はだかんぼうたち

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.52
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  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041104101

作品紹介・あらすじ

桃*35歳独身、歯科医。6年付き合った恋人と別れ9歳下の鯖崎と交際中。響子*桃の親友。元走り屋の夫や4人の子供とせわしない日々を送る主婦。山口*60歳目前に家族を捨て響子の母・和枝と同棲。だが和枝が急死し途方に暮れる。鯖崎*桃の恋人。やがて響子にも惹かれはじめ桃にその気持ちを公言する。出逢い、触れ合ってしまう“はだかんぼう”たちは、どこへたどり着くのか。年下男性との恋。親友の恋人との逢瀬。60歳目前での同棲…。心に何もまわない男女たちを描く長編恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • この江國香織は良かった。
    やっぱりこの人、すごい。引き出し多いな。
    江國さんの書く文章はその言葉遊びを味わうのが醍醐味でどちらかと言うとゆっくりと咀嚼しながら楽しむ作品が多い。
    しかしこの「はだかんぼうたち」の場合、登場人物の危なっかしさにはらはらしたり、次はどうなるんだろうってやきもきしたり。
    先に進みたいけどこの世界に浸りたいアンビバレンス。
    うん、面白かった。

    とにかくこの物語は登場人物が多い。
    しかも語り手が次々と変わるからもう大変!
    短いワンシーンワンシーンを数珠のようにつなげているような感じで、それがこの作品にスピード感を持たせている。
    普通だったらここまでころころ場面が変わると全く読めないと思うがそこは江國さん、全く混乱がない。

    物語の中心にいるのは独身の歯科医師の桃と四人の母親である響子。
    この二人を取り巻く男女の恋愛、結婚、不倫が描かれ、それぞれが自分の居場所を求めて模索して行く。
    恋をしている人はみんな痛々しい。はだかんぼうたちだ。
    自分をさらけ出さずには恋なんて出来ない。
    何が正しくて何が間違っているのか、そんな事は分からない。
    倫理観とか常識とかそんな次元を超えた人間模様にむしろ真実味を感じた。

    それと、表紙がすごくいい。
    裸の王様の様な猫が威張っているが、お腹は毛が刈り取られ大きな絆創膏が。
    何ともまぬけで可愛らしい。本の内容を象徴していてぴったりだ。

  • 帯に邪魔されてしまった。目に入ったらわかっちゃうじゃないの、流れが。
    今がこの人を読める時でよかった。
    久しぶりに、スイスイもっともっとと読みたくなる本だった。

    私の好きな『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』みたいに登場人物がたくさんいて、その誰もの気持ちがわかるっていうのは、私がそれだけオトナになった?というか誰の思うところもひとりの人間の中にある質なんだろうな、質量に偏りはあるけれど。

    これ、きっとまた読むな。
    『薔薇の木…』もまた読もうかな。

  • 「みんな、いつまで こんなことしていくのかしら…」
    こんなこととは、「考え込んじゃうこととか、突然淋しくなることとか、不安になることとか・・誰かに会いたいと思ったり、声を聞きたいと思ったり、そう思ったことに驚いたり、行動して後悔したり・・」
    久々に、江國さんの恋愛小説を読みました。でも、ここに描かれていた恋愛は、ときめきとか情熱とか、恋愛のスイートスポットではなくて、女も男も(年齢も30代後半から60、70代まで)人生の甘いも苦いも幾度となく噛み締め、家庭や仕事をきちんと持ち、自分のそれなりの道を歩いている(歩いてきた)人たちが背負い込んでいるそれです。
    前述のセリフはそんな女の本音のひとつ。 読み進めていくにつれ、それぞれの登場人物の立場や気持ちが痛いほど伝わってきます。誰だって、むきだしの心を抱えている。それを人には見せまいとしながら。どうにかなるものではない、終わりも答えも出てはこない。でも、向き合っていかなければならない自分というものを、柔らかなタッチで真っ直ぐに描き出している作品です。(4.6)

  • 前作の「ちょうちんそで」よりぐっとよかった気がする、おもしろかった。
    けっこう大人数の登場人物の日々の暮らし。それぞれ大きな事件やちょっとしたできごとがあったりなかったり、すべて同じように淡々と描かれていて、結末やオチもなくて、それがすごく心地よい感じ。いつまでも書き続けられそうだし、読み続けられそう。いつまでも読んでいたい。
    なんだろう、主張しない感じ、いいとか悪いとか、大変とか大変じゃないとか、ジャッジしない、決めない感じ、ただ日々が、月日が流れていくような感じがやっぱり好きだな、と思った。

    でも、このタイトルは、どうなんだろう。タイトルだけきいたとき、絵本?とか思った。前作といい、ひらがなシリーズ?

  • 『きらきらひかる』にとても感銘を受けて、
    また江國香織を読んでみようと手に取った本。
    数ページおきにコロコロと物語の主役が
    変わっていくのでとても読みやすくて面白かった。

    月日の流れに沿って彼や彼女たちの関係性などが
    変わっていく様が見てとれる。
    読み手の時間も経過するように、この本の
    人物たちにも同様の季節が巡っているのだと分かる。
    どんな風にしてこの人物たちが生きていくのか
    とても興味深かった。
    (桃と鯖崎と響子とか、陽と奈良橋とか…笑)

    自分の思考の枠組みにはめ込んで
    関係性に名前をつけようとする人は一定数いて、
    そこからはみ出した人たちを生きづらいと
    断定して非難することは時には
    正論でもあるんだろうけど、当事者にしか
    分かり得ないこともあるよね…と思ったりした。

  • 久々に図書館に行って借りた。4月9日土曜日。

    日曜日。半分くらい読んだ。前日に読んだ本が衝撃的過ぎたのか、そこまでは夢中になれない。人間関係が複雑…というか、突如違う人が出てきて、え、この人何?と時折思う。親友同士の子持ち主婦と独女…を軸に話は進む。主婦の母の恋人、とか相変わらず設定が突飛たが、私の現実逃避にはそれぐらいがいいのか。設定は突飛だか、話は淡々と…の江國さんパターン。はたしてこの週末に読了して、何を感じているのだろう??

    そして、半年以上経過した本日10月26日。まあ、色々行事の多かった10月。本屋で文庫本化された「はだかんぼうたち」を買ったので改めて読む。登場人物はやはり多い。解説によると、2ダース強…とのこと。そんなにいるかしら?ヒビキの家族だけでもまあ、6人。桃の実家の家族は4人。桃の男友達2人。ヒビキの母の恋人…ここまで13人。後、倍以上の登場人物がいるんだ…最後はヒビキ母の家に間借りしてた女子大生…の語りで話は閉じられる。

    何を感じるか…んー、まあ特に何も感じない(^_^;)。暇つぶし、というか枕元に置いてあるのでしばらくお付き合いは続けるけど。

    2018年12月半ば過ぎ。響の旦那が元走り屋、のフレーズについ反応してしまった。色々な出来事や会話の積み重ね…で反応したことのないフレーズに反応する自分が興味深い。来年、いや半年後、いや3ヶ月後の自分は?穏やかに日々を過ごしていますように。

    2020年7月。まだまだコロナ禍が収束していない日本。ここ1ヵ月?思い出したように読んでいます。はだかんぼうたち。はだかんぼう達…とは、恋に落ちてしまう人達…って意味みたい。私もそれなら、はだかんぼう。だ…。

    登場人物2ダース強。カウントを続けよう。

    14人目。奈良橋さん
    15人目。山口さんの元妻、そしてその娘で16人。
    17人目。山口さんの住む家の下宿人の女子大生。安寿美。同じく下宿人の女子大生はカウントすべきか…。

    18人目。桃が勤める歯科医院の衛生士の女性。中川さん、同じく衛生士の太田さんで19人?

    お、結構、増えてきましたね笑。今日はここまで…。

  • はだかんぼうたち
    まさに、その通りだと思ってしまった。

    江國さんらしく曖昧で掴みきれない感じが、やっぱり好き。

    誰かを選ぶこと・誰かに選ばれること・誰も選ばないこと・誰にも選ばれないこと
    何が幸せで、何が不幸せかなんて、きっと当人にしか分かりっこないし、別にどうでもいいこと。


    いつまでこんなことをしなくちゃならないのだろう。
    というより、そもそも人は、どうして誰かを選ばなければならないのだろう。

  • うーん、消化不良だな。最近こんな本ばかりで、すかっと読める本がない。
    それにしても江國さま、一時の作品の面白さ、力強さが感じられないのは私だけでしょうか?

  • うーん……。前ほど江國さんの言葉にひかれない。。何だろうなぁ。。

    桃に、少し共感。響子、隼人と仲良しで四人の子育て大変ですごいなーと思ったのに最後がっかり。だめだよー寝ちゃ(;つД`)あーあ

  • どうして幸せになれないとわかっているのに、気持ちを優先してしまうんだろう。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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