犯罪者 クリミナル 上

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
4.20
  • (84)
  • (107)
  • (38)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 535
感想 : 83
  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041102978

作品紹介・あらすじ

「相棒」の人気脚本家、渾身のデビュー作!満開の桜の下、五名の死傷者を出した通り魔事件。それが終わりの始まりだった。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 白昼の駅前広場で4人が刺殺される通り魔事件が発生。
    犯人は逮捕されたが、ただひとり助かった青年・修司は
    搬送先の病院で奇妙な男から「逃げろ。あと10日生き延びれば助かる」と警告される。
    その直後、謎の暗殺者に襲撃される修司。
    なぜ自分は10日以内に殺されなければならないのか。
    はみだし刑事・相馬によって命を救われた修司は、
    相馬の友人で博覧強記の男・鑓水と3人で、暗殺者に追われながら事件の真相を追う…。


    『幻夏』を読んでとても感動した。素晴らしいと思った。
    修司・相馬・鑓水…三人の出会い・繋がりが見えて良かった。
    修司が巻き込まれた事件が気になっていましたが、
    こんなに大きな事件・大変な事件だったとは…。

    冒頭から白昼の長閑な駅前広場で修司を含めた5人の人間が襲われる
    通り魔事件が発生する衝撃のシーンで始まった。
    唯一の生存者である修司はその後も謎の暗殺者に襲撃される。
    自分を曲げる事が出来ず警察内で外れてしまっている相馬。
    その古い友人である鑓水。
    その3人の視点と。
    自分の会社のサンプルで乳幼児とその親に一生負い続けなければいけない
    傷を負わせてしまった事に気付いてしまった大企業の社員中迫。
    その友人である真崎。
    大企業の重役たちや大物政治家やその秘書。
    沢山の人々の視点が交錯しながら描かれている。

    読み手には事件の繋がりなどは結構早くに明かされているのですが、
    それでもどうなっていくのか…ハラハラドキドキは止まりませんでした。
    結構なボリュームで小さな文字…読むのに時間が掛かりましたが、
    まさに読むのをやめられない頁を捲る手が止まらない本でした。
    同じボリュームの下巻が待っています。
    大企業の隠蔽体質や政界との癒着。
    自分の価値観に背き組織に迎合できない男達の闘い。
    読むのがとっても楽しみです(*Ü*)*.¸¸♪

  • それから それから 続きが気になる! 下巻へ

  • 2023.5.28読了
    あるうららかな春の午後、深大駅前広場にて通り魔に4人の男女が刺殺された。5人目となるはずだった繁藤修司は間一髪免れ、それでも重傷を負う。
    搬送された病院で、修司は一人の男に意味深な宣告を受ける。
    あと、10日。10日、生き延びれば助かる。
    生き延びてくれ。君が最後の一人なんだ。

    謎の男による謎の言葉から読み取れる通り、これはただの通り魔事件ではなかった。
    殺された4人、そして修司は本人も知らないうちにある出来事の目撃者となっており、それが白日のもとに晒される事を恐れた者達によって消されたのだった。
    修司は暗殺者から逃げ切れるのか?
    そして彼が目撃した物とは何なのか…

    この作品の著者は、ドラマ相棒の脚本を多く手がけてきた太田愛。
    自分は相棒ファンであり、著者の脚本回のファンでもある。
    ドラマでもそうだが、作品は緻密に筋立てされておりとても読み応えがある。
    一旦読み始めてしまうと、先が気になって時間を忘れる可能性があるため、時間のある時に読む事をお勧めする。

  • 白昼の駅前広場を突如襲った通り魔事件。
    犯人も直ぐに逮捕され事件も解決したかに思われたが、唯一生き残った修司が再び何者かに襲われる。
    融通のきかないはみだし刑事の相馬、要領の良い売文屋の鑓水に助けられながら、修司は事件の謎を追う。

    性格も育った環境も職業も全く異なる3人のやり取りが実に面白い。
    特にオヤジ2人と対等に渡り合える18歳の修司のキレの良さがいい。

    初めは呆気ない程単純な事件と思われたのに、様々な立場の視点が混じり合い、目まぐるしく変わる展開に読んでいてハラハラしっぱなし。
    問題の4月4日を間近に控え…下巻へ続く。

  • 奇病に隠された悲しき隠蔽の陰謀を暴く 前編。

    ・序章
    Ⅰ章 1駅前広場ー二〇〇五年 三月二十五日 金曜日
       2あと十日ー二〇〇五年 三月二十六日 土曜日
       3老王の死ー二〇〇五年 三月二十七日 日曜日
    Ⅱ章 4発端ー二〇〇四年・夏
       5殺される理由ー二〇〇五年 三月二十八日 月曜日
       6共犯者ー二〇〇四年・秋~二〇〇五年・早春
       7デッキの女ー二〇〇五年 三月十五日 火曜日
    Ⅲ章 8不法投棄ー二〇〇五年 三月三十日 水曜日
       9旧友―二〇〇五年 三月三十一日 木曜日

    深大寺で起きた通り魔殺人事件。

    五人の被害者の内、たった一人の生き残りの修司は、フレームレスの眼鏡の男から一〇日間行き伸びろと言われる。

    捜査を担当した相馬は、厄介者のレッテルを張られ、事件の真相を暴くため、修司を保護し、ジャーナリストの鑓水とともに動く。

    メルトフェイス症候群が自分の会社が配ったベビーフードの影響と知った中迫は、友人の真崎と共に、告発の準備を続ける。

    陰謀を詳らかにするものと、握りつぶそうとする者とで激しくぶつかり合う。


    前編ですが、後半どんな展開を迎えるか楽しみです。

  • 天上の葦が面白かったので、犯罪者から、読んでみることにしました。天上の葦より、進みはスムーズではなく、作り込み感はありますが、とても良くできていて面白かったです。脚本家さんだけあって、作戦実行時は、スピード感や矛盾のない展開でした。

  • ハラハラ。

  • 友人に薦められて読んだ。面白い。展開が早くて次にどうなるか、ワクワクしてくる。
    食品絡みの健康被害は、最近偽造や賞味期限の修正など、いろいろ事件が起きている。日本人の正直さや律儀さは、どこに行ったやら。
    でも修二やつまはじき刑事の相馬や友人の鑓水に、
    まだまだ人間の真実への真摯な姿勢を感じた。
    どうなる?下巻。真崎は生きているのか。生き延びられるのだろうか?。

  • 前情報なしに息抜きにしようと読んだら、社会派サスペンスになってきて胸が苦しくなってきた。

     乳児の原因不明の病気メルトフェイス症候群。
     それが引きこされたのは、ある食品会社のミスだった。

    取り扱っているテーマが苦しいので本を閉じようかとも思ったが、もうこの世界に取り込まれていて先が気になり止められず、一気に上巻読了。

    初めて聞く作者さんだったけど、「相棒」などの脚本を書かれている方なのね。

    下巻も楽しみ。

  • おもしろい
    先の展開も全然読めず、どんどん読み進めた

全83件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

香川県生まれ。「相棒」「TRICK2」などの刑事ドラマやサスペンスドラマの脚本を手がけ、2012年、『犯罪者 クリミナル』(上・下)で小説家デビュー。13年には第2作『幻夏』を発表。日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)候補になる。17年には上下巻の大作『天上の葦』を発表。高いエンターテインメント性に加え、国家によるメディア統制と権力への忖度の危険性を予見的に描き、大きな話題となった。

「2020年 『彼らは世界にはなればなれに立っている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

太田愛の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×