- 本 ・本 (338ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041102688
作品紹介・あらすじ
高い模写能力をもつ折原祐一郎は破格の条件である絵画の修復を頼まれるが、それはフェルメールをめぐる陰謀の始まりだった。贋作疑惑が囁かれる絵画を描いたのは何者なのか? 迫真の美術サスペンス!
感想・レビュー・書評
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フェルメール巡礼者としては、タイトルの「フェルメール」が目に入った瞬間に手に取ってました(笑)。
ただ単に贋作疑惑を追うサスペンスではなく、時代の違う話が並行して書かれてたので、贋作というよりも隠された真実と感じられ、面白かった。
初めて絵画の修復を詳しく知ることが出来たのが勉強になり、またさらにフェルメールの魅力が増しました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
扱うネタ自体が面白くない訳ではないのだが、企画倒れ。粗筋読まされてる感が強いので、全体に再構築したい。必要な謎、それをを解くスリルがあるはずなのに残念。
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アンリが最後にフランソワに会って、気持ちが戻り、その時に言ったこと。
主人公が自分の行いの結果が出た時、決意したこと。
そんなところを読むと、シャセリオやそれに連なる人たちの自己正当化の言葉がとても空疎なものに思えました。 -
画家を目指して芸大受験するが果たせず、それでも画才を見込まれてパリの私塾で模写を学んだ祐一郎。
日本に帰国後、小樽で絵画講師を続けながら、オリジナルの作品への道を歩み始めていたとき、パリの恩師の紹介で、とある絵画の修復を依頼された。高報酬での依頼に戸惑いながらも、フランスへ飛ぶ祐一郎。そこで待っていたのは、フェルメールを意識して描かれた18世紀の絵画と、フェルメールの絵画について書かれた謎の手記だった。
祐一郎の物語と、修復する絵画と謎の手記の作者でもあるアンリの物語が並行して進んでいく。
祐一郎は手記の謎を解いていくが、それはフェルメールの贋作をめぐる陰謀を明らかにしていくものでもあった。
模写・修復に全力を尽くすが、それは自分を押し隠しフェルメールの仮面を付けて仕事をしているようなもの。祐一郎もアンリも、本当はオリジナルを世に出したいと切望している。模写・修復は“科学”だけれど、オリジナルは“芸術”。
やはり、芸術家でありたいのだなぁ。
手記の謎は解けたけれど、陰謀の方は謎が残った。わざとフェードアウトしたのだろうけれど、すっきりしない。 -
現存するフェルメール作品は、37点。そのなかでも、真贋がはっきりしない2作品「赤い帽子の女」と「フルートを持つ女」(いずれもワシントン・ナショナルギャラリー所蔵)をテーマとしたサスペンス小説。
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ミステリーの要素としてはあんまりでしたが、フェルメールの魅力や、絵画修復についてよくよく書かれていて興味深かった。
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美術にまつわるミステリー、模写に関する陰謀という内容でした。
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「模写は忠実な複製であり、贋作は偽物である。」かぁ。
真作かどうか意見が分かれている「聖プラクセディス」を観に行こうと思ってた矢先に読んだのもあってとてもおもしろかった。この絵にどんなストーリーが隠されてるのか知る由もないけど…謎のままの方が夢があって良いのかもしれない。 -
絵画の世界は、こういう裏話も有るのかと考えさせられる内容だった。どこまで事実でどこまでが小説かは、絵の素人には分かりようがない。ストーリーの展開はよく考えられていて、面白かった。
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最後の余韻がよかった。結局、どうなったかはっきりとはないところ。専門用語がたくさんだったが、絵画には興味があったのですんなり。興味がなかったらつらいかも。
著者プロフィール
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