ヒマラヤの風にのって 進行がん、余命3週間の作家が伝えたかったこと

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 65
感想 : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041102671

作品紹介・あらすじ

人生の終わらせ方を決めておけば、死ぬことは怖くない。最期の日の直前まで書き続けた「ヒマラヤノート」。そこには、人生の幕を閉じようとする者へ、そして愛すべき家族への力強いメッセージが記されていた-。

感想・レビュー・書評

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  • 吉村さんの作品はどういう理由で読み始めたか記憶が定かじゃないんだけど、なぜか大学院に入った頃から、つまり十数年前から読んでいる。

    小説作品について言えば、正直ここ数年は惰性で読んでいた感もあるんだけど、それでも今年の春先の吉村さんの訃報には心を痛めた。始まったばかりの新しいシリーズにはそれなりに期待もしていたし。

    吉村さんは自分が死んだという blogエントリをアップしたことで一時ちょっとした話題になったけれど、その裏にあった背景と流れを本書で知ることができました。個人的には吉村さんの死生観自体に完全にアグリーできるわけではないけど、このドキュメントは非常に稀有だしリビング・ウィルの一形態としてためになりました。それと、娘さんとの信頼関係については素直にすごいことだと感じますし、こうありたいな、と思う。

    安らかに、ヒマラヤの風に乗っていただきたい。

  • 全て同意できるわけではないが同じ癌患者として大変ためになり勇気付けられる1冊.俺の前で泣くなという作者の言葉とは裏腹に何度も泣いてしまった,

  • 本人が手遅れという事を言いたくないとのことだけど,だけどやっぱり思ってしまいます.もう少し早くわからなかったのだろうかと.それにしても,強い人だと思う.

  • 人は皆死ぬ。
    死ぬまで生きる。

  • まず、最初に、、吉村達也氏のご冥福をお祈りします。

    とても強い絆で結ばれたご家族で、だからこそ強くなれたのかなと思いました。
    病状はとても痛々しく、読んでいてつらくなりました。
    でも、それも伝えたかったことのひとつなのかなと思ったり。。
    図書館で借りて読みましたが、明日にでも書店で購入したいと思います。
    【こころのくすり箱】も読んでみたいと思います。

  • 図書館の新刊コーナーでたまたま見かけ、タイトルを見てびっくり。え、吉村達也さん、亡くなったの??全然知らなかった。
    その場でパラパラと手にしたら止められなくなった。

    進行がんの手遅れ状態で入院、なすすべもなく亡くなられた吉村氏の、壮絶な闘病記(と書いたらご本人に怒られそうだが)。
    その苦しみは想像を絶するもので、決して楽しくも嬉しくもなかったわけだが、深い深いご家族の愛に包まれ、ある意味とても幸せな最期を過ごされたんだなというのがよくわかる。

    評価とかいいとか悪いとか、ありません。
    吉村氏含めご家族の皆様の深い愛と絆に、おこがましいですが星5つつけさせていただきました。

  • 大好きな作家さんの病床での記録です。
    一気に読んでしまいました。
    最後、奥様と娘さんのエピソードが泣けました。

  • 著者の闘病記というか遺言。
    何気なく新刊チェックしていて、あのHP見た時は本当にビックリした。
    感情に流されず、しっかりと伝えようという意思が感じられた。

  • 人は必ず死ぬ。
    それを自分を含め、人はどこまで意識しながら生きているのだろう。
    この本から人は間違いなく、確実に死ぬ、という強烈な「死ぬ
    」という感覚を与えられた。
    人生を深く、豊かに生きていきたいのであれば、この本は必読書
    である。
    プロローグの「突然ですが、私はこの度、死んでしまいました」
    というショッキングな出だしもさることながら、
    エピローグの「妻と娘からのメッセージ」に心打たれた。
    愛され、そして感謝されながらの旅立ち。
    同じく、愛と感謝に満たされていたに違いない。

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著者プロフィール

1952年生まれ。一橋大学商学部卒業。ニッポン放送ディレクター、扶桑社編集長を経て、1986年『Kの悲劇』でデビュー。1990年専業作家に。本書に登場する朝比奈耕作をはじめ、志垣警部&和久井刑事コンビ、氷室想介、烏丸ひろみの各推理シリーズ、ホラー作品、さらには英語学習の著書から舞台脚本など、多彩で個性的な執筆活動を展開。225冊の著作を遺し、2012年5月14日、急逝。闘病生活を自ら綴ったノンフィクションエッセイ『ヒマラヤの風にのって』が逝去後の7月に刊行。13年には書籍未収録作品を収めた『13の幻視鏡』が刊行された。

「2022年 『鬼死骸村の殺人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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