大きな音が聞こえるか

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 783
レビュー : 144
  • Amazon.co.jp ・本 (602ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041103449

作品紹介・あらすじ

八田泳、高校一年生。そこそこ裕福でいわゆる幸せな家庭の息子。帰宅部。唯一の趣味はサーフィン。凪のように平坦な生活に自分を持て余している。だがそんな矢先、泳は製薬会社に勤める叔父がブラジル奥地へ行くと知らされた。さらにアマゾン川の逆流現象=ポロロッカで波に乗れるという情報を聞いて-小さな一滴が大きな波紋を生んでいく、等身大の成長物語。

感想・レビュー・書評

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  • すごく好きな本だった。
    少年の成長物語。
    波乗りの好きな男の子が、自分を見つめることでどんどん変わっていく。
    始め、父親のことを馬鹿にしていた部分もあったが、いろんなことを経験する中で、この父親ってなかなかいいかもとこちらの気持ちも変わっていった。

    人が成長していくのに、どんな道を選んでもいいんだと改めて思った。
    どの道でも、一生懸命歩くことで、最終的に自分の行きたい場所へたどり着くことができるだろう。
    どれを選択してもいい。その道をしっかり歩きさえすれば。

    息子も好きだろうと思うけど、途中、女親から思春期の男の子に勧めるにはちょっと・・・な部分があり、勧めにくいのが難点。
    もちろん、そこもとても大切なシーンだし、しっかり読み取って欲しいところだけど。

    • しをん。さん
      はじめまして。
      紫苑です♪
      この本、表紙がとても素敵で気になってはいたのですが…。
      sorairokujiraさんの温かいレビューを見て、...
      はじめまして。
      紫苑です♪
      この本、表紙がとても素敵で気になってはいたのですが…。
      sorairokujiraさんの温かいレビューを見て、読んでみようと背中を押されました♪
      2013/02/05
  • 坂木作品には珍しい600P越えの長編。しかも
    裕福でごく一般的な現代の高校生男子が主人公。
    その主人公「泳」がアマゾンへ一人で、ポロロッカという
    川の逆流現象によって起る長い波に乗るために向かう...。
    という極シンプルなストーリー。

    賛否あるようですがアマゾンに向かうまでに約半分の
    ページを割いて日本での「泳」の心情を綴っていますが
    この部分があるからこそ、「泳」に今の自分...もしくは
    過去を投影し、後半のクライマックスに気持ちごと
    持っていかれる。瞬発力と正論と体力と素直さ....これらを
    どれだけ持ち合わせているんだろう。作中に登場する
    大人達が「泳」に抱く感情...羨ましいのだ。

    坂木作品故に登場人物は全員がいい人。
    決して厭味じゃなく、これがあるから自分は
    坂木作品が好きなくらいに重要。自分なんかよりも
    もっともっと若い人達が今作を読んだ時に、
    それぞれカッコよく見える大人、自分が近づきたい
    イメージの大人がこうやって作中に登場する事が
    素晴らしい。YAの王道作品なのではないでしょうか。

  • 特に貧しくも裕福でもなく、打ち込む趣味や興味もなく、部活もやらずエスカレーター式の私立高に通うイマドキの高校生の泳(エイ)の青春話。坂木司の本にしては珍らしい。ぬるま湯の生活で腐りたくないと漠然と思いながらもこれといったものが無く似た境遇にある帰宅部友達となんとなくサーフィンやスケボ―をして過ごしていた少年が、年の近い叔父がブラジルに転勤したことから、にわかにアマゾンの逆流現象ポロ口ッカに興味を持ち、旅費かせぎのバイトで世間に触れ、親と向き合うことに。前半はそうして学生生活では会わない大人たちと知り合って自分を見つめ直してゆく様、後半は旅に出て更に視野が広がり固定観念が崩れて成長してゆく様が描かれます。そんなに都合良くいかないでショ!という思いも抱きつつも楽しく読了。ブラジルのべレンの描写がどの程度リアルなのかは良くわからない。断斤的に出てくるだけだしも少し全体像を!と思うのは無理だけれど、その点だけちょっと徴妙かもしれない。

  • 読み終わるのがもったいなくて、ゆっくりゆっくり読んだ。
    大きな音、私にもきこえるといいな。

  • ドキドキした。
    かつて独りで日本中をバイクで旅していた頃の自分を思い出して。
    旅は人を大人にする。

    主人公の泳は恵まれた高校生だ。
    だからこそ日々に退屈しているし刺激を求めている。
    でも、刺激っていうのは自分で作り出すモノ。
    かわいい子には旅をさせろと言うけれど
    この言葉が丸ごと当てはまる作品だ。

    もう一度言う。
    旅は人を大人にする。
    PCにしがみ付いている若者よ、旅に出よ。
    どこでもいい。
    そこにはあなたが求めているモノがきっとある。
    この作品を読んで、歳はとったけれどまた旅に出たくなった。

  • もうもう胸がキュウウウウウンっと熱くなったり切なくなったり。

    悪い子じゃないけど、特にやりたいこともなくダラダラと日々を過ごしていた高校生のエイくんが、やりたいことを見つけて、そのやりたいことに近づくために頑張って、やり遂げて、そしてそのあとの興奮や何やかんや。

    「楽しんでるよ。違う景色が見えたよ。だってほら、自分が進む先に果てが見えない。」
    「時間はずっと続いていて、さっきと今はつながっている。なのにあの日が、どかんと離れた遠い所みたいな気がするのは、なんでだろう。
    俺は俺なのに。」

    坂木さんの物語は、人の良い側面を照らし出す内容で、いつも心地よく、気持ちいいですね。

  • 「腐りたくない」と思う少年の青春物語。
    自分にもそんな時期があったんだろうな。
    今は周りの大人の気持ちの方がよくわかる。
    でも、男の子は外に出て大人になるんだね。

  • 諸々上手いこと行き過ぎやんけー!
    旅の様子は面白かったけど、こちらの気分は今イチ乗りきれず。
    最後まで主人公を好きになれなかった…残念。

  • 初めはダラダラと「ふーん。」てな感じに読み進めてたけど…
    半ばから後半にかけて、主人公が動きだしたあたりからは夢中で読破。本当、サーフィンの波みたいでした。緩やかで断続的な波から突発的にくる大きな波がわっ!!とせり上がって砕けてくまでのあの感じ!!読み終わった後の興奮した余韻がハンパない!!旅に出たい!!って衝動と、羨ましい気分に苛まれます。(笑
    あと、サーフィン繋がりでチーム・ジリオンのサーファー2人とロブ・マチャドがリンクして「似てんな〜」って思ってました。

  • このままだと腐ってしまう。
    「何もない」日常から「何か」を見つけ、高校生・泳は、ブラジル、ポロロッカに「乗る」ことを決める。

    青春ですな…。
    泳の悩みは贅沢だとは想うが、まあわからんでもない。
    友人の二階堂と山下が良かったなあ。

    「アマゾンの蚊は、半端ねぇ。」

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著者プロフィール

1969年東京都生まれ。2002年『青空の卵』で<覆面作家>としてデビュー。続く「ひきこもり探偵」シリーズとして人気を得る。ナイーヴで魅力的な人間像、緻密に描かれ、爽快に解かれる日常の不思議とこころの謎が圧倒的な支持を集めている。13年『和菓子のアン』で第2回静岡書店大賞・映像化したい文庫部門大賞を受賞。他の著作に『ワーキング・ホリデー』『ホテルジューシー』『大きな音が聞こえるか』『僕と先生』『肉小説集』『女子的生活』などがある。

「2017年 『鶏小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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