犯罪者 クリミナル 下

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
4.19
  • (97)
  • (117)
  • (40)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 549
感想 : 112
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041102961

作品紹介・あらすじ

隠された巨大企業グループの残忍な罪業。浮かび上がる一人の男の驚くべき犯罪計画。そして、謎を追う三人が犠牲者を救済するために一発逆転をかけて臨む、メディアと警察を駆使した奇策とは!?真の勇気と正義を問う、感動のノンストップ・エンタテインメント。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 巨悪ですよ
    いやそっちじゃなくて悪の方
    きょ!あ!く!
    (誰も何も言うてない)

    巨悪との対峙!
    なんともスケールのでかいお話しでした!
    そしてスケールがデカいのに細かいとこの積み上げも隙がない
    うーん、なんて言うかな
    普通だとあちら立たすとこちら立たずみたいになるようなことをしれっと両立させてる
    しかもひとつふたつじゃなくて
    そんなとてつもない力量を感じました

    クライマックスは圧巻の一言!
    でもって映像を見てるような描写力
    手がつけられんわ!

    そして、スカッと終わらないところがまた良い
    巨悪はまだまだ闇に潜んでニヤリとしてそうな終わり方
    理不尽な「世間」にイラっとさせられる終わり方

    このなんだかすっきりしない終わり方が、この物語が自分たちの住むこの現実の世界と地続きなってると感じさるのよね

    この物語に描かれた世界は自分たちも目を向けなければいけないモノなんだって

    そしてなぜ太田愛さんは2005年というちょっと古い時代を物語の舞台に選んだのかってのを考えるとこの物語がちょっとだけ変わった角度で見える気がします

    • ひまわりめろんさん
      ありがとうございます
      我々としては『幻夏』での映画化を視野に入れて制作に励みたいと思います
      ありがとうございます
      我々としては『幻夏』での映画化を視野に入れて制作に励みたいと思います
      2024/01/19
    • ゆーき本さん
      相馬推しの私 泣く!!
      相馬推しの私 泣く!!
      2024/01/19
    • ひまわりめろんさん
      わいはまだ読んでない!w
      わいはまだ読んでない!w
      2024/01/19
  • #読了 #犯罪者クリミナル下 #太田愛
    やっぱり長編は、後半になるほど大勢の登場人物の相関図がはっきりして、俄然面白くなってグイグイ引き込まれる。
    ひたすら真実を追い、命をかける姿が勇敢で、でも傷だらけで儚くて人間らしい。筋書き通りにいかない所が逆にリアル。
    凄く面白かったです。

  • 修司と相馬、鑓水の3人は通り魔事件の裏に、
    巨大企業・タイタスと与党の重鎮政治家の存在を掴む。
    そこに浮かび上がる乳幼児の奇病。
    暗殺者の手が迫る中、3人は幾重にも絡んだ謎を解き、
    ついに事件の核心を握る人物「佐々木邦夫」にたどり着く。
    乳幼児たちの人生を破壊し、通り魔事件を起こした真の犯罪者は誰なのか。
    佐々木邦夫が企てた周到な犯罪と、
    その驚くべき目的を知った時、3人は一発逆転の賭けに打って出る。


    乳児の顏を壊死させる奇病メルトフェイス症候群。
    原因は大企業タイタスフーズが保育園に配った離乳食のサンプルだった。
    それを闇に葬るべくして起こったのが深大寺駅前の通り魔事件だった。
    上巻でどうしても違和感を感じてしまった真崎の金銭の要求。
    真崎の本当の気持ちが明らかになり涙が零れた。

    いくつもの伏線があり、事件の真相がわかるにつれ、
    先が気になって仕方なかった。
    鑓水が立てた作戦が上手くいくのか…。
    緻密に練られた計画が気持ちよくバシッと決まるわけではなく、
    次々とアクシデントにみまわれドキドキが止まらず苦しかった。

    産廃業界の闇・大企業の隠蔽体質・政界との癒着
    社会問題も沢山提起していて、これほどの多くを盛り込みながら
    ミステリーとして仕上げた構成力と筆力素晴らしかったです。
    とても素晴らしい作品で、読み応えもあり面白かったのですが、
    長かったーーー。疲れたーーー(笑)

    この三人のコンビ最高です!
    ずーーーっと、このコンビが活躍する物語を描いて欲しいです。

  • ダースベイダー・・・

    のような殺人鬼が、白昼の広場で人々を襲う。

    4人の命が一瞬にして奪われ、修司だけがギリギリ命を繋ぎ留めた。

    その光景がダイレクトに頭に浮かぶ。

    平和な小説を好んで読む僕は、その鮮やか?な描写に、読むのを止めようとも思ったが・・・。

    本作の醍醐味は、この殺人鬼がとにかく不気味に、有能に描かれていること。

    もう一つ、下巻早々にこの殺人鬼に殺められる真崎の、死して尚発揮されている存在感が、僕にとっての大きな魅力。

    修司、相馬、鑓水、中迫と殺人鬼・滝川の対決がスリルたっぷりだが、対決後の描写が、どうにも冗長に感じられて残念でならない。

    でも、フォロワーさんの薦めで読むことができてよかった。

    次作の『幻夏』も楽しみ。

  • 通り魔事件による4人の犠牲者、メルトフェイス症候群という奇病を発症した124人の乳幼児たち、巨大企業グループタイタスフード、これらの結びつきと真相がわかってくるともう一気に読んでしまった。
    それぞれが一匹狼的な相馬、鑓水、修二、中迫だけど、チームワークで、自身が信じる正義を貫き敵に挑んでいく姿がかっこいい。滝川との攻防戦には終始ハラハラドキドキ。出来過ぎた終わり方でないのもかえってよかった。
    絶対「天上の葦」も読まなくっちゃ!

  • 上下巻合わせて800ページ越えの超大作
    途中だれることなく、最後まで面白かった。
    特に下巻の仕掛けるところは、心臓に悪いくらいハラハラドキドキ。
    疲れた体にはきつかった。

    登場人物すべてにはっきりとしたキャラクターがあり、本の中にすぐに引き込まれる。
    さすがドラマ「相棒」の凄腕脚本家

  • 2023.5.29読了

  • 見事な傑作!!
    最後のテレビ中継も入れようとする怒涛の展開にハラハラした。殺人者の滝川の追い込みぶりが恐怖。大雨の中に五億円を置いて、それに気づいた民間人に見つけられた時は、あ〜あと思ってしまったが、それにも大きな意味があり、後々亡き真崎が喜んでるくれるような展開で感動した。
    修司、鑓水、相馬の3人はすごい。そして、たくさんの脚本を書いているとはいえ、初の小説でこれほどの読み応えのある小説をかいた太田愛さんにただただ感動です。この3人のシリーズをさらに読んでいきたい。

  • [貧困の反対語は裕福ではなく正義だ]
    という以前読んだ本に書かれていた言葉を思い出した。この世はとにかく理不尽で、でもそれにいちいち反応していたら生きてはいけない。だからそっと見ないふりをする…そして忘れて時折自分と同じようなごく普通の人をやり玉にあげ、そんな鬱屈した自分を慰める。正義は果たされたと。

    そんな理不尽がまかり通る世界ではない世界。慎ましく正しく生きる人達が報われる世界を思った真崎に涙した。そしていつか凍結臨~ただ走るためだけに走る列車~を私も見てみたいと思った。

  • 上巻は抜群に面白かったが下巻のエピローグが長くてくどい。

  • こういうエンタメ小説は感想が書きにくい。
    めっちゃ面白かった、としか言えなくて。

    ここで若者は「語彙力」なんて言っちゃうのか。

    乳幼児を襲う奇病、保育園に配られた食品サンプル、
    大手食品会社と政治家の癒着
    白日の通り魔殺人事件。
    結びつかないと思われている点を結び付けていく人達。

    手に汗握りました。

    映像を見ているようで、
    というか映像に起こすために書いたみたいな感じで、
    気持ちよく裏をかかれたり、
    ヒヤヒヤしながら逃げたりした。

    闇に葬られそうになったことが
    明るみにでることによって
    さらに戦わなくてはならないけれど、
    それでも、よかったと思う。

    小さな未来が見える生活はきっと明るい。

    「天上の藁」のチーム誕生。

  • 「ありがとよ、坊主」
    あの朝あの男が遺した予言めいた言葉が、最後の最後で胸を打つ。

    世の中に蔓延るどうしようもない理不尽に立ち向かう男達により、ばらばらに散らばったパズルのピースが揃っていく爽快さ。
    罠を仕掛け、追い込み…と思ったら逆に追い込まれ、どんでん返しに次ぐどんでん返しにハラハラし、この先どうなるのか予想のつかない面白さ。
    遺された一人一人の悲しみが丁寧に綴られる遣りきれない気持ち。
    膨大な頁数の中に色々な要素がぎゅっと詰まった読み応えのある物語だった。
    今後も息の合った3人の活躍に期待したい!

  • ノンストップで読んでしまった。
    面白かった。
    特に最後の病院シーンはよかった。
    さすが人気脚本家、頭に映像が浮かびます。
    他の本も読んでみたい。

  • 読み応えがありました。ドキドキさせられっぱなし。そして理不尽と戦う姿勢に胸を打たれます。メインの3人が最高に魅力的。

  • 怒涛の展開、というのを体現したような下巻。どうやったらこんな展開を考えつくのか。

    鑓水と修司がスーパーマンすぎた上巻に比べると下巻はやはりそううまくはいかない。
    特に政治家と秘書がリアル。こういう人達が痛い目みる事ってないよなぁ、本当。
    下手に勧善懲悪にならないところが良い。

  • どの登場人物も人格が確立されていて、どの人物の目線に立って話が進んでも面白かった。大企業と政治家の癒着とか、隠蔽工作とか。分かんないけど、こんなの現実に起こっていてもおかしくないなと呆然としながら読んだり。磯辺が遣水と車内で話す場面が印象に残った。企業とは一国家であり、国はそのための支援者に過ぎない、みたいな。これ、本当にそう思ってる企業はあるんじゃないかとドキリとした。
    ハッピーエンドを期待していたけれど、どこまでも現実的というか、まあそううまくはいかないよな、こういう終わり方かー…とある意味納得の最後でした。
    修司が最後に滝川と対面するシーンもよかったー。

  • なんとかどうにかうまくいきますように!とハラハラしながら読みました。おもしろくて続きが気になりすぎて、上下巻一気読みしました。
    3人が出てくる次巻があるようなので、ぜひ読みたいです。

  • 若干のモヤモヤはあったものの、勢いがあって楽しめました。脚本家の方の作品ということもあり、終始映像が目に浮かんできます。キャラのたった方々ばかりで、テンポ感がありました。滝川が印象的でしたね。こんな人、いるんですかね。

  • 先に2作目読んじゃって順番逆になっちゃったけど。
    上下巻、あっという間だった。目まぐるしく時間も視点も変わるのにそれが全然気にならない。しかもストーリー二転三転。すごいなぁ。
    怒涛の展開はエンターテインメント性抜群だけど、読みっぱなしで終わらないこの読後感。
    しかも、このテイストで同じメンバーで続編もって、ほんと、すごいな。

    理不尽な社会。信じやすく臆病で妬み深い国民性。
    今、まさにドキッとするフレーズがたくさんあったな。

  • 企業と政治家の結びつき。
    緻密な犯罪計画と周到な行動での事件解明。
    今、隣で起こっているような事件の連続。
    終始ハラハラドキドキで一気に読み上げた。
    ここまで描ける日本人作家はなかなかいないと思う。

  • こんなに面白い話を書く人なのに、それ程知名度が無いのはなぜ?私が知らなかっただけ?
    とにかくストーリーが凝っていて、最後までハラハラドキドキの連続だった。他の作品も是非読んでみたい

  • 滝川に見つかるだけなのに、読んでる僕が、恐怖を感じてしまう。見事に描かれている。面白いかった。ただ、ちょっと、描き過ぎではと思うところも。

  • 久しぶりに面白い本に出会った!と夢中で読み終えた。全て現実にありそうな恐ろしい話。実写化も良さそうな雰囲気だけどしてないようで。
    ラストもこれはこれでアリだと思うけど、やっぱり全部まるっと解決してほしい気持ちがある。そしてもう一つ悲しいのは可哀想な人が多過ぎること。
    でもとても面白くて素晴らしい作品だった。

  • 傑作です

  • いくつもの物語が丁寧な描写で展開していく。下巻はさらに一気読み。通り魔殺人や政治家の不祥事など様々なテーマを根底に正義を問うサスペンス。本当に面白かった。

  • 先が気になり、興味深く読めました。ただ、そのわりになかなか読み進められなかったのは、文章が私に合わなかったのかなぁ^^; 終わり方がスッキリとは行かなかったのが残念。事の大きい小さいはあっても、こういう事って現実社会にも少なからずあるのではないかと思うと怖いです。

  • 久々に本当に読み応えもある小説で、本作がデビュー作とは信じられないほどの重厚さ、社会性、余韻もある作品でした。次作の「幻夏」もすぐに読みたくなりました。

  • 通り魔事件で唯一の生き残り修二が、どう事件と関わり、どこへ行きつくのか。 最初のほうはこちらが気になり読んでいたものの、途中から背後には企業の不正など話が見えずらくなり、またまた謎が重なる感じ。

    事件そのものの話もよくできていて早くこちらも真相に近づきたいと本を読むペースがいつも以上に早くなった。

    なによりもよかったのは、修二、刑事の相馬、ジャーナリスト鑓水の三人の関係。 いずれもが組織の中ではやっていけない、一匹狼的な要素の面々。 それなのに、この事件を前にみせるチームワーク。 一見バラバラ、粗削り。  年齢も経験値も違いながら、思慮深く、それでいて捨て身で、イチかバチか的な感じも読んでいてわくわくする。

    最後のほうに通り魔事件被害者の遺族の言葉が出てくるあたりがちょっとなんとも感傷的な気持ちになりました。

    人の一生がちょっとしたところで、大きく変わる、なくなるという、当たり前ながら日々の暮らしの大切さを思う。 ペテン師とか相馬に言われるけど修二の前向きな感じよかったです。

  • すごく読みやすくて一気に読めた。
    映像化してほしい!!

  • オーディブルで。
    俳優さんの声がよかった。
    読み応えがありました。
    最後の方にもう一波乱あるのかな?とおもったけど、そうでもなくて、肩すかし。
    ヤリミズは北村一輝のイメージ。

全112件中 1 - 30件を表示

著者プロフィール

香川県生まれ。「相棒」「TRICK2」などの刑事ドラマやサスペンスドラマの脚本を手がけ、2012年、『犯罪者 クリミナル』(上・下)で小説家デビュー。13年には第2作『幻夏』を発表。日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)候補になる。17年には上下巻の大作『天上の葦』を発表。高いエンターテインメント性に加え、国家によるメディア統制と権力への忖度の危険性を予見的に描き、大きな話題となった。

「2020年 『彼らは世界にはなればなれに立っている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

太田愛の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×