鳴いて血を吐く

  • 角川書店 (2012年8月31日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (328ページ) / ISBN・EAN: 9784041102640

作品紹介・あらすじ

離婚して経済的に困窮しているギタリスト・多聞に、人気歌手・実菓子のインタビューの仕事が舞い込んだ。多聞と実菓子は幼いころ同じ家で育ち、しかも多聞の亡父と亡兄はともに実菓子の夫であった――。

みんなの感想まとめ

人間関係の複雑さや閉塞感を描いた作品で、特に家族の愛憎や因縁が絡み合う様子が印象的です。登場人物たちはそれぞれに深い苦しみを抱えており、物語は重苦しい要素が次々と積み重なります。特に、田舎の旧家に潜む...

感想・レビュー・書評

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  • 凄いタイトルです…
    内容はもっと凄いです( ̄▽ ̄)

    古い因習がすべてを支配する村
    村の頂点にある旧家・藤屋
    没落した斧屋
    絶対権力の当主、離れに囲われる妾と美しい娘
    身体の弱い長男、両親に居ないも同然に扱われる次男

    よくぞここまでと笑ってしまうくらい酷い大人しか出て来ません笑
    昼ドラや韓国ドラマ以上のストーリー

    遠田潤子しか書けない作品だし、遠田作品を知らずに読むのはおすすめできない(*´-`)

    バケツとウ◯コ…ほかのいい方あるでしょ!
    そんなに連呼されても笑
    怒涛の連呼からのごんぎつね…からのハッピーエンド
    まさに遠田ワールド全開(〃ω〃)

    新美南吉も連呼に驚いているでしょうね笑


    そして願わくば死ぬ時は二人一緒に…








    • ultraman719さん
      これですね!改題前のは!
      これですね!改題前のは!
      2025/11/16
    • みんみんさん
      この強烈なタイトル変えたんだね笑
      この強烈なタイトル変えたんだね笑
      2025/11/16
    • ultraman719さん
      絶対、このタイトルの方が良いですよ!
      絶対、このタイトルの方が良いですよ!
      2025/11/16
  • 鳴いて血を吐くカラヴィンカ。
    カラヴィンカってタイトルの本もあったような…。

  • 文庫版では「カラヴィンガ」と改題されたこの作品ですが、親本のこちらのがかなりインパクトのあるタイトルですね…真っ赤な口を開けて甲高い声で鳴くホトトギスをそう表現するそうで、このタイトルをつけられた由縁は読み進めるうちにわかってきます。
    閉塞的な田舎の環境、愛憎と因縁入り混じった家族模様、謎の死が続き遺された人はみな秘密を抱えている……とこれでもかと重く苦しい要素が二重三重どころではなく降り積もっていきます。
    しかも読み進めるうちにその苦しさが開放されるどころかいや増して、喉につっかえるようなしんどさを覚えてきます。これまでの作者の作品の中でも相当な重さではと。それは行われていることの陰惨さが大きいかなと思うのですが。精神的な辛さの大きいように感じたほかの物語より、子どもが受けた直接的な苦痛が……ちょっと私にはキツいカテゴリでした。
    最終的にはいくらかの「希望」を感じさせ、鳴いて血を吐いてきた生き様がけしてムダではなく、きちんと届いてほしいところへ届いたのだと感じさせるものでした。なので、泥へ沈んでいくばかりではないですが……、ようよう泥の中から口だけは出せて呼吸だけは出来る状態というような終わり方だなとは思いました。

  • 内容紹介(転載)
    離婚して経済的に困窮しているギタリスト・多聞のもとに、人気歌手・実菓子のロングインタビューの仕事が舞い込んだ。多聞と実菓子は幼いころ同じ家で育ち、しかも多聞の亡父と亡兄はともに実菓子の夫であった――。

    最近注目している遠田潤子。まだ他にはアンチェルの蝶しか読んでいませんが、ダークで地面に沈み込んでいくような筆致にずるずると引きずられて僕のハートも鬱模様です。前回も今回も、幼少期の壮絶な体験が原因で、大人になっても大きな傷跡となって血を噴き出している様をまざまざと見せつけられる本で、自分の生み出した人格をよくぞここまで貶め汚し痛めつける事が出来るものだと読みながら感じました。基本的に幸せな本が好きで、誤解を受けてどんどん憎悪の泥沼に沈んでいくような話は悲しくて見ていられないのです。
    とは言いながらもこの本、小さな村の閉鎖的な陰惨さを描いているのですが、意外とそこまで詰め切れておらず、鬼畜と叫びたくなる一歩手前で足踏みをしております。
    主人公の多聞の幼馴染の歌姫、実菓子への憎悪も根が浅く、読んでいてすぐに底が透けて見える所が有ります。人によってはもっとどろどろを!と天下一品に群がる人々のように叫ぶ人もいるかもしてませんが、僕にとっては美しさと妖しさと悲しさのバランスが絶妙にとれていてとてもよかった。
    題名何しろインパクトがあるので、相当痛みを伴う読書になる覚悟をしていましたが、仕掛けである陰惨パーツをそぎ落とした姿は青春物語なのではないかと非常に感じました。皆色情におぼれ過ぎだろうと思ったりしますが、そんな中でも清澄さを保つ実菓子が素敵。可哀想だけど美しい。
    あと、多聞がマーチンのD45の戦前のモデルと思われるサイドバックハカランダの物を手放す所から始まってびっくり。一体いくらするものなんだろうか。

  • 月桃夜、アンチェルのダブル受賞で力み過ぎたか?三作目の産みの苦しみで行き詰まったか?…期待を胸にページを進めるもなかなか物語に入り込めない、ぐいぐいと力業で読み手を引きずり込むストーリーも見えてこない、これはどうしたことだろう。
    あまりにあちこちに伏線を張り巡らせ過ぎて回収に綻びが出てしまい絶品のハードボイルドが半熟になってしまったのは残念。書ける作家さんなのだからもっとシンプルで良いのだ。
    継承するテーマ「罪と罰」を追い求めるのはわかる、でも人間の尊厳をバケツに例えたのはあまりにも安易で下品だったのでは?
    何にしても次作がターニングポイント、好みの作風だけに是非ともリカバリーショットを期待したい

  • 読んでいて「何だこりゃ」となってしまった。
    私の感覚としては登場人物の会話のやりとりなど、ちょこちょこズレてると感じたし、つっこみ所が満載という感じの本だった。
    この人の本を読んだのはこれで2冊目だけど、前の本にも感じたように、物事の真相を出し惜しみして、それで読者をひきつけようとしている感じがした。
    だけど、それが成功しているかというと、個人的には「う~ん・・・」という感じ。
    衝撃的で人をひきつけるような事を書きながら生生しい事は避けている。
    どこかスッキリしない、モヤ~ッとした書き方をする人だと思う。
    主人公の男性も前作と同じで、性格が良い人物という設定だが、私からすると考え方が暗い。
    読んでいて重くなる。

    「藤屋」と「斧屋」という2つの旧家がある村出身で、「藤屋」で生まれ育った男性が主人公。
    経済的に困窮しているギタリストの彼にある仕事の依頼が舞い込む。
    それは「斧屋」出身で、幼い頃から一緒に育った女性の自伝の本を仕上げるための仕事。
    元々旧家だった「斧屋」は落ちぶれ、女性の母親は「藤屋」の主であり、主人公の父親の愛人として「藤屋」にやってきた。
    その際、一緒に連れられてきたのが今回インタビューをする事になった女性ー実菓子。
    美しい顔立ちの実菓子は母親に虐待されていた。
    その実菓子に主人公の病弱な兄は同情し、やがて愛情を抱くようになるが、その愛が兄を破滅へと追い込んでしまう。

    読んでいて何か、ピント外れな会話をしてるな~と思う所が多々あったが、それが後半になって気分悪くなるくらいになった。
    バケツがどうのこうのという話。
    そこじゃないだろ!とつっこみながら嫌々読んだ。
    登場人物の名前だとか、設定だとか、小説だからしょせん、フィクションだから・・・と思っていてもあまりに幼稚でマンガみたいだと思う。
    読む度にしらけた。
    この人の書く本はもういいかな・・・という感じがする。

  • 因果としかいいようのない不幸を背負った人の不幸の中に熱い愛を描く遠田潤子得意芸…というか彼女の掘り下げたいテーマなんだろう…で傑作がまた1作。

    鳴いて血を吐くほととぎす、迦陵頻伽、ごんぎつね、古賀メロディにごんぎつね…こんな小道具をちりばめて、田舎の旧家同志のドロドロ対立世界に取り込まれた人間模様。やはりブルーズ。

    読むのがしんどくなるぐらい、ドロドロの前半を越えて、半生記インタビューの2日目を越えたあたりから、物語が動き出す、さらにもっとドロドロしつつ伏線を回収していく様が見事な手腕で読ませる。

    ただ少々強引な部分も若干。とくにクライマックスの決め台詞が「バケツと中味」ってのは、なんぼなんでも(笑

    遠田潤子、期間をおかずに読むとさすがにしんどい、半年に1作くらいでおいかけないと、人間不信になるんちゃうかと。ただ「しんどいな、不幸やな」と自分を嘆いた時に読めば、ショック療法で元気なれる。

  • みんなが嘘をつき隠し事をしていた

    それを自分は気づかなかったが美菓子へのインタビューの仕事3日があり久々の実家へ

    誰も住んでいなく未亡人となった美菓子とそこで話をして言葉がないからあなたの言葉が全てだと言われる多聞

    確かに昔美菓子に言葉がないと言ったのは多聞だ

  • 図書館にて。
    読み終わりはあまり良くなかった。
    読んでる間、特に後半はただただ胸糞悪い。
    実果子ってどうしてこうも嫌われる?特に同性、と思ったけど、これって結局実果子の周囲の人が全員どうしようもないよな。
    虐げられて育てられて口数が極端に少なくて知識もなく、それでいて猛烈に美しい実果子。
    男たちは美しさに虜になるし、女たちからは極端にねたまれる。
    昔読んだ手塚治虫の「奇子」を思い出した。
    最初主人公も実果子を外道呼ばわりしてけど、あの状況で実果子をそこまで悪者に思うのもいまいち理解できなかった。
    結局多聞は何もわかってなかったからということなんだろうけど、実果子を悪女という風に読者に印象付けるミスリードのセリフだったということかな、ちょっととってつけたような印象だった。

    最終的には、無口なのをいいことにただただ実果子を周囲が苛め抜く話だったなあという感想。
    特に母ちゃん二人、ほんと最低だよ。不動多聞の母ちゃんさ、それってどういうこと???と例の告白のシーンは頭が?でいっぱいになった。それって本当に本当にひどくないか?
    強烈なことがいろいろあってその一つみたいになってるけど、これがこの本の外道事項の筆頭だよな。よく許してとか言えるもんだなと思った。最後に告白させるために生かしといたとは思うけど、父ちゃん兄ちゃんと亡くなっててこの人生きてるのが腹立つわ。

    ラストの多聞が実果子を励ますシーンは、子どものころを二人でやり直しているようで可愛かった。まさかのごんぎつねがそうきたか、ちょっとじーんときた。
    実果子が子どものころから好きだった多聞とやっと結ばれて良かった。
    大変だとは思うが、全てのしがらみを何とか投げ捨てて二人で幸せになって欲しい。

  • 小さな村の旧家に縛られた家族の愛憎劇。少しづつ明らかになる過去。それぞれの思いがただただ子供を傷つけていく。尊厳という言葉がとても重くのしかかってきます。小出しにされていく内容が読む手を止められず一気読みでした。遠田さんの作品はやっぱり辛いな

  • 旧家の没落と確執、田舎のせまい人間関係に噂、陰惨な性と虐待と死と、相手を思ってした隠し事も負の連鎖を生んでいく…魔性の女とされる実菓子が、不憫な身の上の一途な女であると解明されていく。横溝ワールドより断然キツイのに、わりと明るい未来を暗示させて終わるのすごい。妹はイヤなやつだけど多聞にイラつく吉川兄の気持ちはわからんでもないな。

  • 設定にちょっと違和感がありました。なかなか難しい題材なのかなぁと思います。

  • 対立する古い旧家の男女、家族、取り巻く人々の愛憎劇。複雑に絡み合っていて盛り込みすぎ。私には合わなかった。

  • これは何だろう。すごく胸が締め付けられるような。
    切ないラブストーリーの中に、幼児虐待とかネグレストとか田舎の因習とか復讐とか
    とにかく色々な事が詰め込まれているのに、しっかり綺麗に纏っている。
    実菓子の妖艶さとそれに落ちていく藤屋の男たち。
    ドロドロとしているのに、常に実菓子が凛として背筋を伸ばしているような様が印象的だった。
    ラストは、切なくて涙が出た。。。けど、ハッピーエンドなのかどうなのか。多聞と実菓子が2人で生きていくとは、危うさしかないと思ってしまうのは私だけかな。
    とにかく私の中では、かなりの衝撃作でここにきて2020年のベスト1位かも。

  • 不穏な空気がずっと漂う。嫌な人間ばかりが出てきて、呼吸も浅い自分に気が付く。思わず、本を手元から離して深呼吸。それほど、惨く、酷い扱いを子どもたちに執拗に続ける親たち。うへ~っ。虐待と言ってしまえば簡単だけど、もっと本質的な欲、嫉妬、蔑みのような抗えない衝動が暴言や、無視、当てこすりのような形で綴られる。嫌なのに読んでしまう本。沼田まほかるさん作品を思い出す。完全に作品に引っ張られたひと時。

  • 何とも焦れったいストーリーだ。なかなか読み進めなかった。読了し、ふーっという感じ。

  • もしかしたら遠田さんはわたしが知っているとはいいがたいけれど、少しは接点がある方かもと思えてくる。作家になる前にどこかでお会いしていませんか。

     展開は今一つ。でも、もう少しお付き合いをしていきたい。

  • 旧家のしきたりの中で、
    もがき苦しむ兄弟と女。
    ドロドロドロドロでした。
    最後、良い感じで終わって良かった。

    おもーいおもーい
    まさに、
    鳴いて血を吐く
    本でした。

    実菓子の歌声を聴いてみたいなーと、
    思いました。

  • 遠田さくひんの中で一番暗い感じがしますが、面白いです。

  • ギタリストの主人公・青鹿多門。たった一人の兄・不動を亡くし、幼馴染で兄の妻・実菓子を恨んでいる。
     丹羽谷村という村に藤屋と斧屋という旧家がある。とうに寂れた斧屋(静谷家)、今でも村に大きな影響力を持つ藤屋(青鹿家)。その青鹿家に生まれた多門、村人たちからは一目置かれているが家庭では傍若無人な父、体の弱い兄にかかりっきりな母、家族の中で疎外感を感じつつ兄だけは多門を優しく受け入れてくれた大切な存在だった。
     その藤屋に斧屋の生き残り・鏡子と実果子母子が客分としてやってくる。鏡子は父の愛人で、その女を同じ家に住まわせるというのだ。多門小5、実果子小4、不動中1の時だ。鏡子失踪、母は離婚して家を出ていき、実果子は16歳の時で父の後妻となる。初めて会った時から実果子に夢中の兄、多門もかなりショックを受けたのもつかの間、結婚式を済ませた初夜、父は腹上死する。残された3人、兄・不動は父の一周忌後、実果子と事実婚し、彼女をモデルに絵を描き、彼女はその歌声が評価され、多門をギタリストに指名、3人は世に知られることになる。だが幸せは長く続かなかった。兄は創作のアトリエとして改装していた蔵に籠り、餓死したのだ。死の真相と複雑な家族環境、旧家ならではのしがらみ、いろんなことが絡み合い、3人の関係を複雑にしていた。蔦の様に絡みあったその因縁を死をもって絶った不動。実果子も同じように死を選ぶしか道はないと思っている。いいとこのボンボン、世間知らず、優しい兄に守られ、今更ながらに事の全容をやっと理解した多門はこれからどう生きていくか、どうか実果子と共に前向きな人生を送ってほしいと思った。

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著者プロフィール

遠田潤子
1966年大阪府生まれ。2009年「月桃夜」で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。16年『雪の鉄樹』が「本の雑誌が選ぶ2016年度文庫ベスト10」第1位、2017年『オブリヴィオン』が「本の雑誌が選ぶ2017年度ベスト10」第1位、『冬雷』が第1回未来屋小説大賞を受賞。著書に『銀花の蔵』『人でなしの櫻』など。

「2022年 『イオカステの揺籃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

遠田潤子の作品

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