光圀伝

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 2993
レビュー : 536
  • Amazon.co.jp ・本 (751ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041102749

感想・レビュー・書評

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  • 水戸藩主、徳川光圀の一代記。

    かの有名な水戸の黄門様その人であるが、TVの好々爺風情とは違い、何とも力強い、かつ激情的で繊細な一面を見ることが出来た。著者の作品を読むのは、「天地明察」に次ぐ2冊目であるが、断然、こっちの方がイイ。とにかく光圀の生き様が格好イイのだ。周りを固める脇役陣も皆、魅力的で、もの凄いボリュームながら読むのが楽しく、光圀と同様、誰かが亡くなる度に涙が零れた。
    読み応えがあって、読後、満足感に浸れる一冊だった。

  • いい本に出会えてよかった。
    長い話ではあったけれど、怖いもの知らずな子供が血気盛んな青年になり、己を知りしだいに文人として、藩主として成長していく過程はその長さを感じさせない濃密なものであった。プロローグとエンディングが同じで、光圀が目指した義が違った形で表れなことに衝撃をうけた。
    己を知ること、精神的自己研鑽に努めることが上に立つ人の備えるものなんだなぁと勉強になった。兄、読耕斉、泰姫、左近、佐々、紋太夫など魅力的な人物がたくさん。江戸時代が過去の一片ではなくて、たしかに存在した時間の一部だったんだ、と描写の細かさで感じられた。

  • 長かった。2014年、最初の読書一冊である。面白かった。
    水戸黄門さまの一代記。カッコいい生きざまを描きます。人の成長していく様。目的に向かって進んでいく様。民を第一に考える様。カッコいいです。

    人が見え、自分が見え、世の中が見えているから人に慕われ人を動かし世の中を納めて行きます。こうスケールの大きい人に近づきたいものです。

    江戸時代初期に税公平化、政教分離、大学、海外貿易をめざすも完遂できたわけではない。その志を持ち、向かっていったことに打たれます。

    人に出会い、育ち、別れ、出会い、育て、別れる、その繰り返しが人の人生であり、その積み重ねが歴史となっているんです。

  • この本だけで水戸光圀について全て知ったと思うのは違うと思うのだけど、それでもこの本で読んで思うのは、誰にとっても凄い素晴らしい人であるということ。
    政治的にも正しいし、後世に何らかの記録を残したいという気持ちも正しいし、自分が継いだものを兄の子に渡すという義の人である。
    なおかつ、元からそのような聖人君子のような穏やかな人だったというわけでもなく、兄に敵愾心を抱いたり、庶民に混ざって遊んだり、感情の起伏の激しい人物としても書かれている。
    ということなら、勿論面白くない話なわけがない!
    本当に面白かった!!
    ‥それでも人が死んでしまう度に泣いてしまった。
    私はまだ近しい身内や友達を亡くしたことがないのだけど、死者を見送り続ける運命というのは非常に苦しいと思う。
    そんなものは乗り越えたくもないし、それを乗り越えて強いなんて言われたくもない。
    だからこそ、伴侶や友が亡くなった時に自分がどうするのかが重要なのだと思う。

  • いい!

    水戸黄門さま

    かなり熱いものを感じ、心が燃える
    徳川三家といったものが、尾張、紀伊、水戸ってあったんだぁ・・・
    (知識)



    かっこいいですわ!

    徳川光圀・・・
    勝手な水戸黄門様のイメージと違い
    すこぶる人間的で
    あつく
    ぜひ!読むべき一冊ですね。

    兄貴もかっこいいっすわ~

  • 久しぶりにまとまった時間が取れたので、気になっていた分厚い1冊を。いろんな書評でも高評価だったので期待大でしたが、この厚みにちょっと腰が引けていました(^^;

    が、読み始めると止まらない!今まで漠然と抱いていた『黄門様』のイメージが一気に変わりました。

    個性あふれる登場人物は、みんな魅力的。時には笑い、時には目頭が熱く。もちろん細かいやり取りはフィクションだとは思いますが、史実を土台として実在の人物に語らせることで「本当にこうだったのかもしれない」と思ってしまいます。

    また『天地明察』の主人公である安井算哲の登場にも、ついニヤリと。同時期の史実を水戸光圀側から書いているので、当たり前と言えば当たり前なのですが(苦笑)。

    充実感溢れる一冊でした。

  • ここ数年で一番面白かった。
    私は、天地明察よりずっと何倍も夢中になった。
    泣けて、鳥肌が立って。
    10年くらい経ったらまた読み返そう。

  • 時代小説はあまり得意でないのだが、「兄弟の絆」が作品の要素の一つに入っていたため、ハマった。本来ならば藩主の座は兄が継ぐはずであるのに、諸々の事情から弟の自分(光圀)が次代の藩主に据えられる。そのことを兄は恨むことなく、むしろこの上なき幸福かのように祝福するが、光圀は長いこと「自分でいいのか」という思いに囚われ続ける。その苦しい思いを読者である我々も共感することで、光圀というキャラクターに惹かれていく。
    それ以外にも、私が抱いていた「水戸光圀」というイメージが本作で覆されたのもよかった。夕方頃にテレビの中に現れるおじいちゃん、そこからきっと優しくて、優等生タイプの少年時代を過ごしてきたんだろうなと勝手に思っていた。「破天荒」、「豪傑」、「爽快」――これらの言葉がふさわしい男が本作の中にはいた。私のように、水戸黄門のイメージしかない方は最初はきっと驚くだろう。しかし、やがてそのことにも慣れ、というか期待している自分がいると思う。苦手なジャンルではあったが、最後まで読み切れたのはインパクトの強い光圀のキャラのおかげであった。

  • 読み始めたのは一年くらい前で
    最後、5分の1くらい残して止まっていた。
    が、今日読み始めて、そのまま一気に読み終えてしまった。

    最も目をかけていた紋太夫をその手にかけるところから始まり、終わる。

    自分を試し続ける父、差し置いて自分が世子となってしまった兄への思い。
    友人や尊敬できる人物、ライバルとの出会い。
    大切な人物を亡くし、新たな世代への想い。
    引き継がれていくもの。
    天地明察ともリンクしていた。

    面白かったんだけど、読むのに労力がかかったなぁ。
    軽く読める本ではなくて、世界に引きずりこまれる本。

  • 水戸黄門、水戸光圀の話。
    やんちゃしている光國の頃が一番楽しかったかな。
    幼少期の生首持って舞ってるところもぞくぞくしましたけども、やっぱり読耕斎とやりあってる辺りが良かった。
    才能にあふれてて順風満帆なイメージしかなかったけど、大義を果たして大義を殺したこの人の物語は、寂しくて切なくもあった。

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著者プロフィール

冲方丁(うぶかたとう)
1977年、岐阜県生まれ。4歳から9歳までシンガポール、10歳から14歳までネパールで過ごす。早稲田大学第一文学部中退。小説のみならずメディアを限定せず幅広く活動を展開する。
『マルドゥック・スクランブル』で日本SF大賞、『天地明察』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞、北東文芸賞を受賞し、第143回直木賞にノミネートされた。『光圀伝』で第3回山田風太郎賞受賞。
代表作となる『天地明察』は2011年にコミック化、そして2012年に岡田准一主演で映画化されヒット作となる。2019年1月、『十二人の死にたい子どもたち』が堤幸彦監督により映画化。

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