「中卒」でもわかる科学入門 "+-×÷"で科学のウソは見抜ける! (角川oneテーマ21)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041103852

作品紹介・あらすじ

四則演算と単位を正しく理解すれば、世界の科学者に質問をし、議論をすることが出来る。3,11以後の失われた科学的信頼を背景に、現代の私たちに必要なサイエンスリテラシーのあり方を説く、逆転発想の科学入門!

感想・レビュー・書評

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  • 科学的思考を身につけるための本。

    ま、直接は本書に関係ないのだけど、本当にもう文系/理系というくくりをして、それを文章力や論述力の無いことの言い訳にしたり、ちょっとした数式の出てくる経済学を理解しようとしないとか、テレビの裏の配線のつなぎ方を理解しようとしないことを正当化していく心の習慣を早めに無くしていかないと、この国の社会と経済が本当に瓦解していく思うのですよ。

    もはや、基本的な物理や電磁気、科学、生物学、情報技術の知識の無いエリートが会社経営や、国政策決定をしていくことは不可能だし、逆に法律の知識や、組織マネージメントの能力を持たない研究者は大きな研究チームを作ることが出来ず、研究成果も上げられない世の中だし、別にエリートで無くても、理科的な知識や数学的な理論的思考の習慣が身についていないで、この国で出来る仕事はとても少ないと思うのだ。

    本書が啓蒙している科学的思考とはもはや身につけていたらいいねという習慣では無く、生きていくためには、少なくとも良く生きていくためには身につけていなければならない習慣だろう。

  • 単なる数字の羅列として見るのではなく、巨大、微小な数を自分の実感に置き換えて見る。
    背理法 自分が考えているのとは違うことを誰かが主張しだとしたら、まず相手が正しいと仮定してみる。そうした時に、正しくない事柄がぞろぞろ出てきたとしたら、相手が正しいという前提がおかしいことになる。
    専門家に話を聞くための3種の神器
    四則演算ができ、単位系が揃っているか判別でき、そして論理的思考ができる。
    一回り大きく考える。自分が心配なら家族、家族が心配なら市町村、市町村が心配なら都道府県、都道府県が心配なら日本、そして日本が心配なら世界
    幸せな瞬間というのは次の2つしかないのかも知れません。1.できなかったことができるようになった瞬間2.わからなかったこたがわかった瞬間

  • 数字のケタの感覚を得る、っつーのは、非常に大事。理科系の学生にまず読んで欲しいね。みんな、一応の実験主義とかは、実習で習っているけど、その数字の意味、解釈のしかたってのは意外に体得していない。ホントはそこが大事なのに。

  • スラスラと読みやすいこともあってか、前半は「ふ〜ん」というかんじだったが、後半は「ほほう...。」と読み応えがあったな、と。
    「職人たれ、学者たれ」は至言。

    はじめに───はだかの私たち
    第1章 科学的人生観のススメ
    第2章 科学的に考えるとは
    ●専門家に話を聞くための「三種の神器」
     ①四則演算ができ、
     ②単位系が揃っているか判別でき、
     ③そして論理的思考ができる。
    ●地球上で利用できるエネルギーは2つ
     ①太陽
     ②地球自身の地熱
    第3章 科学的に行動する
    第4章 科学時代の社会・企業・国家
    ●NASAのすごさは、長期視点に立ったプロジェクトを立案できること
    ─── 長期視点に立って立案でき、トラブルが起こった際の代案を用意している
    ─── 大きなプロジェクトで重要なことは、すぐにプランBを出せるかどうか プロジェクトが大失敗した原因のほとんどは、プランBの欠如
    ─── 巨大プロジェクトは、「うまくいかないこと」を前提に進めるべき
    ●「暇」が科学を進歩させる
    ─── 100人中100人が必死で働かないといけない社会は、ゆとりがなく、非常時に対応が出来ない。平常時にはゆとりを持たせる必要がある。
    おわりに───職人たれ、学者たれ
     ・およそどんな人でも、幸せな瞬間は次の2つ
      1、できなかったことができるようになった瞬間
      2、わからなかったことがわかるようになった瞬間
     ・職人は───自分が今何が出来ないかを知っている人
      学者は───自分が今何を知らないのかを知っている人

  • 科学の役割を考えるにあたって筆者の言う「私たちは、何が役に立つのかを事前に知ることはできません」という言葉は重要と思いました。

    本書では、科学と技術を分けて考えていないように思いました。

    技術は、科学によって得られた法則を上手に組み合わせることで、目的実現のために必要な機能を創出することなので、最後のほうに出てくる政治家による投資先の検討については技術開発に限るべきでしょう。

    科学への投資の方は、役立つか分からないことへの投資なので筆者が言うとおり「(人類の)趣味」への投資で良いと思います。



    そうそう、エネホーダイの話題は、四則演算では納得できませんでした(笑)。

  • 揚水式発電というのがあるんだー
    スペースシャトルの失敗例

  • 中卒とはいえ、著者のような頭の良さがないと、この本の内容は伝わりずらい。
    でも、少しでも理数系が好きな人はこの本の面白さに共感できるはず。
    自分は好きなタイプ

  • 久しぶりに氏の著作に目を通したが2013年に発表された普通の人のための(専門家ではない人)の科学の入門書。氏は全然中卒ではないバリバリの理系だが難しいことを分かりやすく文章で説明するのがうまいので、分からないけれども読み難さを感じることはなかった。むしろスラスラ読めたと言っても良い。(だがもちろんエネルギー保存の法則が四則演算が分かったは訳ではない。次またこの言葉を見た時に少なくとも初見ではないというくらい)そもそも知識がないから実際はどうなのか分からないが、原発は筋が悪い技術という考え方や「科学は『趣味』と考えよ」という部分などは共感する部分も多かった。貧困問題を先に解決せよも。そして将来「エネルギー放題」になるという予想は果たして当たるのだろうか?いつ実現可能なのか?夢のような話ではある。その方向に進んでほしい。もう一つ夢でいうとBIベーシックインカムの実現がある。これは是非ともなるだけ早くやってもらいたい。労働が当たり前でなくなる世界を一刻も早く。最低限の生活は保障されているわけだからら役に立つかどうか、出世できるかどうか、カネが儲かるかどうかなど気にすることもない。リスクを恐れずに、いくらでもチャレンジできる。そんな中から時々ものすごく役に立ったり、人を幸せにするものも生まれてくるでしょう。に賭けたい訳です。日本は失敗者にとても厳しい国という指摘も特に最近言われだしている。あとがきの言葉にあるスティーブジョブズの言葉を意訳した「職人たれ、学者たれ。」という言葉、職人とは出来る人じゃない、今自分が何が出来ないのかを知っている人で学者は知っている人ではない、自分が今何を知らないかを知っている人だというのは大きく納得した。他の著作も目を通したい。

  • 作者の書いた”新書が一番”が好きだったんで、本作も入手。科学のウソの見抜き方がメインかと思ってて、最初のうちはそういう論旨が中心だったけど、後半はもっぱら最新の知見紹介。よく見ると、タイトルには”科学入門”が最初に謳われている訳で、看板に偽りはなしなんだけど、何となくウソの見抜き方の方を期待していただけに、肩透かしでした。それにしても、科学って一言でいっても分野は広大だし、興味の方向も人それぞれだし、新書の厚さで多数の満足度を満たすのは困難、というかほぼ無理ってことは分かりました。

  • 四則計算も怪しい身としては何とも。。

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著者プロフィール

1969年生まれ。ブロガー、プログラマー、投資家。カリフォルニア大学バークレー校中退。オン・ザ・エッジ(現ライブドア)のCTO(取締役最高技術責任者)を務めた。現在、ディーエイエヌ有限会社代表取締役。2004年に開始したブログ「404 Blog Not Found」は月間100万ページビューを誇る。著書に『弾言』『決弾』『未来改造のススメ一脱「お金」
時代の幸福論」(岡田斗司夫氏との共著)(以上アスペクト)、『小飼弾の「仕組み」進化論』(日本実業出版社)、『空気を読むな、本を読め。小飼弾の頭が強くなる読書法』(イースト・プレス)、『新書がベスト』(ベストセラーズ)など。

「2011年 『働かざるもの、飢えるべからず。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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