閃光スクランブル

  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041103708

作品紹介・あらすじ

5人組の女性アイドルグループ、MORSEのメンバー・亜希子は、年の離れたスター俳優の尾久田と不倫関係にある。パパラッチの巧は、ゲームに熱中するかのように亜希子のスクープを狙っていた。

MORSEに押し寄せる世代交代の波に自分を失いかけている亜希子と、最愛の妻を失くして、空虚から逃れられない巧。最悪と思われた出逢いは思いがけない逃避行となって…。夜7時、渋谷スクランブル交差点、瞬く光の渦が2人を包み込む―。

感想・レビュー・書評

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  • アイドルとパパラッチ。2人の視点から物語が進む構成。登場人物たちが、それぞれのしがらみの中で少しずつ歪んでいて、それでも生きている感じが生々しかった。

    作中に出てくる音楽や映画、香水など、ほとんどわからないものばかりで、知っていたらもっと面白く読めるのかもしれないと思った。
    他にも花や星座、いろんなモチーフがあって、小説というより文学作品に近いような印象を受けた。

  • ものすごく興味があった。
    NEWSの加藤くんが書いた小説ってどんなだろう、と。
    一冊目が話題になるのは
    至極当然のなりゆきだろうけれど
    二冊目も出たということは
    それなりに期待してもいいんだよねと思った。
    ・・・くせに、甘くみてました。(苦笑)

    アイドルだったり、カメラマンだったり、
    それは自分がみている世界を描いているの?とどうしても思ってしまう。
    そのせいか現実感が増す。

    アイドルでいる気持ち、恋の隠し方、気持ちのよりどころ。
    違う場所にいるわたしにも伝わってくる。

    わかりあえる人がどこにいるのかはわからない。
    見つかってもいなくなってしまうことだってある。
    それでもまた出会えるといい。
    わかりあえる人がいるかいないかで
    日々の穏やかさは確実に変わるんじゃないかと思うのだ。

    • だいさん
      >ものすごく興味があった。

      いくつかレビューを拝見しました。
      ストレートな、感情の書き出しが、魅力的ですね。
      >ものすごく興味があった。

      いくつかレビューを拝見しました。
      ストレートな、感情の書き出しが、魅力的ですね。
      2013/10/07
    • macamiさん
      ☆ だいさん

      レビューを読んでくださり、コメントまで
      ありがとうございます。
      ☆ だいさん

      レビューを読んでくださり、コメントまで
      ありがとうございます。
      2013/10/14
  • NEWSシゲさんの小説二作目。

    書くうちに段々筆力をあげていった前作と違って、今回は最初から安定してますね。
    てゆーか、語彙が増えましたね!びっくりした!

    ゆったりと写真を現像する主人公の冗長なくらいの描写から始まって、格闘シーンや主人公二人の逃避行、クライマックスのスクランブル交差点でのゲリラ撮影、復帰した亜希子のライブシーンとドラマチックに、エンタメ要素たっぷりにお話が進みます。
    ラストは冒頭の自分の部屋に戻って、お部屋に飾られた写真、背中のタトゥーの描写があって静かにお話が閉じる。

    やっぱりシゲさんは小説と言うよりは映画寄りで作品を作っているのかなあ、という印象を受けたお話でした。
    こんなに静かに始まるエンタメ作品なかなかないもの。
    シゲの場合はそれが全くマイナスにならないんだけど。

    というわけで、今作も面白かったけど、エンタメ要素を重視してちょっと軽くなったかねえ…。
    格闘シーンとか、別に入れなくても良かったのに。
    若いファンの子が読むにはちょうど良いのかもしれんが、私はもっと重苦しくて良いかなあ。

    とはいえ二作目でここまで仕上げてくるとは想像以上期待以上。
    NEWSの活動もこなしながらこれだけの作品書けるって、本当すごいですよ、シゲアキ。
    渋谷サーガ第三弾にも期待してます。

  • 加藤シゲアキさんの本の中で一番好きな作品。終盤は本当に感動した。登場人物の孤独さや美しさが耽美的に描かれている。芸能界の裏を見ているようで最初から最後まで本当に楽しめた。

  • 前作も「意外」と思いましたが、うまいんですよね、文章が。
    そしてアイドルであることの強みも活かしている。
    知識も豊富だし活かせるものはみな叩き込んでいる感じがします。

    構成に「ん?」と思うところはありますが、読まされてしまいます。
    どう締めるのかなこの話、と思っていたので締めがちょっと
    あっさり駆け足でまとめた感がありますが、それは作者がそう
    狙ったのでしょうね。

    全体的におしゃれなんだなぁ。若いなぁ。タイトルかっこいいなぁ。
    加藤シゲアキそのものという感じだなぁ。ファンではないんだけれども。

    今後の作家・加藤シゲアキに更に期待。

  • 人から勧められて手にした本。
    全体的にいい意味で若い感じ。
    発展途上で、著者の次回作に期待してしまうような魅力を感じる作品だった。

    前半に比べて、後半の話をもっと重点的に書いてほしかった。
    なんだか急展開過ぎて、いい設定の後半がもったいない!

    このような話を現役アイドルが書いているっていうのも、なんだか不思議。

  • 作家として見るなら面白くない。
    芸能人が書いたとして見るなら凄いと思う。

  • 面白かった!
    最初から最後まで、ノンストップ。2人どうなっちゃうの?ドキドキハラハラ。一気に読み終えてしまいました。

  • 〈うっすらネタバレ〉

    ぐっと目をひく装丁と、読みはじめの章で、すでに仕掛けが回りはじめているのだと。無声映画のような、静かな世界。止まった空気。たまらない空虚感に引き込まれながら読み進めると、だんだん空気が動いていく。登場人物たちの言葉や、描写されている音楽で。
    しかしそれでもなにかが足りない。それは何なのか。クライマックスで明らかになったときには、そうか!と思わず大きく頷いた。確かに、作品としてよく考えられている。終章は音も色も豊かに描写されている。表現力のある著者だなあと。
    今作も前作も、光や色を象徴的なアイテムとして用いる著者だからなのか、読んでいて映像として鮮明なイメージが浮かび上がる。かといって題材上映画にはできないでしょう。そんな点で小説の可能性の広がりも感じさせる。

  • 面白かった。
    読み終わってすぐの感想はその一言につきる。
    くらもちふさこさんの初期の頃の作品に似た雰囲気を感じたが、現役アイドルという強みはいかんなく発揮されていると思う。
    月並みな言い方になるが、「心の傷は誰にもわからない」ものなのだなあと改めて思う。
    ジャックオランタンは私にもいる。なにかしようとすると必ず私の耳元で「おまえにそんな価値があるのか?」とささやく。
    だからラストで亜希子がジャックの言葉を振り切ったとき、ぞくっとした。
    「覚悟」。なんて重い強い言葉だろう。そしてなんて美しい姿勢なのだろう。
    自分を貶めることで苦しみから目をそらしていた巧も、やがて新しい一歩を踏み出す。どんなときも、胸を張って新しい一歩を踏み出す人の姿は輝いている。

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著者プロフィール

1987年生まれ、大阪府出身。青山学院大学法学部卒。NEWS のメンバーとして活動しながら、2012年1月に『ピンクとグレー』で作家デビュー。以降『閃光スクランブル』、『Burn.-バーン-』、『傘をもたない蟻たちは』、『チュベローズで待ってる(AGE22・AGE32)』 とヒット作を生み出し続ける。2020年刊行の『オルタネート』で、21年に第164回直木三十五賞候補、第42回吉川英治文学新人賞受賞、第18回本屋大賞第8位、第8回高校生直木賞受賞。アイドルと作家の両立が話題を呼んでいる。

「2022年 『1と0と加藤シゲアキ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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