「心の時代」にモノを売る方法 変わりゆく消費者の欲求とビジネスの未来 (角川oneテーマ21)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041103531

作品紹介・あらすじ

なぜあの商品、サービスだけが売り上げを伸ばすのか?売り上げ低迷の解決策と将来予測。

感想・レビュー・書評

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  • 面白い。

    2つの流れがあるというところで、
    工業社会的な価値を否定するのでなく、違う流れを提唱。
    それに対する事例や考えは示唆に富む。

    本書が2012年ということだが、ユニークな取組みが刺さるみたいな短絡的なことでなく、商売やビジネスに何が詰まっているか。おそらくそれが嬉しさやワクワクといってもいいが、世界観や物語というものを売っていることになるんだろうと感じた。

    オリジナルやオンリーワンみたいになれということではなく、結果的に現場とメタ思考を繰り返すと、つまり顧客が嬉しく、自分も楽しいというところをつめると、こうなっていくだろうなあということでかなり参考になった。

  • 事例が汎用性が無いような気がする。小さい市場でしかこの理論は通用しないのかな?

  • p11
    起こった出来事を分析したものと、計画的に引き起こしたものとは大きく異なる。そして今重要なことは、正確な理解の上に立ち、「いつも起こせる」ようになることだ。
    p39
    現代の消費者が喜んでお金を支払う「価値」がある。その価値とは、「心の豊かさ」と「毎日の精神的充足感」である。
    p43
    現代の消費者の欲求も実に明快だ。それはたったひとつ、「心の豊かさを求め、毎日の生活を精神的に充実させ楽しみたい」のである。
    p48
    現在店長は商品を二種類に分けて考えている。特売と定番とかではなく、「生活必需品」と「心を豊かにする商品」である。
    p49
    心を豊かにする商品はただ棚に置いておくだけでは売れないが、あれこれ考え、点灯せその価値を伝えるとよく売れるという。
    p57
    「贈与と交換」の経済、「社交と商業」の経済の特徴とは、
    ①一回ごとの試みによって(お客さんに喜ばれるかどうかが)模索される。
    ②常に需要のないところに新しく需要を作り出す。
    ③あらかじめ需要は予測され得ない。
    p61
    つまり、需要のないところに需要を創ったのだ。
    噛み砕いて言えば、頼まれてもいないことをやったのである。
    p64
    現代は心の時代が到来し、もうひとつの経済が主流となる、二百年ぶりの主役交代の劇的な時期なのだ。
    p78
    社会のもろもろの現象は、いわゆる複雑性のシステムによって起こっている。要素がひとつ変わると、全体に影響を及ぼし、それがまたほかの要素に影響する。
    p80
    蛇口をほしがってはいけない。
    p90
    新しい消費社会においては、「常に需要のないところに新しく需要を創りださねばならない」
    p99
    消費の志向が「モノからコトへ」と変われば、それだけモノも売れるようになるのである。
    つまり、「コトの中にモノを埋め込む」
    p120
    今、彼女たちの評価は、「安い」とか「高級」とかではなく、「わかってる」という基準でくだされているのだ。
    p121
    現代の消費者は飢えている。そして、「わかってる」と感じる相手を切望しているのだ。
    p124
    ビジネスは「便利」をもたらす挑戦から、「嬉しい」を生み出す冒険になったのである。
    p127
    あなたの会社がサプライチェーンのどこにいようとも、最後はみなエンドユーザー、つまり消費者の「嬉しい」を生み出すためにある。
    p136
    どうでもいいところにぬかりがない。
    p142
    重要なことは、とにかく顧客を作ることだ。どのくらいの絆の深さで、何人の顧客を持つことが出来るか。
    p149
    「買いに来た人が誰であれ、その人の求めるものを売ることが命題」であれば、必然的に品ぞろえは、特定の商品カテゴリにおいて広がっていく。
    新基準の品ぞろえは、総じて言えば「どんなことが嬉しいか」という基準である。
    p173
    今売れているものをジャンル不問でかき集めても、ここでいう新しいビジネスの姿にはならない。
    p176
    物語という新しい販促要素があるわけではない。世界観が売られるとき、そこに必然的に物語が付随してくるのである。
    p179
    心の豊かさ消費の特徴の一つは、お客さんも何が買いたいのかがわからにことにある。心の豊かさ、それさえ得られればそれでよいのである。
    p185
    私に言わせれば、店頭に置いていなければならない商品は、すでに限られたものしかない。ゆえに店頭に常に商品が並んでいる必然性は、考え直してみる必要がある。
    p197
    複雑性のシステムの際立った特徴に、「目の前の現象が起こる原因は、その近くにはない」というものがある。
    p201
    三つ目は、パターンをとらえモデル化できる感性を磨くことだ。これを「モデリング」という。
    p206
    すべては人の動機に始まり、意思決定があって、行動がある、その視点で事象を見ることだ。「人にフォーカスする」といっている。

  • ○小阪氏の著作。
    ○消費社会からポスト消費社会への移行にいかに対応していけるかが、今後の企業の躍進・衰退につながるポイントであるという点を指摘している。
    ○内容や分析はもっともらしいが、成功例としてあげられている企業や事例に幅が無く、同じ例を何度も取り上げていた点が、残念。

  • 今、人々の消費の形態が 大量生産大量消費の時代から変わってきたのではないか、という自分の考えを、うまく表現してくれた本。 しかし、最後の方の、業種分類は消滅するはまだイメージできなかった。メタ思考とベタ思考、身につけていきたい。

  • having→doing→beingの時代へ。
    売り方に物語あり。
    んー!うまく掴めなかった!

  • 以前に買って本棚で眠っていたこちらを取り出し、読了。
    小阪裕司さんの著書からはいつも気づきと元気をいただきます。よい本です。オススメ。

  • なかなか面白かった。後でちゃんとレビュー書こう

  • 全体としては流通、小売業に向けた記載の印象。メーカーのモノづくりへ適用するとすれば、小売というお客様に、メーカーの世界観、共感者になってもらうにはどうするかを考えること。後半息切れ気味か。

  • これまで小阪さんの話は雑誌で断片的にしか知らなかったので、入門編ということでざっくり知るには最適な新書でした。

    考えるだけでも現場脳だけでもダメだし、「嬉しい」とか「わかってる」というすぐには見つからないものを探していかねばと思うと、大変な世の中だけど面白いなと思ったり。
    まだまだやれることはたくさんありそうです。仕掛ける方もワクワクしないと!

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著者プロフィール

オラクルひと・しくみ研究所代表

「2022年 『「価格上昇」時代のマーケティング』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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