光圀伝

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
4.29
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本棚登録 : 2992
レビュー : 535
  • Amazon.co.jp ・本 (751ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041102749

感想・レビュー・書評

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  • 徳川光圀の、義に生きた男の生き様を描いた作品。

    非常に面白かった、いやとにかく傑作・名作。

    途中までは好きなジャンルと言うのもあって「天地明察」の方が上と見ていたが、最後まで読んでその思いが吹き飛ばされてしまった。

    一藩主の一生を追い続けながら、その結末はあまりに壮大。

    史実と違う解釈ではあろうが、個人的にはぜひとも作者のこの描き方に一票を投じたい。

    もちろん自分が心動かされた結末の部分だけでなく、「水戸黄門」でしか知らなかった一面とは別の、やんちゃで、剛毅で、懐の深い人物像は好き嫌いはあろうが引き込まれて行く。

    また周りを固める出てくる他の者たち、好きな者にせよ嫌いな者にせよ、「天地明察」同様素晴らしいキャラクターの者たちばかりで、新たな人物が出て来る度にワクワクさせられる。

    「天地明察」「光圀伝」両作品に共通するテーマは、時代を越えて受け継がれていくものの重さなのだろうと思う。

    この作家の作品は前作と今作の歴史物2作しか読んでいないが、ぜひとも次も歴史物を描いて頂きたい所だ。

    久しぶりに歴史の面白さに気づかされた作品だった。

    「天地明察」は映画化されたが、ぜひとも『光圀伝』は大河でやってもらえないものかと思わずにはいられない。

    最後に自分も一言申し上げたい、「大義なり、紋太夫」

  • 長い長い、義を追い求めた光國の物語が、
    そっと静かに幕を閉じたなというのが、今の読み終わった心境。

    猛る虎のようでありながら、終始、静謐さが漂っているなと思うのは、
    光國が武より文に重きをおこうとした結果だろうか。

    最後の一文に、光圀の祈りを垣間見た気がする。

  • ドラマの水戸黄門の穏やかなイメージとは全く異なった光圀。それまで戦国を生きてきた武士達がその遺伝子を泰平の世で持て余し、光圀もまた 普通の青年同様 その激情を周囲に辺り散らしていた。 そんな青年が人と出会い義を全うしていく人生。 ドラマでのすけさんやかくさん、はちべい、 光圀が身分を隠して市中に出没する、というようなエピソードの発端を知って、その演出も成る程と思う。 また、同著者の前回読んだ天地明察の渋川晴海側からでなく光圀側からの心情を読み知りるそんなささやかな面白さもあった。 泰平の世にでてくるべくしてでてきた偉人なのかもしれない。 
    人は生き、また次の世代も生きていく。´ー`)

  • 読み応えがありました。医学の発達していない時代の人の命の儚さと、死との向き合い方。
    この「大日本史」が幕末に日本を動かす書物になり、幕府滅亡へと導くとは、運命の皮肉を感じます。
    とにかく面白かった。けれど難しかった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「運命の皮肉を感じます」
      へぇ~「天地明察」とは違った歴史ストーリーなんですね。文庫になったら読む予定です。。。
      「運命の皮肉を感じます」
      へぇ~「天地明察」とは違った歴史ストーリーなんですね。文庫になったら読む予定です。。。
      2012/12/17
  • わかりにくく偉大な業績を知らしめるには御伽噺にでもするしかない。水戸黄門とはそのようにしてできたものか。
    個々の人物描写の魅力的なこと。決して映像化を媚びていないのに絵が浮かび上がる。
    歴史小説の最初にこれを読んじゃったりしたら、もう他が読めなくなるな。

  • 最高に面白かった!それだけです!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      早く文庫にならないかなぁ~
      早く文庫にならないかなぁ~
      2012/12/10
    • 珠々(シュシュ)さん
      >nyancomaruさん
      文庫落ちが楽しみな作品、多いですよね。逆に読もうと思って買ったら、すぐに文庫おちして(´・ω・`)ショボーンし...
      >nyancomaruさん
      文庫落ちが楽しみな作品、多いですよね。逆に読もうと思って買ったら、すぐに文庫おちして(´・ω・`)ショボーンしたこともしばしば……w
      2013/02/23
  • 通勤中に読もうとしたが、想像していた以上に本の重量が重く、通勤中に読むことを断念。
    かといって自宅で読む時間も取れず放置していたが、しばらくして電子書籍版があることを知り購入。
    本を2冊買ったことになったが、内容に満足できたのできにしないことにした。
    冲方丁の2冊連続の時代小説。前作の主人公が登場する場面があるが、連作ではないようだ。
    自分の場合、時代小説だとストーリーよりも信憑性が気になり出して楽しさが半減んしてしまうことが多いのだが、この作品については、そんなことを気にする間もなく一気に読み終わってしまった。
    時間があったら、もう一度読み直してみたい。
    中身が濃く厚さもあるが、そう思わせてくれる作品だった。

  •  水戸黄門こと二代目水戸藩主・徳川光圀の一生を描いた小説。
     テレビドラマでおなじみの呵々とした漫遊老人ではなく、少年期から壮年期にかけての初めて知る光圀の波瀾万丈な生きざまが書かれている。不義の跡継ぎとしての己の立場に苦悩し、大義を成就させるために奔走し、さらには詩歌で天下をとろうと勉学に励む。
     あまりにも有名な人物であるからこそ、あまり知られていない実像を知って驚き、その人物像に魅了された。父との確執や、兄、妻、親友、家臣との親交や別れ、学問や幕政への思いは読み進めるほど重みが蓄積し加速し、特に後半は一気読みだった。
     前作『天地明察』も良かったが、分量も内容もさらにスケールアップし、読みごたえのある作品だった。

  • かっかっかっと笑うシーンも印籠も無い。
    菓子箱の下に小判を入れて、『おぬしも悪よのぉ』
    と言うセリフも無い。もちろん由美かおるの入浴
    シーンもある訳が無いが確かに読み応え十分有り。

    紋太夫の生きる時代がもう少しだけ後になってい
    たのなら紋太夫は時代に名を残せる偉業を成し遂
    げたのかもしれない。生きる時代とタイミングが
    合ってさえいれば…あのタイミングでは光圀も苦
    渋であるが生かしておけなかったんだろうな。

    読了感は大きな達成感だ。光圀の生き様が大きす
    ぎて、もっともっと頁が欲しかったとも思う。
    映像化に期待感がある。これなら大河ドラマの視
    聴率が上がるのは間違いないと思うし…そうなっ
    って欲しい。

    『天地明察』の外伝的な要素も少しあり楽しめた
    どちらも主人公が何故自分が?と言う苦悩のまま
    時間が経過していく。大義の為に人はどれだけ本
    気になれるのであろうか?と考えさせられた。
    水戸へ歴史探訪に行きたくなった。
    冲方さんに、今後も歴史大作を期待します。

  • 750ページにも及ぶ大作で密度も濃い。久々の本格歴史小説を堪能出来た。絶頂期の司馬遼太郎の作品に近いものを感じた。登場人物が全て魅力的で特に泰姫には惚れた。映画化するなら宮崎あおいかな、お付きの左近は、美人だから香椎由宇あたりがいいかも。しかし、冒頭が死で始まり、底流に流れるのは死の連鎖であり死の物語でもあった。次作は、この物語にも重要な位置付けで登場した宮本武蔵を書いてもらいたいな。

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著者プロフィール

冲方丁(うぶかたとう)
1977年、岐阜県生まれ。4歳から9歳までシンガポール、10歳から14歳までネパールで過ごす。早稲田大学第一文学部中退。小説のみならずメディアを限定せず幅広く活動を展開する。
『マルドゥック・スクランブル』で日本SF大賞、『天地明察』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞、北東文芸賞を受賞し、第143回直木賞にノミネートされた。『光圀伝』で第3回山田風太郎賞受賞。
代表作となる『天地明察』は2011年にコミック化、そして2012年に岡田准一主演で映画化されヒット作となる。2019年1月、『十二人の死にたい子どもたち』が堤幸彦監督により映画化。

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