犯罪者 クリミナル 下

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
4.19
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本棚登録 : 549
感想 : 112
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  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041102961

作品紹介・あらすじ

隠された巨大企業グループの残忍な罪業。浮かび上がる一人の男の驚くべき犯罪計画。そして、謎を追う三人が犠牲者を救済するために一発逆転をかけて臨む、メディアと警察を駆使した奇策とは!?真の勇気と正義を問う、感動のノンストップ・エンタテインメント。

感想・レビュー・書評

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  • 巨悪ですよ
    いやそっちじゃなくて悪の方
    きょ!あ!く!
    (誰も何も言うてない)

    巨悪との対峙!
    なんともスケールのでかいお話しでした!
    そしてスケールがデカいのに細かいとこの積み上げも隙がない
    うーん、なんて言うかな
    普通だとあちら立たすとこちら立たずみたいになるようなことをしれっと両立させてる
    しかもひとつふたつじゃなくて
    そんなとてつもない力量を感じました

    クライマックスは圧巻の一言!
    でもって映像を見てるような描写力
    手がつけられんわ!

    そして、スカッと終わらないところがまた良い
    巨悪はまだまだ闇に潜んでニヤリとしてそうな終わり方
    理不尽な「世間」にイラっとさせられる終わり方

    このなんだかすっきりしない終わり方が、この物語が自分たちの住むこの現実の世界と地続きなってると感じさるのよね

    この物語に描かれた世界は自分たちも目を向けなければいけないモノなんだって

    そしてなぜ太田愛さんは2005年というちょっと古い時代を物語の舞台に選んだのかってのを考えるとこの物語がちょっとだけ変わった角度で見える気がします

    • ひまわりめろんさん
      ありがとうございます
      我々としては『幻夏』での映画化を視野に入れて制作に励みたいと思います
      ありがとうございます
      我々としては『幻夏』での映画化を視野に入れて制作に励みたいと思います
      2024/01/19
    • ゆーき本さん
      相馬推しの私 泣く!!
      相馬推しの私 泣く!!
      2024/01/19
    • ひまわりめろんさん
      わいはまだ読んでない!w
      わいはまだ読んでない!w
      2024/01/19
  • #読了 #犯罪者クリミナル下 #太田愛
    やっぱり長編は、後半になるほど大勢の登場人物の相関図がはっきりして、俄然面白くなってグイグイ引き込まれる。
    ひたすら真実を追い、命をかける姿が勇敢で、でも傷だらけで儚くて人間らしい。筋書き通りにいかない所が逆にリアル。
    凄く面白かったです。

  • 修司と相馬、鑓水の3人は通り魔事件の裏に、
    巨大企業・タイタスと与党の重鎮政治家の存在を掴む。
    そこに浮かび上がる乳幼児の奇病。
    暗殺者の手が迫る中、3人は幾重にも絡んだ謎を解き、
    ついに事件の核心を握る人物「佐々木邦夫」にたどり着く。
    乳幼児たちの人生を破壊し、通り魔事件を起こした真の犯罪者は誰なのか。
    佐々木邦夫が企てた周到な犯罪と、
    その驚くべき目的を知った時、3人は一発逆転の賭けに打って出る。


    乳児の顏を壊死させる奇病メルトフェイス症候群。
    原因は大企業タイタスフーズが保育園に配った離乳食のサンプルだった。
    それを闇に葬るべくして起こったのが深大寺駅前の通り魔事件だった。
    上巻でどうしても違和感を感じてしまった真崎の金銭の要求。
    真崎の本当の気持ちが明らかになり涙が零れた。

    いくつもの伏線があり、事件の真相がわかるにつれ、
    先が気になって仕方なかった。
    鑓水が立てた作戦が上手くいくのか…。
    緻密に練られた計画が気持ちよくバシッと決まるわけではなく、
    次々とアクシデントにみまわれドキドキが止まらず苦しかった。

    産廃業界の闇・大企業の隠蔽体質・政界との癒着
    社会問題も沢山提起していて、これほどの多くを盛り込みながら
    ミステリーとして仕上げた構成力と筆力素晴らしかったです。
    とても素晴らしい作品で、読み応えもあり面白かったのですが、
    長かったーーー。疲れたーーー(笑)

    この三人のコンビ最高です!
    ずーーーっと、このコンビが活躍する物語を描いて欲しいです。

  • ダースベイダー・・・

    のような殺人鬼が、白昼の広場で人々を襲う。

    4人の命が一瞬にして奪われ、修司だけがギリギリ命を繋ぎ留めた。

    その光景がダイレクトに頭に浮かぶ。

    平和な小説を好んで読む僕は、その鮮やか?な描写に、読むのを止めようとも思ったが・・・。

    本作の醍醐味は、この殺人鬼がとにかく不気味に、有能に描かれていること。

    もう一つ、下巻早々にこの殺人鬼に殺められる真崎の、死して尚発揮されている存在感が、僕にとっての大きな魅力。

    修司、相馬、鑓水、中迫と殺人鬼・滝川の対決がスリルたっぷりだが、対決後の描写が、どうにも冗長に感じられて残念でならない。

    でも、フォロワーさんの薦めで読むことができてよかった。

    次作の『幻夏』も楽しみ。

  • 通り魔事件による4人の犠牲者、メルトフェイス症候群という奇病を発症した124人の乳幼児たち、巨大企業グループタイタスフード、これらの結びつきと真相がわかってくるともう一気に読んでしまった。
    それぞれが一匹狼的な相馬、鑓水、修二、中迫だけど、チームワークで、自身が信じる正義を貫き敵に挑んでいく姿がかっこいい。滝川との攻防戦には終始ハラハラドキドキ。出来過ぎた終わり方でないのもかえってよかった。
    絶対「天上の葦」も読まなくっちゃ!

  • 上下巻合わせて800ページ越えの超大作
    途中だれることなく、最後まで面白かった。
    特に下巻の仕掛けるところは、心臓に悪いくらいハラハラドキドキ。
    疲れた体にはきつかった。

    登場人物すべてにはっきりとしたキャラクターがあり、本の中にすぐに引き込まれる。
    さすがドラマ「相棒」の凄腕脚本家

  • 2023.5.29読了

  • 見事な傑作!!
    最後のテレビ中継も入れようとする怒涛の展開にハラハラした。殺人者の滝川の追い込みぶりが恐怖。大雨の中に五億円を置いて、それに気づいた民間人に見つけられた時は、あ〜あと思ってしまったが、それにも大きな意味があり、後々亡き真崎が喜んでるくれるような展開で感動した。
    修司、鑓水、相馬の3人はすごい。そして、たくさんの脚本を書いているとはいえ、初の小説でこれほどの読み応えのある小説をかいた太田愛さんにただただ感動です。この3人のシリーズをさらに読んでいきたい。

  • [貧困の反対語は裕福ではなく正義だ]
    という以前読んだ本に書かれていた言葉を思い出した。この世はとにかく理不尽で、でもそれにいちいち反応していたら生きてはいけない。だからそっと見ないふりをする…そして忘れて時折自分と同じようなごく普通の人をやり玉にあげ、そんな鬱屈した自分を慰める。正義は果たされたと。

    そんな理不尽がまかり通る世界ではない世界。慎ましく正しく生きる人達が報われる世界を思った真崎に涙した。そしていつか凍結臨~ただ走るためだけに走る列車~を私も見てみたいと思った。

  • 上巻は抜群に面白かったが下巻のエピローグが長くてくどい。

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著者プロフィール

香川県生まれ。「相棒」「TRICK2」などの刑事ドラマやサスペンスドラマの脚本を手がけ、2012年、『犯罪者 クリミナル』(上・下)で小説家デビュー。13年には第2作『幻夏』を発表。日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)候補になる。17年には上下巻の大作『天上の葦』を発表。高いエンターテインメント性に加え、国家によるメディア統制と権力への忖度の危険性を予見的に描き、大きな話題となった。

「2020年 『彼らは世界にはなればなれに立っている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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