覇権通貨 小説人民元

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041103968

作品紹介・あらすじ

日本産業銀行(産銀)に勤務する江草雅一は、北京支店への赴任を命じられた。「日中が協力すれば世界最強」が信念の江草に任されたのは、民営化が予定されている国策銀行、中国改革銀行への出資交渉だった。一方で、中国政府系ファンドが産銀株買い占めに動いており、産銀上層部は情報収集に追われる。やがて、「人民元」の国際化を目論む中国当局が、高まる反日感情を背景に進めていた極秘プロジェクト、進出した日系企業を中国政府が国有化するという衝撃の「マルコ・ポーロ計画」が発表される…。

感想・レビュー・書評

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  • 人民元を基軸にするには、日本の銀行を買収すると言う発想が面白い。
    その視点から見て、中国の金融政策のあり方が、浮き彫りになり、
    共産党の原則派とリフレ派の対立の要点が、見えてくる。
    中国の対外金融政策は、一方で賄賂で手にしたお金を海外に逃亡させ、
    隠して、個人の蓄財を進める。共産党及び政府の高官の子女が、
    海外に多いのは、その役割を担うためであることは、明らか。
    一帯一路の中国のやり方は、多くの国で反発を食らっている。
    裸官と言うあり方で、中国国内では清廉潔白を言いながら、
    海外にたっぷりお金を持っている。
    捕まった薄煕来や温家宝などは、その典型とも言える。
    ここで登場する 李国東中国改革銀行のミスター人民元は、
    強い人民元を標榜しながら、私服を肥やし、野望を持つ。
    中国に、実際にいそうな人物である。
    それに対応する王陸群党学校副校長は、希少価値とも言えそうだ。

    人民元が、交換可能なお金になったことで、
    経済的利益をもたらすお金か、個人蓄財のものか?
    と言うのが、問われる。
    ラオス、ミヤンマー、タイ北部は、人民元の方が人気がある。
    アジアにおいて、着実に人民元が覇権貨幣になってきている。
    人民元は、人民のための紙幣だと言う。
    そして、日本産業銀行の江草は、「日中が協力すれば世界最強」と言ってのける。
    本当にそうかな?と思いながら、
    江草は、日本と中国の対等の関係を構築しようとする。
    この姿勢は、とても大切であると思う。

    しかし、三光コンチェルンの山城は一体何をしたいのだろうか?
    銀行が欲しいと言うが、いま銀行を保有する意味があるのだろうか?
    そして、山城千秋は、江草にとりいって、スパイ役をするが
    あまりにも、ミエミエ過ぎる。大きな野望があるそうだが。
    それよりも、杜愛蓮の想いの方が、よりスッキリしている。

    李国東の元の切り上げ政策は、アメリカの財政赤字と貿易赤字を
    解消する上で、重要な意味を持つが、中国の輸出産業にとっては、
    打撃となってくる。現在の米中貿易戦争のような様相だ。
    魚釣島の反日の機運が高まる中で、このような、
    日本と中国の金融を巡ってのツノの突き合わせは、
    ありうる可能性がある。
    「日系企業の締め出しと国有化。」
    中国の企業の株主は、共産党 と言う表現が、
    的を得ているような気もする。
    しかし、それでは、中国経済が健全に発展しないことは
    目に見えていることなのだが。
    江草の今後の 中国での活躍を 期待したい。

  • 産銀勤務の江草は北京支店へ赴任。その頃、人民元の国際化を目論む中国当局が、極秘プロジェクトマルコ・ポーロ計画を発表し・・・
    金融関係の知識が無いと、ちょっと読みにくい。
    中国とはうまく付き合っていきたいけれど、この調子だと相当しんどいね。

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著者プロフィール

2010 年「巨大市場」でデビュー。「黄土の疾風」で城山三郎経済小説大賞を受賞。中国ビジネスに詳しく、新たな国際派経済小説の書き手として注目を集める。

「2022年 『小説 デジタル人民元』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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