主人公も、恋人が浮気をしてるのでは?との疑惑に囚われ
    深い深い嫉妬の沼に足を取られてしまいます。
    愛すればこその嫉妬心、
    きっと永遠のテーマなんでしょうね。

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