SF JACK

  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041103982

作品紹介・あらすじ

新井素子、上田早夕里、冲方丁、小林泰三、今野敏、瀬名秀明、堀晃、宮部みゆき、山田正紀、山本弘、夢枕獏、吉川良太郎の総勢12名の豪華執筆陣! 従来のSFファンはもちろん、色んな人が楽しめる短編集!

感想・レビュー・書評

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  • そうそうたる作家が並んでいたので思わず借りてみました。全体的には○。個々には・・・神星伝とか不死の市とか最近?のゲームの世界感的な話にはちょっとついていけなかったけど、知らない作家の作品も面白く読めてよかったかな。最後の陰態の家はSFでなく、どうみてもホラーだろうけど面白かったのでよしとする。

  • SFはむずかしい。作者にもよるが、短編だからだと思う。SFは世界観が独特な場合が多いが、その世界観に慣れるのにかかる手間は、短編も長編も同じだから。

  • ★★★★
    上田早夕里「楽園」表現体を超えた意識の結びつきがテーマ。語りつくせない!
    小林泰三「草食の楽園」こういう作品が有るから小林泰三は目が離せなくなるんです…
    山本弘「リアリストたち」山本さんらしい意志の強い女性の目線で書かれる。リアリスト側の自分たちとしては彼女の選択の結末を見届けたくなる。
    堀晃「宇宙縫合」最後まで読んで、おー…となる。

    宮部みゆきさんと夢枕獏さんはもう大御所の風格。
    安心して読めるのですが、自分にはそれがちょっと物足りないくらいでした。

    新井素子さんのスイーツ(笑)女子語りがホント辛いです。冲方丁は…中学二年生だったら面白いかもしれません(苦笑)

  • 宮部みゆきさんが書いているので、読まないわけにはいかない。その「さよならの儀式」は実に宮部さんらしい佳品。ロボットと人間を描いて切なく胸に迫る。

    色々なタイプのSFが収録されているので、誰が読んでもどれか一つは面白く思えるのがありそう。全部面白いって人は……、ま、あんまりいないんじゃないかな。

    冲方丁さん「神星伝」はマルドゥックのスタイルで、どうも苦手。今になって思えば、「天地明察」は、キャラクター設定がうまいきわめて上質のライトノベルだったように思う。

    上田早夕里「楽園(パラディスス)」。短篇なのが残念。この世界を展開したものが読みたい。

    山本弘「リアリストたち」。例によってすごくわかりやすい。新しさはないけど、この作者はそんなものを目指してないんだから、これはこれで立派。

    新井素子さん「あの懐かしい蝉の声は」。やや説明過多な感じ。小林泰三さん、夢枕獏さんはやはり読めなかった。どちらもその世界がわからないです。

  • ☆4つ

    SF友の会、ぢゃなくてほら例の「日本SF大賞」を出してるところ、SFペンクラブだっけ? ええいわかんねぇや。

    ともかくそこの会が50周年だってんで出した本。たぶんそういう本。だからなので、何人かの執筆者が書いている。

    夢枕獏先生の名前に惹かれて読み始めた。うまいもので夢枕獏先生のお話は一番最後に廻してある。獏先生の読んだ後につまんないのに遭遇した場合そこで読むのを放棄してしまう可能性がある!とよんだのであろう。そのよみ正解。

    特に件のなにやらSFの会の今の理事長(せな とかいう人)の作品はもうすぐにでも水にさらしてフニャフニャにふやかしてこの本から消し去った方が良いだろう、というくらいつまらない。まじ!

    でも山本弘や福田和代さんの作品とかわ結構よかったす。まあ、SFファンと自称するなら読まねばならぬ本でしょう。

    • ほんやだワンさん
      おぉ、今野敏も名を連ねているぢゃないか。
      おぉ、今野敏も名を連ねているぢゃないか。
      2013/06/24
    • ryoukentさん
      やあ、コメントのTawanさん。そしてこそーりとイイネ♪ のおけえさん。 いつもどうもありがとう。
      このSFモノ、読むのには結構パワーいるよ...
      やあ、コメントのTawanさん。そしてこそーりとイイネ♪ のおけえさん。 いつもどうもありがとう。
      このSFモノ、読むのには結構パワーいるよ。
      わたしゃ瀬名ダメ山脈を乗り切れなくなりそうでおもわづジャンプしてもたさぁ。だってつまんないのだもの。

      あ、今野さんのはおもろーかったです。

      そそ、きっとおけい姉御はとっくに読んでるのだろうから、感想みてイイネでもしてくっかな。いってきま。
      2013/06/24
  • 安定の方々以外は、割りと二番煎じ的か好み違いで、新発見はなかったような。

    冲方さんって本当に短編がどうも好みから遠い……というのを実感したので、もう短編は読まなくていいや。
    思春期の夢的なヒーロー小説書かれてますが、なんで私はAKIRAをものすごく連想し続けたんだろう。赤いバイクが出てくる前ですら。
    アニメ化したら、そこそこ受けそうな話。



    『楽園』 上田早夕里
    初めて読む人。
    ウイリアム・ギブソン『ホログラム薔薇のかけら』だったと思うんだけど、あれを思い出させる。
    死んだ人のデータを電脳世界に移植して、そこで生きる人格の話なんだけれど、この人の書き方、とてもやさしい。
    不慮の人の死は、その人が何を残そうと残すまいと、死別のショックに加えて不意打ちの衝撃がひどいから。
    ギブソンと、コードウェイナー・スミスは再読した方がいいかなあ


    宮部みゆき。
    ロビタの話のようでいて、作る側、感情を殺いでいく側からとは。

    新井素子。
    この人のすごさって、難しい言葉を一切使うことなく、あの高校生時代の言葉のままで、何でも書いてしまうところで、何を書いても視点がほぼ同じところだと思う。作者が等身大を維持出来るというのか。
    見えることで、それまでの世界を失うのは、攻殻チームだったかのあのグループのアニメでも、描かれてたねえ。タイトルが思い出せない。最後におじいちゃんが若返る話だよー。ブレイン・ダイブ? そんな感じの。結構好きだった。


    夢枕獏。
    安定。なんだっけ、天下大将軍の出てくる、黒い男の話。あれと同じ感じだ。やっぱ得意分野なんだろうなあ。
    上弦の月と、このシリーズしか読んでないのにタイトルが思い出せない。
    次は、オススメだった陰陽師をとりあえず。漫画版数冊しか読んでない。

  • とても楽しみな Japan SF

     なんせ最高の作者さんたちが集まった感じだ。楽しみだなぁ。

     まずは「神星伝(冲方丁)」。木星が舞台のアクションだと思うのだが、やたら勝手な設定が多く、しかもそのほとんどが漢字だという読みにくさ。パス。

     次の「黒猫ラ・モールの歴史観と意見(吉川良太郎)」は、はじめての作家さんかな。いいタッチなんだが、イマイチスッキリしない。

     そして期待の「楽園(パラディスス)(上田早夕里)」は瀬名秀明風。オチがわかりにくく、少し残念。

     さらに「チャンナン(今野敏)」は、タイムパラドックスものだが、むしろ格闘系物語だと感じた。SF 色は極めて薄い。

     複雑な割りにはさっぱりの「別の世界は可能かもしれない。(山田正紀)」は期待外れ。

     これまた好きな作家さんの「草食の楽園(小林泰三)」。宇宙コロニーが舞台ってことで大いに期待したが、平凡な展開とオチには閉口。

     大期待の「不死の市(瀬名秀明)」も複雑系。ファンタジーだが、ややこしい。

     さらに期待の「リアリストたち(山本弘)」は、アイの流れで読みやすく、かつおもしろい。シンプルで好きだな。

     そして、本作一番は「あの懐かしい蝉の声は(新井素子)」。軽快なタッチでインターネット時代の盲点を綴る。いい作品。

     もっとも期待の「宇宙縫合(堀晃)」は期待通り。ディックの流れに梅地下テイストをふりかけたタイムパラドックス作品。いいなぁ。

     ロボットになりたい技師を描く「さよならの儀式(宮部みゆき)」は瀬名流だな。読ませる文章はさすがに一流小説家さんだ。

     イマイチ感性があわずに「陰態の家(夢枕獏)」は流し読み。

     全体的には期待外れだが、大好きな作家さんの作品に触れることができて満足だ。

  • 結構な有名作家陣によるSF短編集。基本的に全部書下ろしらしいのでうれしいですね。
    しかし読んでて思ったんですが、SFって他のジャンルの小説に比べて舞台設定というか世界観を読者に理解させるまでにひと手間あるわけで。SFといったって近未来もあれば遠い未来もあるし現代でもパラレルワールド的なものだってあるし。
    この短編のボリュームで設定を理解させるだけの説得力を持ちつつストーリーを展開って結構厳しいな、と。もちろん作家さんの力量とかによって差はあるにせよ。人によってはなんだかよくわからないまま終わっちゃったりとかもありましたし。
    個人的には今敏さんくらいのさっぱりしすぎというか物足りないくらいでちょうどいいのかなと思いました。

    いっそ世界観を統一してリレー小説みたいな形態でやったら面白そうなのになあとか。蝦蟇倉市みたいに。

  • SFをテーマにしたアンソロジー。そうそうたるメンバーだが、なんとなく似たり寄ったりなところもあり。SFは設定が突飛であればあるほど、世界観の説明が難しくなるが、短編でやろうとすると、もろ説明感がでるか、雰囲気小説か、似通った感じになってしまうのだろう。
    一番雰囲気が楽しめたのは夢枕獏さんの作品か。相変わらず、そこで(上品な?)シモ設定使う必要ある?という感じはするが。性には神秘性があるということなのかもしれないが。

  • SF

  •  かなりの人気だったらしく、図書館で2か月待ちの末、順番が回ってきました。
     結構集めの本だったけど、短編集なのでサクサク読めました。
     どれもよかったけど、宮部みゆきのロボットの作品が秀逸でした。

  • SFの短編集。
    知ってる作家さんも、知らない作家さんも様々で面白かったです。

    冲方丁「神星伝」逆島断雄っぽい
    吉川良太郎「黒猫ラ・モールの歴史観と意見」猫が喋ったと思ったら違うのか。
    上田早夕里「楽園」シュタインズゲートゼロのアマデウス
    今野敏「チャンナン」空手の話じゃんと思っていたら…
    山田正紀「別の世界は可能かもしれない」ジェリー。ミュータント対決。
    小林泰三「草食の楽園」結局戦うのか。
    瀬名秀明「不死の市」百年法のない世界。
    山本弘「リアリストたち」未来にありそう。
    新井素子「あの懐かしい蝉の声は」自分が主人公と同じ状態になったら気が狂いそうっていうのをおバカな女子感が薄めてくれてる。
    堀晃「宇宙縫合」記憶がない。自分の死体?
    宮部みゆき「さよならの儀式」ロボへの愛着。
    夢枕獏「陰態の森」毒草師的な。

  • 12人の作家さんによるSF短編集

    SFとひとくちに言ってもさまざま。
    どれも独特の世界観なので、短編だと
    馴染めなかったり、チンプンカンプンのまま終わったりするものも(笑)

    今野敏の空手のやつは読みやすかった

  • 色々な人のが読めるのが良いですね。
    「神星伝」冲方丁:世界観を予測して読む必要があるかも。ハマれば楽しめる。
    「黒猫ラ・モールの歴史観と意見」吉川良太郎:主人公は...ちょっと怖いかも。
    「楽園」上田早夕里:もうちょっとしたらこんな世界になっているかも。
    「チャンナン」今野敏:昔からあるテーマですが、綺麗にまとまっています。
    「別の世界は可能かもしれない。」山田正紀:人間の能力は世界を変えるかもしれないというテーマですね。
    「草食の楽園」小林泰三:うまいな。オチが良かった。
    「不死の死」瀬名秀明:歌がカギなのだが、前提知識が必要。わからない文字列を見つけたらググれ!
    「リアリストたち」山本弘:「楽園」とは別の角度から。自分が信じているものが崩れる!
    「あの懐かしい蝉の声は」新井素子:人間は複雑なことをいとも簡単にできるということが良く分かります。
    「宇宙縫合」堀晃:これもうまくまとまっている。
    「さよならの儀式」宮部みゆき:今でも供養されているロボットはいますね。
    「陰態の森」夢枕獏:異色だがこんなSFもありだと思います。

  • 壮大な世界観が前提の話は、その説明をかみ砕くのに手一杯になってしまって疲れちゃってついて行けませんでした。そういうのは、長編向きなのかもしれません。
    チャンナン、さよならの儀式、陰態の家、はその点で読みやすかったしおもしろかった。
    知らない作家さんに触れる機会はありがたかった。

  • 日本のSF作家って世の中のことをまじめに考えてる人多いんだろうな。途中であきらめたので評価はとりあえずしないんだけど、まっすぐすぎて結構辛いモノばかりで、今野敏「チャンナン」くらい肩の力が抜けてるといいのにと思いました。(朝日の書評から)

  • 短編で終ってしまうのが残念な一冊だった

  • <閲覧スタッフより>
    堀晃「宇宙縫合」

    【堀晃氏作品】
    7月12日に開催される交流文化研究会にて講演いただくSF作家・堀晃氏の作品を集めました。講演会のお話とともに、ぜひ手に取ってみてください!

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    所在記号:913.68||エス
    資料番号:10224289
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  • 「SF Jack」日本SF作家クラブ 編
    SF短編集。黒。

    日本SF作家クラブの50周年記念、全編書き下ろし。
    そうそうたる作家陣で、最近のSFの勃興を感じます。

    「神星伝」冲方丁…宇宙戦闘記。スピード感凄い。
    「黒猫ラ・モールの歴史観と意見」吉川良太郎…人類滅亡。ダークファンタジー、暗いフィルターかけた映画っぽい。
    「楽園」上田早夕里…バーチャル人格。綺麗なストーリー。
    「チャンナン」今野敏…タイムパラドクス。今回軽い作品はこれだけだったなあ。
    「別の世界は可能かもしれない。」山田正紀…テレパス。結構ボリュームあったけど感じさせず、全く古臭くなく、大御所の貫禄!
    「草食の楽園」小林泰三…新世界の理想郷。あっさりショートショートふう。
    「不死の死」瀬名秀明…再生医療。重い!重い!最近の流行のヘビーなSF文学。
    「リアリストたち」山本弘…サイバー社会。意外と読みごたえあって面白いストーリーだった。
    「あの懐かしい蝉の声は」新井素子…新人類。ちょっと内容浅すぎた。
    「宇宙縫合」堀晃…エネルギーミステリ。これぞ凝縮された短編、面白かった!
    「さよならの儀式」宮部みゆき…ロボット社会。読みやすく考えさせられて突飛でない。上手い。
    「陰態の森」夢枕獏…傀儡ホラー。どうみてもSFではない、さすがこの人(笑)いい意味です。

    ちと2010年代のSFに食傷気味なのもあったので、この方々の書き下ろしはすごく面白かったです。
    何よりSF作家の人たちは年齢を経ても技術工学の発展についていって作品に取り込んでるな、ってのを尊敬します。(4)

  • 久しぶりに、SF読みました。
    いろんな作家さんの短編集なので、面白かったのもあれば…なのもありました。
    新井素子さんはやっぱ好きですね。
    ホラーっぽいのもあって、普段は読まない作家さんのも読んだので、新鮮でした。

  • 本は分厚いですが、短編集です。まだ読めていないので、早く読みたいです。

  • SF作家クラブ50周年記念の全編書き下ろしで、他の書き手を意識したとおぼしき作品が並んでいます。「神星伝」戦闘場面が○、アニメの序盤のよう。「黒猫…」斬頭台で切り落とされた頭部が意識を持っている場面が秀免。「楽園」う~ん。「チャナン」空手版ミニ仁。「別の世界は…」ミュータントの暴走、映画的。「草食の楽園」ハードSF宇宙ものと思いきや文明批判ものとは。「不死の市」詩的すぎてどうも。「あの懐かしい…」アイディアは買えるが…。「宇宙縫合」卑近と壮大が縫合される。大阪の描写が○。「さよならの…」ロボットが悲しい。「陰態の家」続編はあるの?

  • けっこう知った名前の作家さんが書いていたので
    購入してみるなど
    12人の作家によるSF短編集

    どれも面白かったけれど
    続編あったら読みたいなぁと思ったのは
    「神星伝」「草食の楽園」「不死の市」「宇宙縫合」
    相変わらず瀬名さんの作品は、
    自分にはちょっと難しくて意味がわからなかったりするのだけど
    それでも作品全体が放つ雰囲気がとても綺麗だったなと。

    冲方さんのは続き当然あるでしょ!というくらい
    設定やら何やら色々ぎっしりで
    むしろこれで終わったらもったいない。アッパレ=ナリ!

    生物的な恐怖を感じたのは「別の世界は〜」「リアリストたち」だろうかやはり

    ロボットものは自分はいつも感情移入しやすいので
    宮部さんの話はしんみり読みました。

    1作、どうしても頑張れずに文章に拒絶反応が出てしまったのがあるのと
    夢枕獏さんの話はSFなんだろうか…と疑問だったので☆3

  • いろんな作家が楽しめて、得した気分。
    中には「面白いけど、これってSFか?」というのもあったけど。

  • こういうのは短編じゃ読み足りないんだよなあ。吉川良太郎はもっと本書いてほしい。

  • ◎「神星伝」沖方丁
    ものすごく読みにくい。説明がなさ過ぎて独りよがり感がする。いくつかの理論なりが出てくるかつじつま考えずに、その場の音だけで言ってるような感じすら思える。
    それにしてもなんで移住する惑星に木星を選んだんだろう。ガス惑星だし、重力も強いし、移住には全然向かないのに

    「黒猫ラ・モールの歴史観と意見」吉川良太郎
    「楽園」上田早夕里
    「チャンナン」今野敏
    「別の世界は可能かもしれない」山田正紀
    「草食の楽園」小林泰三
    「不死の市」瀬名秀明

    ◎「リアリストたち」山本弘
    物理的接触が極端に減った時代で、ヴァーチャルが一般的になった時代。
    最後のヴァーチャルベイビーを増やすってことを言ってた時に、そんなことしてたら、人類滅亡するじゃんって思ったけど、バーチャル上で仮想人類が残っていけば、ある意味完全に人類が次のステージに進化したって言えることに気が付いた。こういうあり方はどうなんだろうね。
    山本さんは、こういう展開というか考え方の作品が多い気がする。

    「あの懐かしい蝉の声は」新井素子
    「宇宙縫合」堀晃
    「さようならの儀式」宮部みゆき
    「陰熊の家」夢枕獏
    については未読のまま返却

  • 第20回SF大賞、新井素子。第32回SF大賞、上田早夕里。第24回SF大賞、冲方丁。第43回星雲賞、小林泰三。第21回山本周五郎賞、今野敏。第19回SF大賞、瀬名秀明。第1回SF大賞、堀晃。第18回SF大賞、宮部みゆき。第3回SF大賞、山田正紀。第42回星雲賞、山本弘。第10回SF大賞、夢枕獏。第2回日本SF新人賞、吉川良太郎。日本のSF界を代表するメンバーによるアンソロジー。
    こうしてみると、一口にSFと言ってもトンデモ設定の作品から日常に少しだけスパイスを織り交ぜた作品まで、実に様々な表現がある。でもすべてに共通しているのは、どれもがわたしたち人間の在り方を問いていること。超現実というコインの裏に思いを馳せながらコインの表を観察し、考察する。だからこそわたしはSFというジャンルが好きなのです。
    SFとはあまり相性の良くない(とわたしは思っている)短篇集なので当たり外れもありますが、SF世界を楽しむには十分でした。
    個人的には新井素子さんが一枚上をいっているように感じました。

  • 豪華執筆陣だが、どの話もそんなインパクトはなかったのが正直な感想。世界観も新鮮だと思うのはなかった。短編だから仕方ないのかも。
    感想をピックアップしていくつか↓

    冲方 丁:ライトノベル感満載。力秘めてる16歳の主人公、電脳、陰陽、そして人形(ヒトガタ)巨大兵器…。
    収録された話はプロローグにすぎないので、この後長編が書かれ、いかにもアニメ化しそうな感じである。(キャラデザはredjuiceで!)
    彼の文体のクセで多少読みにくい点もあるが、慣れればまあ平気。
    オタクですから、こういう世界観ははっきりいって好きですw
    ストーリー展開は唐突感否めず。

    上田 早夕里:この人の新作を期待して借りたんだが、割と普通だった。電脳設定ではあるが、内容は現実的だ。

    瀬名 秀明:神話とバラッドがはさみこまれている構成がいまいち分かりづらく、全体的に読みにくかった。SFっぽいのかファンタジーぽいのか、現実なのかおはなしなのか。設定そのものは好みで、映像化したらきれいだろう。

  • 自分には合わず読み飛ばした作品も一寸だけあったがとても楽しめた。
    宮部みゆき「さよならの儀式」、新井素子「あの懐かしい蟬の声は」、山本弘「リアリストたち」は想像を大いに掻き立てられ特に好き!

  • 「神星伝」
    冲方さんの短編。こんな小説も書く人なのね。ラノベ出身だとは聞いていたけど。血沸き肉踊るマンガみたいな話。ややこしい設定をあっという間に文章にぶち込んでしまう筆力は凄い。ファーストガンダムを1時間に圧縮した感じ。映像化したら受けるかも。
    「黒猫ラセールの歴史観と意見」
    フランス革命の処刑の話から始まる。話は壮大に見えるが実は妖怪人間ベムの話。
    「楽園」   
    最近よく目につく人格コピーもの。機械に人格を与えたらそれは人なのか?精密版と簡易版があってヒヨコの形をした簡易版が可愛い。且つ実用性ありそう。SONYなら直ぐにでも作れるのでは?(人格のあるAIBO!気色悪いか?)穏やかな語り口、亡くなった人を悼む描写がいい。
    「チャンナン」
    軽~いタイムパラドックスもの。「アゲイン」ぐらい軽い。例えが判りにくいか。
    「別の世界は可能かもしれない。」
    目覚めた新人類が同じく目覚めたネズミ軍団と対決する。これだけ書くとマンガみたい?発想は新しいかも。
    「草食の楽園」
    宇宙SF。結構シニカル。どこかで読んだような発想。
    「不死の市」
    出だしが意味不明、中盤も意味不明、終盤も意味不明。
    「リアリストたち」
    MM9で気になっていた山本弘著。ちょっと近未来のバーチャル空間が発展途上の世界。ぴったり短編にハマる綺麗なSF。落ちもいいぞ。
    「あの懐かしい蝉の声は」
    第6感の新しい解釈。インターネット社会を皮肉ってる?なんだかなぁ~。ゆる~い文章は面白い。
    「宇宙縫合」
    設定は壮大な時間SF。どんどん時間をジャンプする間隔が縮まり遂に現在に収斂する、と言うのは「リプレイ」にもあったお約束。新今宮周辺が描かれているのが嬉しい。
    「さよならの儀式」
    「火の鳥」のロボットロビー(あまりにも昔に読んだので名前がよく思い出せないが)の話を思い出してしまう。現時点で小説にしたらこんな感じなのかな。しかし手塚治虫氏は偉かった。「火の鳥」は40年以上前の作品だよね。いい話だったから、凄く印象に残っている。本作品も勿論いいよ!
    「陰態の家」
    本アンソロジーの目玉作品と言う位置づけなんでしょうか。でもこれSF?伝奇小説だよね。わざと怪奇趣味にしてるんでしょうけど館の住人がみんなおどろおどろしい名前なのが可笑しい。赤麻呂とか青丸とかあり得へん。「館」シリーズを思い出しました。こちらの方が遥かに面白いけど。続きが読みたいと一番思った作品。

    今をときめく作家さん達のSFをまとめて読めて凄くお得感あります。一押しは「楽園」かな。問題外は「不死の市」。あとはどれも平均して面白かった。時々SFアンソロジー読みたいな~。

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著者プロフィール

1977年「わたしの中の・・・・・・」が奇想天外新人賞佳作に入賞し、デビュー。以後『いつか猫になる日まで』『結婚物語』『ひとめあなたに・・・』『おしまいの日』などを発表。1999年に発表した『チグリスとユーフラテス』が第20回日本SF大賞を受賞。

「2022年 『絶対猫から動かない 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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