- Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041104132
作品紹介・あらすじ
持ち前の明るさと好奇心で、武士になる希望を抱いたシュンスケは、「宰相」を夢見て長州の田舎から世界へと飛び出す。幕末、攘夷か開国かで揺れた青春の日々。遠くハルビンへと向かう元老は懐かしく回想する・・・。
感想・レビュー・書評
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伊藤博文の半生記。
出目から長州内乱までを描いている。幕末ものに長州の一員として、『後の伊藤博文』のように多々登場するが、その少年期、青年期の活躍にスポットを当てています。
幕末動乱のなんでもありのエネルギーが好きです。
お殿様の為、藩の為から日本国の為に大義を描く、その価値観の改心ができることに感嘆します。
魅力的な人物像とスリリングな展開が、楽しめました。
思想、人生観、価値観の描写は希薄かな。いよいよ薩長同盟、倒幕の手前で話は終わってしまった。続編が産まれることを期待します。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
武士を志した少年が世界を見て、日本の国作りのために奔走する。若き日の伊藤博文を描く時代小説。
初代内閣総理大臣と暗殺されたって印象の伊藤博文。
博文に改名したのは後期だったようで、作中では伊藤俊輔としての印象が強い。百姓の子ながら武士を夢見て、幕末動乱の世で長州藩士として生きていた時代がメインで描かれ知らなかったことばかり。
人好きのする性格で、状況を瞬時に判断でき、尊王攘夷の時代に海外文化もスポンジのように吸収する、幕末史を駆け抜けた血の通った男の物語だった。 -
伊藤博文とは、なんと愉快な人物か。下関戦争での活躍。講和のきっかけを作る等、並外れた度量を持った人物だったのだろう。その人生は、波乱に満ちつつも限りなく充実したものであったろう。楽しく読めて感謝!
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初代内閣総理大臣、伊藤博文。
幼名、俊輔。
周防国の百姓の家に生まれた彼は、武士に憧れ、無謀にも一国の宰相となることを夢見た。
幕末の動乱期を持ち前の明るさと好奇心で駆け抜ける俊輔に、吉田松陰、高杉晋作、桂小五郎、坂本龍馬ら多くの志士たちは次第に魅了されていく。
英国に留学し、早んに世界へ目を向けた俊輔がたどり着く、あるべき「日本」の姿とは?歴史小説の新鋭が贈る、爽やかな一代記。 -
筆者の文章のテンポがよいせいもあるが、伊藤俊輔(のちの伊藤博文)という人物が、局面を切り開く行動力のある人だったのだということがよく分かった。
幕末において長州は攘夷と開国の間、討幕と佐幕の間を非常に激しく揺れ動いており、同じ時期の薩摩などと比べても激動の藩であったと思う。
それはある意味、藩主のリーダーシップの弱さがもたらしたものであるが、一方で松下村塾の塾生をはじめ、藩下に多くの有為の人材がおり、それらが自由闊達に動き回ったことの結果ともいえる。そして、それを代表する人物が伊藤俊輔であったのだと感じた。
伊藤俊輔は他の長州藩の志士と比べると年下で、農民の出でもあったため、役職としては常に2番手、3番手であったが、高杉晋作や井上聞多(井上馨)といった人物の活躍の場をお膳立てをし、日本を開国へと導いた。
一般的には初代総理大臣として知られる彼の新しい人物像を、生き生きと描いた作品であると思う。 -
伊藤博文の若き日々の物語
近代日本の礎になった人 -
あ、そこで終わるのか。
終わっちゃうのか~~~~。
もうちょっと、続きがあってもよかんべよ。 -
周防の国の百姓の息子に生まれた利助は侍になる夢を捨てず、幕末から明治の激動の時代を生きる。のちに「伊藤博文」と呼ばれることになる、宰相に憧れた男の血湧き肉躍る青春譚。
著者プロフィール
門井慶喜の作品





