はだかんぼうたち

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.52
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本棚登録 : 1078
レビュー : 158
  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041104101

作品紹介・あらすじ

桃*35歳独身、歯科医。6年付き合った恋人と別れ9歳下の鯖崎と交際中。響子*桃の親友。元走り屋の夫や4人の子供とせわしない日々を送る主婦。山口*60歳目前に家族を捨て響子の母・和枝と同棲。だが和枝が急死し途方に暮れる。鯖崎*桃の恋人。やがて響子にも惹かれはじめ桃にその気持ちを公言する。出逢い、触れ合ってしまう“はだかんぼう”たちは、どこへたどり着くのか。年下男性との恋。親友の恋人との逢瀬。60歳目前での同棲…。心に何もまわない男女たちを描く長編恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • この江國香織は良かった。
    やっぱりこの人、すごい。引き出し多いな。
    江國さんの書く文章はその言葉遊びを味わうのが醍醐味でどちらかと言うとゆっくりと咀嚼しながら楽しむ作品が多い。
    しかしこの「はだかんぼうたち」の場合、登場人物の危なっかしさにはらはらしたり、次はどうなるんだろうってやきもきしたり。
    先に進みたいけどこの世界に浸りたいアンビバレンス。
    うん、面白かった。

    とにかくこの物語は登場人物が多い。
    しかも語り手が次々と変わるからもう大変!
    短いワンシーンワンシーンを数珠のようにつなげているような感じで、それがこの作品にスピード感を持たせている。
    普通だったらここまでころころ場面が変わると全く読めないと思うがそこは江國さん、全く混乱がない。

    物語の中心にいるのは独身の歯科医師の桃と四人の母親である響子。
    この二人を取り巻く男女の恋愛、結婚、不倫が描かれ、それぞれが自分の居場所を求めて模索して行く。
    恋をしている人はみんな痛々しい。はだかんぼうたちだ。
    自分をさらけ出さずには恋なんて出来ない。
    何が正しくて何が間違っているのか、そんな事は分からない。
    倫理観とか常識とかそんな次元を超えた人間模様にむしろ真実味を感じた。

    それと、表紙がすごくいい。
    裸の王様の様な猫が威張っているが、お腹は毛が刈り取られ大きな絆創膏が。
    何ともまぬけで可愛らしい。本の内容を象徴していてぴったりだ。

  • 「みんな、いつまで こんなことしていくのかしら…」
    こんなこととは、「考え込んじゃうこととか、突然淋しくなることとか、不安になることとか・・誰かに会いたいと思ったり、声を聞きたいと思ったり、そう思ったことに驚いたり、行動して後悔したり・・」
    久々に、江國さんの恋愛小説を読みました。でも、ここに描かれていた恋愛は、ときめきとか情熱とか、恋愛のスイートスポットではなくて、女も男も(年齢も30代後半から60、70代まで)人生の甘いも苦いも幾度となく噛み締め、家庭や仕事をきちんと持ち、自分のそれなりの道を歩いている(歩いてきた)人たちが背負い込んでいるそれです。
    前述のセリフはそんな女の本音のひとつ。 読み進めていくにつれ、それぞれの登場人物の立場や気持ちが痛いほど伝わってきます。誰だって、むきだしの心を抱えている。それを人には見せまいとしながら。どうにかなるものではない、終わりも答えも出てはこない。でも、向き合っていかなければならない自分というものを、柔らかなタッチで真っ直ぐに描き出している作品です。(4.6)

  • 人はそれぞれ虚飾という服をまとっている。孤独に耐えられず他人を求め恋いするとき、素の自分をさらけ出す。そして素の自分は弱い。誰かに寄り添うが、結局振り出しに戻り孤独となり、その繰り返しとなる。この小説は恋するはだかんぼうたちのロンド、いくつもの波紋が生まれ、広がり、重なり、やがて消えていく。

  • 前作の「ちょうちんそで」よりぐっとよかった気がする、おもしろかった。
    けっこう大人数の登場人物の日々の暮らし。それぞれ大きな事件やちょっとしたできごとがあったりなかったり、すべて同じように淡々と描かれていて、結末やオチもなくて、それがすごく心地よい感じ。いつまでも書き続けられそうだし、読み続けられそう。いつまでも読んでいたい。
    なんだろう、主張しない感じ、いいとか悪いとか、大変とか大変じゃないとか、ジャッジしない、決めない感じ、ただ日々が、月日が流れていくような感じがやっぱり好きだな、と思った。

    でも、このタイトルは、どうなんだろう。タイトルだけきいたとき、絵本?とか思った。前作といい、ひらがなシリーズ?

  • 久々に図書館に行って借りた。4月9日土曜日。

    日曜日。半分くらい読んだ。前日に読んだ本が衝撃的過ぎたのか、そこまでは夢中になれない。人間関係が複雑…というか、突如違う人が出てきて、え、この人何?と時折思う。親友同士の子持ち主婦と独女…を軸に話は進む。主婦の母の恋人、とか相変わらず設定が突飛たが、私の現実逃避にはそれぐらいがいいのか。設定は突飛だか、話は淡々と…の江國さんパターン。はたしてこの週末に読了して、何を感じているのだろう??

    そして、半年以上経過した本日10月26日。まあ、色々行事の多かった10月。本屋で文庫本化された「はだかんぼうたち」を買ったので改めて読む。登場人物はやはり多い。解説によると、2ダース強…とのこと。そんなにいるかしら?ヒビキの家族だけでもまあ、6人。桃の実家の家族は4人。桃の男友達2人。ヒビキの母の恋人…ここまで13人。後、倍以上の登場人物がいるんだ…最後はヒビキ母の家に間借りしてた女子大生…の語りで話は閉じられる。

    何を感じるか…んー、まあ特に何も感じない(^_^;)。暇つぶし、というか枕元に置いてあるのでしばらくお付き合いは続けるけど。

  • はだかんぼうたち
    まさに、その通りだと思ってしまった。

    江國さんらしく曖昧で掴みきれない感じが、やっぱり好き。

    誰かを選ぶこと・誰かに選ばれること・誰も選ばないこと・誰にも選ばれないこと
    何が幸せで、何が不幸せかなんて、きっと当人にしか分かりっこないし、別にどうでもいいこと。


    いつまでこんなことをしなくちゃならないのだろう。
    というより、そもそも人は、どうして誰かを選ばなければならないのだろう。

  • うーん、消化不良だな。最近こんな本ばかりで、すかっと読める本がない。
    それにしても江國さま、一時の作品の面白さ、力強さが感じられないのは私だけでしょうか?

  • うーん……。前ほど江國さんの言葉にひかれない。。何だろうなぁ。。

    桃に、少し共感。響子、隼人と仲良しで四人の子育て大変ですごいなーと思ったのに最後がっかり。だめだよー寝ちゃ(;つД`)あーあ

  • どうして幸せになれないとわかっているのに、気持ちを優先してしまうんだろう。

  • ちょうちんそでで物足りなかったので、未読だったこちらを。
    江國さんらしい物語をたっぷり満喫できました。

    いつも少し寂しい気持ちになります。

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プロフィール

江國 香織(えくに かおり)
1964年、東京生まれの小説家。
1986年、児童文学雑誌『飛ぶ教室』に投稿した「桃子」が入選。2004年、『号泣する準備はできていた』 で、第130回直木賞を受賞。他、山本周五郎賞、中央公論文芸賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞など受賞歴多数。
代表作として、映画化もされた『きらきらひかる』や『冷静と情熱のあいだ』など。女性のみずみずしい感覚を描く作家として、多くの読者を魅了している。また、小説から絵本から童話、エッセイまで幅広く活躍中。翻訳も手がけている。

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