創造力なき日本 アートの現場で蘇る「覚悟」と「継続」 (角川oneテーマ21)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 768
レビュー : 77
  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041103302

作品紹介・あらすじ

世界ではこう戦え。第一線で活躍を続ける著者が生み出した個人の力を最大限に発揮する仕事術とは。

感想・レビュー・書評

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  • 日本を代表する現代美術アーティスト・村上隆氏によるアート業界の今とその業界でどうすれば戦うことができるかといった仕事術が解説されています。とても面白い内容でした。現代美術というとアーティストを目指している人や芸術鑑賞が趣味な人以外にとっては遠い存在のように思えますが、本書で語られているのはビジネスとしての現代アートの現場であって、僕らが普段接しているビジネスの現場とそれほど差がないように思えました。むしろ、多少のルールの違いはあれど、非常に参考に
    なる部分も多いのではないかと思います。全く以て現実主義的です。村上氏の作風が苦手だという声もよく聞くのですが、彼の考え方をよくよく見ていくと、誰よりも現代アートの神髄を捉えているんだということが理解出来ます。むしろ現代美術というもの自体、多くの人が勘違いをしていることに気付かされます。1章の冒頭から面食らうセリフが飛び出しますが、本書で書かれていることはアーティストを目指している人は勿論、多くの若者に必要なことが書かれているのではないかと思います。

  • 現代美術の世界における戦略性を説いた本書。

    現代アートに限らずクリエイティブワークをする人たちはおろか、一般的なビジネスパーソンにだって通じる金言がちりばめられている。

    日常の至る所で感じるクリエイターのエリート意識に(特に美大出身者に多い)、かねてから鼻持ちならないと思っていた私には、とても痛快であると同時に、身が引き締まる思いだった。

    特に最終章の「インターネットは不毛な大地である」という、村上隆とドワンゴ社長の対談が面白かった。
    ただ、これは以前から私も思っていたけれど、コンテンツでお客からお金を取るというのは、インターネットの幻想に過ぎない。グーグルやfadebookでもてはやされたコンテンツフリーで広告収入でもうけるというのは、昔からあるビジネスモデルに過ぎない。テレビだって同じことやってたわけだし。
    だから、自分が作った作品そのものを売って金を稼ぐ村上氏と、ユーザーを獲得してその会費で金を稼ぐドワンゴとは、話がかみ合っているように見えて、実はコアなところでは全くかみ合っていない。

    インターネットの面白さは、個人発信が可能であるというところしかないんじゃないのかなあ。というところを踏まえて、私も何かを発信したいけれど、コンテンツは何かなあ。

  • アート業界で生きていくということはどういう事なのか。。村上隆が世界で勝っている理由とは?

    この本はとあるグループのオフ会で本を贈り合って私の手元に来た本です。
    村上隆は知ってるけれど、アートの世界には詳しくないので私だったらまず手に取らない本です。
    しかし読んでみて面白かったですねー、へー、この人こういう人でこういう考えでアート業界を渡っているのかと。まさに私の知らない世界~でした。

    現代美術っていうのは社会の最下層の人間なんだ、そこからはじめていかないといけない。
    アートの世界でもそうだけれど「描きたいものを自由に書けばいい」って教えられその枠内で創作を続けている人、そういう人たちは結局趣味の域を抜け出せない。
    アート業界で生きていくなら、この世界のルールを1から10まで把握したうえでしっかりとターゲットを絞り、それを打たないと勝てない。

    わー、こういう言葉が出てくるとはびっくり!(だから美術界でオレは嫌われるとご自身言ってますが)
    著者の会社「カイカイキキ」はまさに会社そのもので、言い方悪いけど「社畜」になれ!的な感じですね。。。型にはめてはめてはめてはめるー、THE修行、でしょうか。

    しかし頭のいい人ですね(上から目線でなんですけれども)
    アートと言えば右脳!と結びつけちゃいますが、こういう左脳もしっかり動かしていく人、そういう人じゃないと世界で勝ち残るのは厳しいということかな。

    いやーでも、本の交換しあいっこっていいもんだなーと思った出逢いの1冊でした。

  • 村上隆さんの評価に関しては賛否両論だろう。
    僕は好きです。笑 恐れず、本当のことをずばっと言いぬけるところが!
    なんだかんだ言って、みんな怖くていないことを本質を突いてくるところが好き。

    これまで何冊か彼の本を読んできましたがはっきりいってよくわからなかった。。。
    いわゆる「芸術論」。でも、この本は冒頭で彼が言っている通り「ビジネス論」であり「組織論」を
    語った一冊。

    結局、アートの世界もビジネス。そんなアート業界の「教育論」をそうだよな!と納得しながら
    読める一冊でした。

     ■村上隆とのディスコミュニケーション解決マニュアル(P.86参照)

    これマジうけます。でも、本質だ!

    【気になるひとこと】
    ルールと個性の相関関係
    日本人は全般的に「芸術に説明は必要ない」と決めつけがちです。(確かに!)

  • 死んでからが勝負
    #創造力なき日本 #右脳に刺激プロジェクト

  • まさにアーティストが言いたいこと言ってるっ感じで、読者に媚びない感じが良い。日本全体までスケールを広げて語る必要があったかと思いつつ、一般論として若者論を展開していくなかで、アート界の若者に感じていることを一般化して言っている。

  • 六本木ヒルズで開催されていた村上隆展示会に行ったことで、読もうと思った本。
    展示会では、芸術の中にもルールがあり、ビジネス世界同様にコスト利益、利益率の問題を抱えている。それでも良いものを作り続けなければ、見捨てられてしまう恐怖と戦うこと。

    本文より抜粋
    P.87
    メモの取り方について
    ・指示を聞くときには絶対にメモを取ること
    ・メモは必ず自分の手帳に絞って取ること
    ・毎朝、自分の仕事を始める前には、抱えている仕事をすべてリスト化する。その際に、仕事の量、進行状態を再認識しておくこと。

    指示の確認について
    ・指示の意味がわからなかったら、わかるまで聞き直す。曖昧なままでは決してスタートを切らない。
    ・メールで指示を冗長にリマインドすること。
    ・その仕事が”何のために必要なのか”という最終的な落としどころを確認しておくこと。誰とリンクするとスムーズにいくか、どこまでこだわってやるべきかなどを確認しておけば、進行しやすくなります。

    細心の注意をはらって指示を聞いたとしても、どこかの段階で「これでいいのか?」と不安になった場合はすぐに作業をストップすべきです。そしてその時点で確認し直さなければなりません。
    ただ、その場合にしても、すぐに指示主に聞き直すのではなく、先輩や周りの人間の意見を聞いたうえで”慎重に”再確認すべきです。
    わからないことはそのままにして失敗するよりも、再確認したほうがいいには決まっています。ただし、最初の段階でしっかり確認できていなかったことに原因があるとするならば、そこは反省しなければなりません。だからマニュアルには慎重になるように書かれているわけです。そういう面にまで気が回るようになっていけば、ディスコミュニケーションは回避されるはずです。

    P169
    作家や作品に絶対的な意味を持たせてブランディングして行く方法は、世界のアート史を振り返ってみても、ひとつしかありません。それは”世界で唯一の自分を発見し、その核心を歴史と相対化させつつ発表すること”です。

  • 世界的な芸術家である村上隆が、自身の会社カイカイキキで社員をどのように育て、何を思っているかを書いた本。自由にセンスだけでやっていると思われがちな芸術家だが、ちゃんと枠組みの中でルールを知り、自身の実力や世間的な地位を知り、求められるモノを作ることが重要、ということを言っている。
    個人的には、最後の川上さんとの対談が面白かった

  • 対談が一番おもしろい。近年量産されている新書の典型例みたいな本。フォントが大きく、改行が多用されている。ツイッターなどで言っていることとなんら変わることがない(し、内容はストレートに受け取る人がいたらやばいと思う)。
    過去の村上隆の本の方が面白い。

  • この本を読むまで村上隆という人物のことは知らなかったが、彼は私のイメージにあった「芸術家」とはかけ離れた存在であった。現代アートを作っていく上で求められるのは一般社会とかけ離れた感性ではなく、一般社会でも当たり前とされているビジネスマンと同じ仕事の進め方なのである。その為にクライアントの潜在的要求も満たさねばならぬし、自らを高めるためには常に努力し極限の状態を維持していかなければならない、そういった姿勢というのはアートに関わる者のみならず、企業で働く者たちにも求められる姿勢であるという。その姿勢や覚悟を学べる一冊であった。

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著者プロフィール

村上 隆(学芸部長)

「2014年 『京博が新しくなります』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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