- Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041103739
作品紹介・あらすじ
小学五年生の重森昇治は小笠原行きの船に乗った。父親が自殺し、母親に恋人が出来たのだ。南の島で昇治を迎えたのは、エーブという若々しく格好いい老人だった。彼の店『ジュークボックス・カフェ』に集まるのは、ジェセ、ナサ爺といった元気でにぎやかな老人たち。やがて、冷たい目をした少女・加絵と出会う。加絵は一緒に島に来た父親について「自殺しそうなんだ」と語る。エーブと昇治は加絵親子を誘い、月を見るために中央山に登る。すると、山頂である「奇跡」が起き…。
感想・レビュー・書評
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ものすごいスピードで読み終えた。
よくない意味で。 -
母に捨てられたのかもしれないと思いながら
小笠原島にやってきた昇治。
迎え入れてくれたのはカフェを営む若々しい老人エーブ。
彼の友人達との交流や、冷たい瞳の少女との出逢い。
たった数日の物語なんだけど
ガラッと全てが変わっていく様が見事。
【図書館・初読・11/15読了】 -
父が自殺して母に恋人ができた昇治は、小笠原でカフェをしているエーブという老人に預けられ、小笠原で父が自殺すると信じている加絵というひとつ年上の少女と出会う。昇治はエーブや彼の友人の漁師たちとも仲良くなり、夜に虹を見ると奇跡が起こるという話を聞かされる。ヘミングウェイの『老人と海』を彷彿させる場面もなかなか面白い。水戸黄門のように想定通りストーリーは進むけれど、後半は気持ちのいい涙を流すことになる。
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時々でも読み続けていきたい川上健一作品。こんな風に思っても「何かが違う」と離れてしまい読めなくなってしまった作家も。立男は、舞台を外国にするような小賢しさを感じるともういけない…宮本輝も昔は良かったのに。
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小学5年生の少年が父島で成長していく。大人の友達、少女、月の虹、奇跡と色んなことが優しく書かれている。
2013.3.1 -
これまで読んだ川上作品の中で文句なしの一番!
小笠原の美しい海と空、風と光がいっぱいに詰め込まれた少年小説だ。
出会いと別れ、そして少年少女と老人たちの年齢を越えた友情、さらには奇跡を起こす自然現象。小笠原に暮らす人々のフレンドリーな雰囲気と自然が、小笠原へ一人送り込まれた少年・昇治の過ごす数日間をかけがえのない思い出に変えていく。
面白くて面白くて、最後の最後まで夢中で読み通した。人の優しさを感じたい人に、お勧めの一冊だ。 -
母に捨てられたと思いながら、小笠原の知人に預けられた少年は、虹の奇跡を体験、大人たちと触れ合い成長して行く。昇治、加絵、エーブにそれぞれドラマがあり泣けてしまった。皆ハッピーエンドで良かった。
著者プロフィール
川上健一の作品





