ティンホイッスル

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.24
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本棚登録 : 107
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041103746

作品紹介・あらすじ

情熱を失ったマネジャー。復活に賭ける女優と、舞台に招かれる元女優。三人の"運と運命"をわけるものはなにか?初めてあの音を聴いた時、触れたことのない場所に触れられたようだった-。大崎藍子(38)は芸能事務所のマネジャーとして、忙しい日々を送っていた。今日も担当の河野みさき(40)のわがままのため、地方ロケに急遽、参加することに。人気の下落から焦るみさきと対照的に、藍子の仕事への情熱は磨耗していた。そんな中、藍子の耳に一つの音が飛び込む-。選択に惑う人へ-。芸能界を題材に描かれる、"再起"のストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすくてサラっと読了♪でも正月に読む本としては、やや重めかな(--;)芸能界に関わる女性の心の変化が淡々と語られている。自分で道を選んでも、運命に翻弄されても不安や不満は出てくるから、終わった事は整理して、次に進まねば!Σd(・∀・´)

  • 舞台は芸能界。女優のマネジャーをしている主人公は、「売れる!」と見込んだ人材を育て輝かせるまでが充実していて、売れてしまうと興味を失ってしまうという女性。売れるまで熱心に支えるのにうれたら手を離してしまう自分は、他人の人生を変えてしまってきたのでは?考えるようになって…。

    女優でもある作者が書いているので、映画制作の現場やスタッフの雰囲気もきっと本物に近いのかな?と想像。
    それにしてもどの人物にも癖があって、物語なのに100%善人キャラが殆ど出てこない。それが自然なのかもしれないが。

  • ぼくたちはみんな欠陥品。完成した人格者などいやしない。欠けたピースがわかっていても埋められない人がほとんど。
    ……だけど生きていかなくちゃ。それでも生きていると結構いいことあるかも,……ってお話。
    もっと時間をかけて作りこめば,傑作になったと思います。でも今のままでも十分に”伝わり”ます。
    ホントは☆4つだけど,すきなので満点星。

  • 誰に主をおいているかイマイチわからなかった

  • やはり女優をやっていたからかな。
    撮影現場の見えない空気感がよく表現されていた。
    登場人物のキャラクターの描かれ方も素晴しかった。

  • シングルマザーの女優と女性マネージャー、そこに元女優のこれまたシングルマザーが登場。誰が主役で、何が伝えたいのかいまいちわからないまま読了。題名になっているホイッスルもあまり活きてない。

  • タレントのマネジャーをしている大崎藍子、女優の河野みさき、かつて女優をしていた片山愛の3人の物語。偶然に再会を果たした3人の人生はおもわぬ方向へ動き出します。誰でも一度は自分の人生がこれで良いのかと感じたことがあるはず。3人が進む道に迷いながら、最後は自分なりの結論を出す姿に共感し、元気をもらえる一冊です。

  • 昔女優さんだった人が書いた本です。
    結構きちんとしたお話でした。

  • 女優さんとマネージャーが主人公ということで作者の顔もチラチラしましたが、普通に読めます。内容的には少し抑えられたトーンが物足りなかったかな。

  • 芸能界の裏表についてや、浮き沈みの激しい芸能界のお話は耳にします。芸人でいうならば、一発芸でブレイクしてもすぐに売れなくなったりとか、ドラマに出ていた役者がいつの間にか、テレビにでなくなったりとか。

    この作品は、芸能界の厳しさを描きながらも再起をかける役者志願の女性とその女性を見出したマネージャーの物語でした。

    芸能マネージャーの大崎藍子は、わがままな美人女優河野みさきの担当で、目の回るような忙しさの日々をおくっていました。地方のロケ地に行ったとき、ティンホイッスルという独特の笛を吹く真菜という少女とその母・愛に出会います。愛にタレントとしての原石のようなものを見出した藍子は、愛を過去をしらべますが、元タレントだったという衝撃的な事実を掴みます。

    引退して一市民として生活していても、なお色あせない輝き・・・。プロのスカウトの目を持つ藍子には人目でわかったのでしょう。芸能人になりたいと願う少女は星の数ほどいますが、成功できるのは、ほんの一握りの人たちです。

    努力と天分、そして運。
    この3つが揃ってはじめて芸能界で成功できるのでしょう。芸能界を舞台にした物語としては、刑事事件もなく、スターの成功・失敗においてのストーリーでうまくまとまっていました。

    作品中「芸能界に入ったら、私の人生変わりますか?」という言葉がありました。中2のときにスカウトされた愛の言葉ですが、芸能界に憧れる少女たちの気持ちそのもののだと思いました。夢をいつまで観ていても叶えられないと悟ったら、ほとんどの人がリターンします。真菜の母愛もその一人でしたが、藍子によって、再び夢が開いていくのでした・・・。

    言葉をうまくしゃべれない真菜の吹く笛の音が
    随所随所で言葉以上の働きをして、作品を引き締めていました。

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著者プロフィール

俳優、作家、歌手。1973年大阪生まれ。89年芸能界にデビューし、数多くのTVドラマ、映画に出演。俳優業と並行して脚本の執筆を始め、2002年「納豆ウドン」で第23回「NHK大阪ラジオドラマ脚本懸賞」最高賞受賞。06年には第一作となる小説『結婚写真』を刊行し、小説、エッセイ、書評など文筆活動も積極的に行う。NHK-BS『週刊ブックレビュー』で長年司会を務めた。NHK朝の連続テレビ小説『走らんか!』ヒロイン、映画『学校』、『風の歌が聴きたい』などに出演。近著に『万葉と沙羅』(文藝春秋)、『残りものには、過去がある』(新潮文庫)、『水の月』(潮出版社)など。文化庁文化審議会委員。19年より歌手活動再開。

「2023年 『北條民雄『いのちの初夜』 2023年2月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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