李陵・山月記・弟子・名人伝 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 626
レビュー : 88
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041103029

作品紹介・あらすじ

五千の少兵を率い、十万の匈奴と戦った李陵。捕虜となった彼を司馬遷は一人弁護するが。讒言による悲運を描いた「李陵」、人食い虎に変身する苦悩を描く「山月記」など、中国古典を題材にとった代表作六編。

感想・レビュー・書評

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  • 思えば私の中華風物語好きもここから始まったのかもしれない。
    中学時代この本を読んでから今に至るも読み返している。
    最初の部分は暗誦できるまでになっていた。
    その後、20年ほどしてある本屋さんで高校ぐらいの男子二人連れが本を選んでいた。一人の子が冒頭部分を語り出したのを聞いて、この年代の子供たちには印象の深い文学なのだなと思った。
    今も電子本で携帯しています。
    何度読んでも味わい深い。

  • 再読どこじゃないがやっぱ好き

  • 中島敦の短編集。わからないことをわからないままにしておけなくてプンスカ怒ってる人々の物語。しかしそれは意固地になってわかることを避けている場合もあるのかもしれない…
    いやあこれがどれもこれも密度がすごい。そうページ数が多いわけではないんだけど。そして密度がすごいけど決して読みづらくはない。むしろ読みやすい。登場人物たちのじわじわと心が張り裂けていく様が我がことのように感じられる。
    「李陵」はなんかもうほんとすごい群像劇でそれぞれの気持ちがかなしすぎてなんだか
    「弟子」と「悟浄~」はちょっと似てる。弟子のあとに悟浄読むと…よかったねえ悟浄…ううっ…
    「山月記」読むと1行ごとにMP75くらい持ってかれるのできつい。まともに読むの高校以来だけどやっぱきつい。おゆるしください。おのれの珠なるを半ば信じ半ば信じざる日々を送っていますおゆるしください。
    「名人伝」はちょっと笑った。私も悟りたい。
    ついでに「悟浄歎異」の水に溶けちゃった美少年が美しい。

    山月記の李徴って己を刻苦して磨こうとせずまた碌々として瓦に伍することもできなかったって言ってたけど、それでも百編以上の詩を書いてたんじゃなかったっけ。
    見直して改善していこうとしなかったってことなのかなーそれにしても百編もかけば立派なもんだと思うけどなー…才能が無いというのはそういうことなのか…こええ…怖すぎる…
    そんなん言われたら己の珠に非ざるを怖れて刻苦して磨けなくなっちゃうじゃない!中島のばか!!
    いや中島敦自身がそうおびえてたんだから中島敦を責めるのはお門違いだ……

  • 割と定期的に読み返すんだけど文体が好き。
    漢文調でお堅いかと思いきやどことなく艶っぽくてリズム感が良い。声に出して読みたい感じ。
    『山月記』が特に有名だし切なく滾るものがあるけど、個人的には『弟子』と『悟浄歎異』が好き。子路から孔子への思いとか、悟浄の悟空語りとか「これだけの圧倒的語彙力で推しを褒め称えるのマジ尊敬」ってなる。

  • もう何度読んでいるかは分からないが、折に触れて中島敦を読みたくなる時がある。

    「隴西の李徴は……」から始まるあのリズム美に触れたくなるのだ。もはや中毒である。

    そういう意味で、中島敦はすごい作家だなあと思う。33歳という若さで亡くなったが、この人が作品を生み出し続けていたなら……と想像してみると面白い。

    私が角川版を購入したのは、森村玲さんのカバーが中島敦観とマッチしていたから。
    最近、どの出版社にも言えるのだが読者獲得のために、不必要なほどマンガテイストのものに変えないでほしい。。。

    さて。
    「山月記」は言わずもがな、私は「名人伝」も大好き。
    紀昌が世話になった師匠を倒さんとするも失敗したあとの、謎の和解ハグシーンはいつ読んでも笑ってしまう。

    この「名人伝」から改めて繋がった作品が、オイゲン•ヘリゲル『日本の弓術』である。
    こちらはエッセイだが、ぜひ触れて欲しい。

    【2016.12.29再読】

    万城目学『悟浄出立』を読んで、改めて「悟浄出世」「悟浄歎異」、「李陵」を読む。
    沙悟浄の立ち位置。
    活躍する者ではなく、調停する者であるという、いわゆる脇役でしかない嘆き。
    けれど、悟浄の視点だからこそ、物語は小説へと変化出来たのだろうし、三蔵と悟空の持つ性質を言語化出来る思考を持ち合わせる存在は、悟浄しかいない。

    「李陵」は、李陵と司馬遷の二人の苦悩から成る。
    どちらも主君に見捨てられた者として辛酸を舐める。
    しかし、宿命とも言える仕事に没頭出来た司馬遷と、匈奴の中で身を休めることが出来ながらも、蘇武との決定的な差にジリジリとする李陵ではその後が違う。

    自分の足元に何が拡がっているのか。
    人が宿命を感ずる時とは、一体どのように訪れるのだろう。

  • 【状態】
    展示中

    【内容紹介】
    豊富な漢詩文の教養と鋭い人間観察をもって描き、作者の名を不朽のものにした代表作六編を参考資料とともに収録。李陵・蘇武・司馬遷の運命を描く【李陵】他。

    【キーワード】
    文庫・文学・歴史・虎・中国

  • 中身は至って真面目だし、悟浄出世など中島敦好きには嬉しいラインナップですが、表紙がイラストなのがどうも気に食わないです。

  • 友人が好きだということで再度読む。
    山月記の臆病な自尊心と尊大な羞恥心は非常に印象的な言葉。
    李陵、弟子、悟浄出世も面白い。
    生ある間は死なし、死いたらばすでに我なし。何をかおそれん。
    賢者が他人について知るよりもグ社が自分について知る方が多い。
    悟浄出世の女偊の話が良い。P153

  • 北方の「史記」を読んでいる流れから、「李陵」を再読したくなり購入。

    はじめて読んだのは中学で、その後高校で「山月記」が出てきて。
    どちらの頃も、ふーん…という感想でしか持たなかった。
    でも、今回はどの作品も夢中になって読み進めたし、響いた。
    あの頃すでに良書に出会えていたのに、気付けなかったんだなあ。
    遅くなったけれど、気付けて良かった。

    「李陵」「山月記」「弟子」「名人伝」「悟浄出世」「悟浄歎異」収録

  • これじゃないけど、感想を書くにあたって一応の登録。
    実本は、中島敦『山月記・弟子・李陵 ほか三編』(講談社文庫、1972年。)

    山月記
    自分も虎になるんじゃないかと思った。
    性情が虎ということは、虚無的自尊心がこの頃は虎のイメージだったのかなあ。
    「虎となる=自分の感情が抑えられなくなる」とわかりやすいかも。

    名人伝
    最後の場面は痛快。人々の盲目的尊敬心はある意味恐い。
    「すごい政治家は政治のことを知らない」とかなったから恐いなあ(>_<)

    201397.15(月)

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プロフィール

1909年東京生まれ。小説家。東京大学卒業後、「古譚」「光と風と夢」でデビュー。中国の故事や南洋の植民地の風物をもとに、独特な物語世界を構築した。短篇「名人伝」「山月記」など。1942年没。

「2016年 『宮沢賢治/中島敦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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