RDG6 レッドデータガール 星降る夜に願うこと (カドカワ銀のさじシリーズ)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
4.20
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本棚登録 : 1716
感想 : 299
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041103487

作品紹介・あらすじ

泉水子は"戦国学園祭"で能力を顕現させた。影の生徒会長・村上穂高は、世界遺産候補となる学園トップを泉水子と判定するが、陰陽師を代表する高柳は、異議をとなえる。そして、IUCN(国際自然保護連合)は、人間を救済する人間の世界遺産を見つけだすため、泉水子に働きかけ始めた!?泉水子と深行は、だれも思いつかない道のりへ踏みだす。姫神による人類滅亡の未来を救うことはできるのか-。ついにRDGシリーズ、完結。

感想・レビュー・書評

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  • ああ! 星の数ほどある「まだ知らないこと」を
    深行に手を引かれ、これから泉水子は知っていくのね♪
    最後の頁で、きゅんきゅんゲージの針が振り切れました。

    序盤ではツン95%、デレ5%と完全にツンが突出したツンデレ少年だった深行、
    有り余るツンは、泉水子を救おうと駆け付けた異次元にかなぐり捨ててきた模様です。

    ついに来てしまったRDG最終巻。
    5巻までずっと、俯いていたり視線を逸らしていたりと、心細そうな風情だった泉水子が
    6巻の表紙では意志をしっかりと宿した瞳でこちらを見つめているのにドキッとして。
    さすがは酒井駒子さん♪

    玉倉山の奥に閉じこもり、大人の手厚い保護を受けるばかりだった、あの泉水子が
    敵対する陰陽師や他の組織だけでなく、守り続けてくれた山伏たちも含めて
    大人の世界の胡散臭さに気づき、真意を見極めようとするまでに成長するとは。
    うんうん、大きくなったねぇ、と、感慨に耽ってしまいます。

    ヒロインがこんなに人見知りの隠れたがりでいいの?!と読者に心配させておいて
    敢えて積極的に身を隠し、他人の研究材料にされないために自分自身を研究し
    進学することで身を守り、力を蓄える猶予期間を延ばす、という道を
    泉水子に選ばせる荻原さん。

    その発想の大胆さからは
    今いる場所が辛かったら、上手に隠れてみてもいいんだよ。
    別の場所をみつけて、逃げて、強くなる時間を稼ぐ道もあるんだよ。
    と、若い読者に訴える声が聞こえてくるようで、うれしくて。

    深行や仲間たちと一緒に、新たな可能性を探りながら未来を目指す泉水子の姿が
    光と闇の配分が変わり続ける世界の中で、座標を固定することなく
    繰り返し調整しながら生きることのしなやかさを教えてくれる、RDG全6巻。
    4月からのアニメ化を追い風に、
    この本を手に取ってくれる人がもっともっと増えますように!

    • tiaraさん
      すごいいいレビュー!
      お花10個くらいつけたいです!!
      すごいいいレビュー!
      お花10個くらいつけたいです!!
      2013/03/09
    • まろんさん
      tiaraさん☆

      まあ!なんとうれしいお言葉!
      猫の額ほどの庭ですが、やっとクロッカスが咲き始めたので
      その黄色い花を見るたびに、tiar...
      tiaraさん☆

      まあ!なんとうれしいお言葉!
      猫の額ほどの庭ですが、やっとクロッカスが咲き始めたので
      その黄色い花を見るたびに、tiaraさんの「お花10個」を思い出して
      うれしさを反芻することにします♪
      RDG、未来をやわらかく見つめるところで終わったのがとても素敵でしたね(*'-')フフ♪
      2013/03/11
  • 完結編。
    え、次で終わり?と知ったときにはびっくり。
    ちょっと気になっていた設定を次々に解決するというか、方向性はちゃんと示して行って、ぱたぱたと終わりました。
    なるほどねえ‥

    特殊能力の子を集めた学園での<戦国学園祭>で、鈴原泉水子は能力を顕現させた。
    その存在は一般の生徒にもじわりと印象付けられる。
    影の生徒会長・村上穂高は、泉水子を世界遺産候補となる学園トップとして判定。
    ところが、陰陽師を代表する高柳一条は、これに異議を唱えます。

    もう一度、どちらの力が上か、対決することになりました。
    往生際が悪い?高柳の理屈に、泉水子は考えをめぐらせ、トップは高柳ということにしておくという提案をします。
    泉水子の望みは、普通の高校生活を送ることだったから。
    成績アップを目指して試験勉強に取り組み、苦手科目を相楽深行に教えてもらうことに。

    深行はツンデレというか、いまだにデレはまったくないんですが、泉水子と一緒に考えていこうという真剣な姿勢。
    そんな彼の気持ちをつかみきれず、心細い泉水子。
    クリスマス・パーティーに用意したワンピースは着ることもできず、目立たないようにトナカイの着ぐるみに身を隠した泉水子はさびしい気持ちになる。
    海外から来ている要人に目をつけられないようにという大きな目的のためなのだけど、少女のささやかな願いや悲しみが微笑ましい。
    別な機会に、深行や真響と遊ぶ予定にしていたところを‥?!

    泉水子の危機にかけつける深行。
    ふっふっふ、そう来なくちゃ。
    泉水子の母も、これまでよりは事情を説明してくれるのでした。

    広げた設定が展開しきれずに終わった印象があり、ちょっとこれっきりというのは惜しい感じがしますね。
    基本的には児童書だし、すっかり大人になってからの話までは読みたいと思わないけれども。もう少し具体的に成長してもいいのでは。
    作者自身に迷いがあるのか? 「続きを書いても書かなくても」という意味深なあとがき。
    とりあえず、お疲れ様でした☆
    これまで楽しませてもらいましたよ、大人も!

  • 完結巻…!!
    ということで、ガツガツ読んで、ムキャーッとなって、少し落ち着いた時点で書いています。
    正直な感想としては、『これはいい!』てのと『ちょっとな…』てのと、両方感じた完結巻でした。

    先にちょっと残念なのは、『はじまりのおわり』状態なので、あんまり解決になっていないような気がすること。でもたぶん、これは泉水子ちゃん(と深行)の成長譚だからこれはこれで終わりの形なのかもな、とは思いました。ただ、とにかく続きが読みたい。先が知りたい。せめて結末だけでも…!とものすごく思います。あと、怒濤すぎて結果的にみんなの影がちょっと薄かったのも残念でした。私は登場人物では泉水子ちゃんと和宮が好きなんですけど、和宮おいしいとこは持って行きましたが影薄すぎた…

    良かったのは、高柳登場人物紹介に出られて良かったね、ってのと(笑)、主人公二人についてよかったよかった、というのと、あと学校のあり方がなんかご都合主義かもしれないけど私の好きな結末でした。学校のことだけで終わればあるいは大団円だったけど、そのあとの話まで入っていたのは私は好きでした。そのおかげでみんなの影の薄さは際立ってますが、でも泉水子ちゃん(と深行)の話としては、あそこまでで『はじまりのおわり』かなって思います。

    思った以上にうまく感想が書けませんが、とりあえず言えるのは、とても面白かった!というのと、終わるな!というのかなと思います。続くよね?続いてくれよ…

  • とっても希望あるラストに感激!
    深行のお陰でどんどん強くなっていく和泉子がかわいくて愛しくてー。
    こんな風に、我が娘も素敵な友達に囲まれて、助け合って生きてほしいな。まだ読みかけの彼女に早くラストまで読んでもらいたい!
    陰陽師やら式神、姫神、山伏、日本古来の訳のんからないものたちを背負った彼らも、現代にいて、一人の女の子、やんちゃな少年として描かれる様もとても好感もてます。

    私は大好きな酒井駒子さんの表紙絵にひかれて読み始めたので、あとがきに酒井さんへの感謝の言葉が あったこと、本当に嬉しく思いました。この儚げな和泉子と共に6巻まで読み切りました!ありがとう和泉子ちゃん♪

  • おぉ~~、長い長い物語がついに最終巻に???(*^_^*)

    前巻で、無事、戦国学園祭を終え、秘めた能力を表し始めた泉水子。
    そもそも、鳳城学園はなんのために創設されたのか、が明かされ、
    そこに姫神と人類滅亡の関連性も語られる・・・。

    泉水子の引っ込み思案さは、よくあるタイプの、無駄に謙虚でじれったい女の子、というパターンを超えた必然性を感じていたのだけど、ここにきて、それはそれでアリだよね、と。

    彼女が術を展開する場面の緩さが、なんか妙にしっくりきて好きでした。
    そして、これまでにも出てきているんだけど、陰陽師の家系、忍者の家系、山伏の家系、などと、一見、接点を持たない潮流が一同に会する面白さ。

    これは、泉水子の始まりの物語、なのだそうです。
    そうですね、ホント、これから、なのだもの。
    続きが出るのを楽しみに待つことにします。

  • まずはじめに。深行くんおめでとう!!
    泉水子ちゃんもちゃんと気持ち伝えられて、本当に良かった・・・!

    和製ファンタジーという、私にとっては新鮮な要素もさることながら、
    一人の女の子の成長物語として、とても楽しめました。

    紫子さんと泉水子の会話が印象的。
    今読んでも感慨深いのだから、もし小学6年生のころにこの本と出会っていたら、どうなっていたんだろう。
    雪政さんの手紙に「最初で最後のクリスマスプレゼント」とあったのも気になりました。泉水子と紫子さんがゆっくりと話ができるのもこれが最後だったのかな?・・・とやたら深読みしてしまったり。

    あと、「泉水子」という名前にも意味があったのがわかりました。
    「深行」にも何か、こめられた意味があるのかなあ。
    深行くんの存在が新しいというのもなかなかの衝撃でした。
    二人の物語自体がRDGの世界でも特別なものなんですね。

    終わり方も個人的に大好きです・・・!
    締めの文が良かったですよね。泉水子ちゃん、深行くんにいったいどんなことされたんでしょうね。
    今までの深行くんの空振りっぷりを思い返すと胸が熱くなります・・。まあ深行くんのアプローチに気づかない天然っぷりが、泉水子ちゃんの魅力のひとつではあるんですが。本当に良かったね。
    二人とも本当に愛おしくて、新しいお話が見られないかもしれないと思うとさみしいです・・・
    短編が出たらいいなと思います。


    ここに書いても伝わらないかもしれませんが、荻原先生、素敵な物語を本当にありがとうございました。

  • rdg6巻が11月29日に発売だそうです(●^o^●)

    遂に、最終巻!
    泉水子と深行はどのような道を選ぶのか…。

    ----------------------------------------------------------------

    前の巻の戦国のお祭りから少したち、今回はクリスマスのお話。
    そして、姫神についてのことも…。
    最後は、中途半端に終わってしまったので何とも言えないかな…。
    ハッピーエンドでよかった

  • 何一つとして泉子を取り巻くものは解決してないのだけど、この6巻を踏まえてもう一度読むとまた違った印象。
    泉子の成長譚というよりは、深行の恋物語を見守る感じ。本当の主役は深行なんじゃないかなー。

  • 想いを自覚している泉水子。今回は深行への想いが募っていくのがよくわかる。高柳との再決着やクリスマス会とか、イベント目白押しではありましたが、やはりクライマックス。「深行くんといっしょにいたいよ」は前回の保留にしていた答えですしね。てか、このシーンをアニメで観たかったと切実に思いました。二人が山伏組織に感じた不信も、この年頃ならありだと思いますし、大人のやり方を疑ってかかるそういう時期だと思う。でも、泉水子も自分の未来や周りの人を信じよういうところでこの物語が結ぶのはこれが泉水子の内面の成長を描いたからだと。
    だから、今度は伏線を回収する外伝という名の完結編が読みたいわけで(笑)

  • 面白かったです。本作が完結編ですが、泉水子ちゃんと深行くんのこれからの方向性が見えてきた段階。できることなら二人のこれからのお話も読みたいです。

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著者プロフィール

荻原規子・東京生まれ。早稲田大学卒。『空色勾玉』でデビュー。以来、ファンタジー作家として活躍。2006年『風神秘抄』(徳間書店)で小学館児童出版文化賞、産経児童出版文化賞(JR賞)、日本児童文学者協会賞を受賞。著作に「西の良き魔女」シリーズ、「RDGレッドデータガール」シリーズ(KADOKAWA)『あまねく神竜住まう国』(徳間書店)「荻原規子の源氏物語」完訳シリーズ(理論社)、他多数。

「2021年 『エチュード春一番 第三曲 幻想組曲 [狼]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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