無花果とムーン

著者 : 桜庭一樹
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年10月20日発売)
3.37
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  • レビュー :177
  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041103210

作品紹介

「あの日、あの瞬間がすべて。時間よ、止まれ」あたし、月夜は18歳。紫の瞳、狼の歯を持つ「もらわれっ子」。ある日、大好きなお兄ちゃんが目の前で、突然死んでしまった。泣くことも、諦めることもできない。すべてがなんだか、遠い-そんな中、年に一度の「UFOフェスティバル」が。そこにやってきた流れ者の男子・密と約。あたしにはどうしても、密がお兄ちゃんに見えて-。少女のかなしみと妄想が世界を塗り替える。そのとき町に起こった奇跡とは。

無花果とムーンの感想・レビュー・書評

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  • あーーー、なんだか凄く好きだなぁ…。
    貰われっ子の月夜と血の繋がっていない兄・奈落の話。大好きなお兄ちゃんを亡くしてしまい、それを心から受け入れられない月夜。兄の死も、自分の想いも受け入れて成長する18歳の夏。
    ありがちなテーマだけれど、それを桜庭さんらしい文章で綴ってあり、登場人物も魅力的でとても良かった。最後の方、少し泣けたし。読み終わって本を閉じて思った。
    あーーー、なんだか凄く好きだなぁ…。

  • 久しぶりの桜庭一樹さん。表紙に魅かれて借りました♪
    盛大にネタバレしているので未読で楽しみな人は読まない方がいいと思いますm(_ _)m


    結構突っ走ってる系のファンタジーでライトノベルぽっくて少し違和感。強烈なネーミングが…すごいです。「赤朽葉家~」程ではないけどね。


    色々なネタが織り込まれているような気がするのは私だけ…?「ぼくのパープル・アイ」→「闇のパープルアイ」を思い起こしたり、舞台とか時代が今よりも前の昭和っぽい気がした。他、「ライ麦畑でつかまえて」とか「スタンド・バイ・ミー」とか「グレートギャツビー」とかも絡んできているような…。ここら辺は詳しくないけど、なんとなく文章の端々から感じる雰囲気があります。(このネタが分かる人達はより一層楽しめると思う)


    月夜は貰われっ子、施設から来たらしいのだが詳しくは謎。(オオカミと人とのハーフ?なのか?)兄、一郎と奈落。あとイチゴ先輩、高梨先輩。不思議なキャラバンからはぐれた密と約。昔の桜庭さんぽくって懐かしい雰囲気。

    何が自分に響くのか…いまいち分からないのだけど、ところどころ泣けるし、鼻の奥がツーンと痛くなる場面が多かった。表紙からも読み取れるけど表情が心ここにあらずの月夜。世界のふちに立ち続けて兄の名を叫ぶ月夜。世界のふちから奈落に落ちてしまった奈落。この二人の恋。


    世界は色々な物が入り混じって、現実非現実、想い、思春期。広がり続けるつらい自我…。(なので部分的に中二くさい)そして待つカタルシス。たぶん思春期の終わり、そして大人への道。


    この世界には二つのタブーが織り込まれている。(血は繋がっていないとはしても→)兄妹愛と同性愛と。それがお互いに反映し合っている不思議なお話でした。


    あとキリル文字?らしきものが、章の合間にはさみこまれていたので一生懸命調べて、解読しようとしたけど無理でしたー。冥王星の記号とかあるから『ぼくを忘れないで』ってメッセージなんだろうかと推測した。

    夏祭りの後の静寂の切なさとか、パレードが終わる頃の寂しさとか、文化祭が終わって最後にフォークダンスで〆る、あのような刹那悲しさを感じた。わびさび。


    誰でもこっそりと持っている、心の奥深くに隠している無花果の葉っぱに触れられたような気がして、病院の待合室であやうく泣きそうになりつつ読みました。ラノベっぽくなければもっと好きだったかも。でも桜庭さんはやはり好き!!

  • 本当に大切なものを失ったとき、人は本当の感情を見失うんじゃないかと思う。そして自分よりも深く悲しみの底に沈んだままの、大切な人がいたら…自分の心を置いておいて、大切な人を救うことにすべてを捧げるだろう。
    兄貴と父の気持ち、イチゴ先輩の意地っ張りな優しさ、剥がせない無花果の葉。
    桜庭さんの描く自分の気持ちを素直に表現できない、他人とずれている違和感を持つ少女のどこか童話のような話がとても好きです。

    くらもちふさこの漫画を思い出しながらずっと読んでいました。
    東京のカサノバ。

  • 桜庭版古事記!

    まぁ兄妹の恋愛とか、死者の帰還、とか、古事記じゃなくても世界の神話にはちょくちょくあるエピソードですが。
    それをまとめて、まとめて、さらにふくらませて、こうなるのだなぁと。

    最近の桜庭さんはちょっと文章がすかすかしているなぁと・・・・骨粗しょう症・・・・・敬遠気味でしたが、今回は、よし。

  • 勢い良く読み終えてしまった。いろいろとぶっとんでる。すごくおもしろいと感じたわけではないけど、なんとなくもう一度読みたい。

  • 内容といい道具立てといい、決して私好みの感じではない。たぶん他の作家さんが書いていたら、さほど興味も惹かれずに「だから何?」とか思いながら半ば義務感で淡々と読み終わって、「うーん、なんか雰囲気はあったけど、それだけかな」っていう感想で★2をつけているであろう。
    それなのに、どうしてここまで心惹かれるんだろう。最初の1ページを読んだ時から、そう思いながらぐいぐい引っ張られるように読んだ。著者の筆力? 私との相性? 切ないような、やるせないような読後感がたまらない。

  • すごく好き。

    18、9歳の、あの何ともいえない不安定な日々と気持ち。切ないような甘いような。

    そして生と死と。

    特に後半は切なくなりました。
    これだから桜庭さんの小説は大好きなんだ。

  • 月夜は血のつながっていない兄の死とその理由を受け止められず、どんどん生と死の境界まで引きずられていく。アーモンド入りのアイスの味は、甘い死の味。最後は月夜をまわりの人たちがひき止める。なんだかんだいってこの世界は優しい。

  • 気がついたら本当にギリギリの場所に立っていて、全ての常識も日常もブッ飛ばしてしまう感覚。
    引き上げられた時の安堵と絶望。

    それでも生きて行く。愛する事。




    そんな感覚を言葉に出来るなんて凄い。大好きな作品です。

  • 10代の自意識過剰っぷりが憎たらしいくらい描かれている物語。
    よくあるストーリーなら、そんな女の子が身内の死によって、周囲の人とのつながりを大事にするように…なんて流れになるけど、そんなことは一切なく、月夜は最後まで自分のことしか考えない(笑)。
    それでも普通の女子なら所属してるグループくらいは大事にするものだけど、こんなに身勝手で今後は大丈夫なの?という感じ。
    読んでて腹立つけど、確かに自分のことばっかり考えてる時代ってあったよね、と昔を思い出してみる。

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