巨額年金消失。AIJ事件の深き闇

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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感想 : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041102794

作品紹介・あらすじ

2000億円はどこへ消えたのか?知られざる驚愕の真実。元AIJ企画部長の告発。

感想・レビュー・書評

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  • ★マドフは案外そばに★著者は野村でオプション取引の経験があるだけに稼げて当然という思いだったという。ほかのインタビューを読んでも浅川社長は古き良き野村の個人向け営業マンであり、「次は取り返しましょう」を年金基金にもやってしまう能天気さが前代未聞の事件を引き起こしたようだ。運用会社のトップが数字をいじっていれば会社の中の人でも分からないというが、明らかにチェックシステムの問題だろう。

     浅川社長が年収7000万円も取っていながら「私的流用はない」と話していると聞き、2000憶円を失えばかえってそうした感覚になるのだなと妙に納得してしまった。野村やみずほ証券を経た著者のような経歴の人で、うまくいかなかった人の話を聞く機会がない点からも興味深い本だった。

  • 事件の闇の入り口にも辿り着かない迷著だが、
    複雑から混沌の闇となる中、渦中の空は澄み渡るという社会や組織のモメンタムの強さは理解できる

  • 営業はすごいが運用はド素人
    トレーダーは他人の運用成績に興味ないし
    分からない
    日本版マドフ事件、2000億円溶かす

    著者は早稲田の政経、野村で場たち、デリバティブ
    という経歴の人
    野村での最大損失は12億円。日経平均のオプション売り。
    AIJでは企画部長。運用報告書を書かされていた
    今はコンビニで働いているみたい

    じじい転がし、浅川。
    数字にめっぽう強い

    本当に儲かる投資アイデアは自己売買でやる
    破たんリーマン社員受け入れで欧米化
    手数料至上主義から短期収益実現主義へ

    植草一秀、リチャード・クーを信頼
    関西の年金基金は手ごわい
    見栄を張らないでしつこく聞く
    分からないものはやらない、151

    浅川、一人の時間嫌う
    負けず嫌い、時間にうるさい
    嘘やごまかし、いかさまを嫌悪

    フローチャートで、いかさまの方法図示
    AIJから偽運用報告書

    ITMから偽NAV報告書
    ※監査法人からの監査報告書は開封しない
    信託銀行経由で年金基金に届く

    この二つの数字が合致していたので
    疑われなかった

    116、オリンパスの損失飛ばしとの類似性を否定する

    この本の原稿、クラウドに保存されていたので
    捜査員による押収を免れる
    なるほどなぁ

    筆者、転職前に一時FC加盟で墓穴
    浅川、バブル期の不動産投資で失敗、高給を求めて外資へ
    相場のプロも、本職以外ではトロイものだ

  • 個人的に興味深いジャンルだったので読みましたが、一般的にはあまり読む必要もない1冊だと思います。

  • AIJ事件。企画部長の振り返り。
    昔ながらの証券マンであった浅川が、「取り返せる」と思って相場を張り続けて、2000億程度損を出して、年金基金がやられた。そう複雑なものではないとの総括。
    浅川以外少数しか知りえず、自分も被害者、という言い分。
    これだけ読めば、頷けなくもない。

    まあ、相場は大変だ。

  • 結局のところ、厚かましい一人の勘違い男と無責任極まりない年金関係者、と彼らにカモにされた(されつつある)サラリーマンのよくある話。

  • 155ページで読むのをやめた。ただ、【信頼・信用】が全てと改めて考えさせられた。

  • 2000億円消失のAIJ事件で、企画部長(営業)を勤めていた著者による回想です。
    事件そのものの紹介は、報道で知った以上の情報はありませんした。AIJ代表の浅川氏の個人的犯罪で計画性もなくズルズルと始まってやめられなくなった、との説明であり、それを見抜けなかったのは著者の「これくらいの運用成績なら自分でも出せる」との傲慢さであったとの反省であります。
    これを読んでも日本の金融システムの弱点や年金制度の問題点などはわかりません。リーマンブラザーズの内幕本を読んだ時も感じましたが、人間は弱いものであり、失敗を失敗として認められない、わからないことを理解したふりをする、などの小さな愚かさの積み重ねがこのAIJ事件を招いた、と。
    大和銀行巨額損失事件の「告白」も合わせ、金融に関わる方はぜひ。

  • 読みやすい。AIJが10年で年金2,000億円を消失(2,043億円→40億円)させた話し。この事件はたった3人で行われたらしい。主犯は悪いことをしたという自覚が無い。「人を動かす」に書いている通りだ。著者が野村證券に入社し「場立ち」という仕事を与えられ、その後留学するところは興味深く読める。自分で運用するより他人に預けて失敗する方が精神的に楽なのかな?(自分の愚かさを受け入れるより、他人の愚かさのせいにした方が良い?)誤字脱字は無かった。

  • 不謹慎を承知で言えば、読み物として面白い。

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