フェルメールの仮面

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 117
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041102688

作品紹介・あらすじ

折原祐一郎は画才を期待されて芸大を受験するが果たせず、パリの私塾で学んだ後に小樽で絵画塾を手伝っていた。画塾の娘・繭と平穏な日々を送っていたある日、かつての恩師シャセリオから一通のメールが届く。祐一郎の高い模写能力が買われ、19世紀の模写作品の修復依頼が入ったという。破格の好条件に一抹の不安を抱きながらも祐一郎は小樽の美術教師、柚子とフランスのモルレへ飛ぶ。そこで"あるフェルメールの絵画"について書かれた謎めいた手記を見つけるが、それはフェルメールの贋作をめぐる陰謀の始まりだった…。暗き栄光と平凡な将来。若き画家が選ぶ道とは-。完全復元模写をめぐる物議を醸す問題作。

感想・レビュー・書評

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  • フェルメール巡礼者としては、タイトルの「フェルメール」が目に入った瞬間に手に取ってました(笑)。
    ただ単に贋作疑惑を追うサスペンスではなく、時代の違う話が並行して書かれてたので、贋作というよりも隠された真実と感じられ、面白かった。
    初めて絵画の修復を詳しく知ることが出来たのが勉強になり、またさらにフェルメールの魅力が増しました。

  • アンリが最後にフランソワに会って、気持ちが戻り、その時に言ったこと。

    主人公が自分の行いの結果が出た時、決意したこと。

    そんなところを読むと、シャセリオやそれに連なる人たちの自己正当化の言葉がとても空疎なものに思えました。

  • 画家を目指して芸大受験するが果たせず、それでも画才を見込まれてパリの私塾で模写を学んだ祐一郎。
    日本に帰国後、小樽で絵画講師を続けながら、オリジナルの作品への道を歩み始めていたとき、パリの恩師の紹介で、とある絵画の修復を依頼された。高報酬での依頼に戸惑いながらも、フランスへ飛ぶ祐一郎。そこで待っていたのは、フェルメールを意識して描かれた18世紀の絵画と、フェルメールの絵画について書かれた謎の手記だった。
    祐一郎の物語と、修復する絵画と謎の手記の作者でもあるアンリの物語が並行して進んでいく。
    祐一郎は手記の謎を解いていくが、それはフェルメールの贋作をめぐる陰謀を明らかにしていくものでもあった。

    模写・修復に全力を尽くすが、それは自分を押し隠しフェルメールの仮面を付けて仕事をしているようなもの。祐一郎もアンリも、本当はオリジナルを世に出したいと切望している。模写・修復は“科学”だけれど、オリジナルは“芸術”。
    やはり、芸術家でありたいのだなぁ。

    手記の謎は解けたけれど、陰謀の方は謎が残った。わざとフェードアウトしたのだろうけれど、すっきりしない。

  • 現存するフェルメール作品は、37点。そのなかでも、真贋がはっきりしない2作品「赤い帽子の女」と「フルートを持つ女」(いずれもワシントン・ナショナルギャラリー所蔵)をテーマとしたサスペンス小説。

  • ミステリーの要素としてはあんまりでしたが、フェルメールの魅力や、絵画修復についてよくよく書かれていて興味深かった。

  • 美術にまつわるミステリー、模写に関する陰謀という内容でした。

  • 「模写は忠実な複製であり、贋作は偽物である。」かぁ。

    真作かどうか意見が分かれている「聖プラクセディス」を観に行こうと思ってた矢先に読んだのもあってとてもおもしろかった。この絵にどんなストーリーが隠されてるのか知る由もないけど…謎のままの方が夢があって良いのかもしれない。

  • 絵画の世界は、こういう裏話も有るのかと考えさせられる内容だった。どこまで事実でどこまでが小説かは、絵の素人には分かりようがない。ストーリーの展開はよく考えられていて、面白かった。

  • 最後の余韻がよかった。結局、どうなったかはっきりとはないところ。専門用語がたくさんだったが、絵画には興味があったのですんなり。興味がなかったらつらいかも。

  • 画家・フェルメールの贋作を巡る絵画ミステリー。現代と、過去のパートが交錯しながら、真実へとたどり着く。フェルメールの真珠の耳飾りの少女はなぜか心ひかれる作品であることは確かで、その実このフェルメールという画家は謎多き画家でもあるという。装画もいいね。読んでないけど、原田マハの『楽園のカンヴァス』って多分これと似た感じなんだろうなと思った。2013/006

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著者プロフィール

1947年生まれ。画家、ゴッホを中心とした絵画研究。東京芸術大学油画専攻卒。大阪中の島美術学院講師、北海学園大学建築学科教授を経て、2006年より愛知県立芸術大学美術学部教授(2012年退官)。個展多数。著書:『ゴッホの遺言』(情報センター出版局、1999。第53回日本推理作家協会賞・評論その他部門受賞)『ゴッホの証明』(同、2000)『耳を切り取った男』(NHK出版、2002)『色彩浴』(ポーラ文化研究所、2003)『ゴッホの復活』(情報センター出版局、2007)『完全版・ゴッホの遺言』(中公文庫、2009)『ゴッホの宇宙(そら)』(中央公論新社、2010)『「ゴッホ」にいつまでだまされ続けるのか』(情報センター出版局、2011)『フェルメールの仮面』(角川書店、2012)『先駆者ゴッホ』(みすず書房、2017)ほか。

「2017年 『先駆者ゴッホ 印象派を超えて現代へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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