罪の余白

著者 : 芦沢央
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年9月1日発売)
3.15
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  • レビュー :49
  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041102756

作品紹介・あらすじ

第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞したデビュー作!
高校のベランダから転落した加奈の死を、父親の安藤は受け止められずにいた。
加奈のクラスメイトだった少女の協力で娘の悩みを知った時、償いを求める戦いが始まった。

罪の余白の感想・レビュー・書評

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  • ベランダから転落した加奈と、咲と真帆との関係がリアルで胸が詰まりました。表面上は仲良さそうに見えるけど、実はいじめているっていうこの構図。そして咲に好かれたい、嫌われたくない一心でなんでも咲に合わせようとする真帆。

    加奈も友達だと思って一緒に居たけど、何故かいじめられ、でもそこからきっぱり抜けだせない。

    そして自分が一番可愛いんだと女王様気取りの咲。

    いじめてる側の気持ちも描写されてるので、分かりやすいですが真帆の立場が一番ありがちじゃないかなぁと思います。イケてるグループに居たい、ここ以外には居場所がないと思い込む。その結果リーダー格の咲の言いなり状態。

    「ひとりになりたくない」と思う心情がよく描かれていました。そして大人になった今なら「1人でいいじゃん」って思えますが、高校生の時には決してそうは思えなかった。とても共感できる思いでした。

    女子高生たちの気持ちもさる事ながら、妻に先立たれ娘と二人暮らしをしてきた安藤。その娘までもを失った気持ち。そして次第に復讐へと思考が動き始める様子。

    そして、過剰なまでに空気を読み合う女子高生たちと対照的に存在するのが早苗さん。他人の感情を読み取ることができないが故に、裏表のないこの早苗さんに救われる。欲を言えば、早苗さんをもう少しストーリーに絡ませて欲しかった。強烈なキャラクターの割に、いまいち存在意義が感じられなかった。

  • 娘を自殺に追いやった相手に最も忘れられない復讐をする心理学者の父親の話。
    個人的にはもっと重くて泥々していることを期待していた。禍々しいものがもっと溢れていても良かったのではないかと思う。
    いじめをテーマに心理戦のような伏線もあったので、期待していたがエンドは呆気なくきてあっという間に過ぎてしまったのが、あっさりしすぎていて少し拍子抜けた。
    もっと加害者が後悔するのを読みたかった気もする。

  • 転落死。事故死。自殺――?
    女子御三家校の教室の手すりから転落した少女が死亡した。一人の少女の死を巡って少女の父親、クラスメイト、そして少女の父親の同僚の日常がきしみ始める。

    一人称、多視点。率直な評価は☆1.5だが、冒頭からモルスァと叫んで壁に投げたくなった点を鑑みると☆1つ。
    個人的に文体が合わない。読んでいる内に慣れるは慣れるが序盤ではかなり辛いものがある。いきなり感傷たっぷり女の子の甘い一人称が自殺をするというジェットコースターの展開(転落死だし)をそこそこに過去回想の乱れ打ち、視点は短いスパンで父親、同僚、友人A、友人Bを揺れ動く。読点の多用、体言止めも目につく。比喩も定型文、擬音・妙に細かい名詞(豊島区千早、御三家、iPod、アイドル名は架空?)を出す意味は。

    ベタの描写は、ベタの雄同士を同じ水槽に入れておくと喧嘩をして弱い方をいじめる、というところから、死亡した少女及びその友人に重ね合わせることが目的か。ただ、残念ながらベタの種類をだだ打ちしたところでベタに対する興味はなくなってしまって流し読み、重ね合わせるにはいささか安直だし何よりも彼女たち、そんなに美しい少女だったのだろうか。狭い範囲内でやーんあの子可愛いって言ったところで客観すると所詮ドングリの背比べにしか感じられず、ベタの美しい描写と残念ながら釣り合わないような気がする。女の子ってそんなにひらひらしているのだろうか。

    人間描写は――どうなんだろう。微妙、というのは自分が年が行きすぎているせいか。空気の読めない同僚がかなり印象的だったがその他はというとテンプレートの範疇を出ない。また、父親のキャラクターが見えづらい。主要登場人物を取り巻く人物になるとステレオタイプな描写しかされないのは、この枚数でこの人数となるとどうしても描ききれないためか。所詮背景といってしまえばそれまで。

    良かったと思う点は、人物乗車に少々難あれどそれぞれの思惑を組み立てながらきちんと最後まで書けたところ。最後まで書くというのは中々に難関で本作は各人物の思惑が錯綜しているため拍手。しかし、やはり人物描写がなあ、と思ってしまう。

  • 加奈が死んで、咲と真帆がそれに対して宛てた手紙を読んだ時、なんとも言えない歯痒さを感じました。

    最後は父の安藤そうがこういう遣り方でごめんと言いながらしたこと、少し気が晴れました。

  • 高校生たちの描き方はいいけど、大人たちが良くわからない…。
    アスペルガーである必要があったのか?
    いったい何を訴えたかったのか、わからなかった。

  • 大学講師の安藤聡は講義終了後に、切っていた携帯電話の電源を入れて着信の多さに驚いた。同じ研究室で連絡を受けた早苗に連れられ病院へ着くと、高校生の娘加奈が4階の高さから落ちて亡くなっていた。事件か事故か。クラスメイト達の手紙を読んで聡はー

    ◆うわ-…。こんな話と予想してなかった…。痛々しい。でもお父さん見事でした、最も効果的だと思います。“人は、遺伝子を残すために生きているのではない。物語を刻むために、生き続けるのだ。”(132p)

  • 第三回野性時代フロンティア文学賞受賞作品。
    うーん。どうだろう。引き寄せられそうでいて、でも寄れなかった感じ。もっと他の作品も読んでみよう。

  • もぅとイヤミスなのかと思いきや、それほどでも無く良かった。読みやすかった。久しぶりに日本人の書いたものをよんだせいか?
    ホントに思春期の女の子怖いわ!

  • 本当に芸能人になろうと思ってるならイジメだってしないんじゃね?と思いつつ。
    証拠になるような動画とか音声とかこっそり残されるかもしれないじゃん!と言ってしまうと物語は進まないので(笑)
    そこまで考えられないアホだからこういう結末になったのよね。
    本当に自己中で性格の悪い女だったけど、こういう思考回路の子って大なり小なり世の中結構いると思われ。
    自分のために友人(と、言っても友人とは思ってもいなかったが)を犠牲にできるとか怖いよね。
    怖いけどほんといるのよ。こういう人。
    物語は最後一応のハッピーエンドをむかえホッとした。
    あのまま終わって闇に葬られたら・・・読了後落ちただろう。
    死ななくていい命が消えてしまった事が残念だよね。
    父親の悲しみが伝わるのが読んでて一番辛かったです。
    映画化になってるので映画も見たい!

  • 病気の妻に先立たれ、父一人で育ててきた娘が学校の手すりから落ちて死んでしまった。娘の死が事故なのか自殺なのかはっきりしないまま失意の底にいる安藤は、線香をあげにクラスメイトがきたことをきっかけに娘の日記を読んでみることにする。そこには、日々いじめられて苦しむさまが描かれていて……。

    愚かだ。芦沢さんのデビュー作。うっかりしてて昔映画の方のあらすじを読んでしまっていた。父もいじめっ子も追い詰められてく様子がとてもよかったのだけど、展開が詰め込みすぎなのがちょっと残念。発達障害っぽい同僚の描写はいらなかったような。

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