「持たない」ビジネス儲けのカラクリ (角川oneテーマ21)

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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041103111

作品紹介・あらすじ

かつては三種の神器と呼ばれたように、車や家を持つことが憧れだった時代もあった。けれど、天災の脅威や地価の下落、そして人口が減少していく、この日本で資産を持つことが今や大きな「リスク」になっている。

感想・レビュー・書評

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  • 持たないビジネスについて知りたくて読書。

    具体的な社名が多く登場し、読みやすい。

    日本にいる多くの人が氣づいていないが、日本はすでにグローバル社会の渦に飲み込まれて、我々はその恩恵を受けている。

    今後は、日本人がよりグローバルしていく傾向は止まらないだろうと述べている。

    実際に日本人が中国へ出稼ぎに…は現実的に起こりつつある。

    今の日本では土地、資産、自動車など所有物を持つことが負債となり重荷となる。所有物を減らして、現金や知識、経験として貯めておく。

    中国は、バブル前の日本のように持ち家=将来への安心という価値観が定着しているが、トレンド的に遅かれ早かれ日本と同じように所有する価値を失うわけだ。

    独身時代は、会社へ徒歩圏内に住む。
    これ、実践しておけばよかったなと振り返る。どうして、引っ越しをしなかったのだろうかとふと思う。

    負債を持つことがどれだけ人生から豊かさを奪うか。自分で自分の首を絞めるか。
    人を雇わず、協力体制を作る。
    土地や工場、設備を持たずに借りる、シェアする。
    自己価値、ブランド力を高める。

    成田空港や関西空港の近くに住んで日本の事務所として、海外で働くって考え方は面白い。

    早い変化に対応するためにフットワーク、動きを軽くする。そのためには、負債や守るものを最小限にすること。

    読書時間:約40分

  • やはり所有することはリスクなのだ。
    マンションは買ってはいけない。

    変化に対応するためには持たないこと。

  • 家だけは持ち家派だが。。合掌。

  • 企業が資産を保有しないことのメリットは逃げ足の速さ、撤退しやすいことが重要。
    ダイエーも不動産を持っていたから転んでしまった。
    インターネットキャンパスという大学があるが、大学は場所があって、学生がそこに集い勉強、議論した方がよい。

  • 「持たない」ということ、自分の場合、不動産以外は当てはまるかな、と。今住んでいる地方都市(と言っていいのか?)は中古物件がとても安いのでつい...。
    この本に書かれていることは至極まとも。おすすめ。

  • 住宅ローンを組む前に読む事をお勧めします

  •  マイホーム、不動産、生産ライン、物流手段、店舗、労働力・・・人や企業が資産を所有する、メリットとデメリットを分析した一冊。そのうえで、資産を所有するリスクを回避する人や企業が、この不況下で生き残っている事実を解説する。
     賃貸やアウトソースを活用することで最大限「身軽」になり、環境や需要の急変に対応する戦略は効率的だと納得できる。
     だが、読んでて背筋が寒くなった・・・自分が所有するモノなどたかが知れているものの、それでも不安を覚えずにはいられなかった。
     著者も、「持たない」選択肢を手放しで推奨しているわけではない。むしろ、地価下落、産業空洞化、正規雇用の減少など、国家経済の弱体化も危惧している。
     まったくの同感だ。
     著者は流通ジャーナリストとしてバラエティー番組などに出演し人気があったが、昨年秋に死去した。本当に惜しい人を亡くしたと思う。

  • 「固定資産を持たず、変化に対応できる体質を持つ」ということだと思う。これだけ変化が激しい時代には2~3年保有している間に古ぼけてしまう。(飽きてしまう!)

  • 自社では製造部門を持たないながらも、消費者の心をとらえる製品を世界に普及させ、利益を上げているアップル社。
    一方、自社ブランドは持たず、複数の企業からの製造委託を受けて効率的な製造をする、台湾などの製造専門企業。
    いずれも、日本の製造業を脅かす、大きな存在となっています。
    そんな時代背景を踏まえ、いわゆる固定資産を”持たない”ということがどれだけメリットがあるかについて書かれたのが本著です。
    まず、読者個人の「マイホーム」という視点から話が始まり、起業の経営戦略、中でも製造業での取り組みについて、話題が展開していきます。
    基本的に「持たないことは良いことだ」という側から書かれているので、良い事例を挙げて、その背景を解説する形で記述されています。
    個人生活での「マーホームVS賃貸」論争に対する見解や、”職住接近”などについては、これまでに読んだ書籍でも見られた意見なので、現在の経済情勢を冷静に分析すると、このような結論になるのだなあと、認識しました。
    そして読み始める前に特に注目していたのが、製造業での「持たない」経営についての部分。
    著者が唯一、残すものとしてあげている「ノウハウと現金」の”ノウハウ”をどのように高めていくか、そのノウハウをいかに商品化して売るか。
    本書では詳しく触れられていませんでしたが、現在の製造業ではこの部分が、経営の大きな課題なのだろうなあと感じました。
    最後に書かれているように、「持たない経営」を進めていくと、いわゆる”格差の拡大”等、社会的に大きな影響を与えてしまうということも事実だと思います。
    個人としてどのように取り組んでいくべきか、日本の企業各社がどのように舵取りをしていくか、今後も考え、注目していきたいと思います。

  • 持たないビジネスをするには、誰かが持っているものを借りる。
    国から借りるのか、個人から借りるのか。

    工場、社員を「持たない」ことを選ぶ会社によって、職場を失う人もいる。
    臨時雇用でも採用されれば喜ぶ人もいるし、海外受注より安い金額で請け負うことで、これまでの価格よりも低価格競争になり、結局自分の首をしめるけれど。。安いお金で制作し、ダンピング競争に自らはまっていくものもいる。

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著者プロフィール

1971年4月30日千葉県生まれ。慶應義塾大学卒業後、株式会社ジャパンエナジーに入社。独立後は独自の取材と切り口で、流通ジャーナリスト兼プライスアナリストとして、TVや雑誌などの各メディアで活躍。2012年10月没。

「2013年 『学校では教えてくれないお金の話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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