- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041104316
作品紹介・あらすじ
東日本大震災の行方不明者約2700人。娘を捜し続ける父、妻の職場に説明を求め続ける夫、親子2代で地域の復興に頑張る経営者…。行方不明者と共に生きようとする家族たちを描いたヒューマンドキュメント。
感想・レビュー・書評
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津波によって、大切な人を突然なくしてしまった人々のその後。
遺体が見つからないという事は、こうまで遺された人々を苦しめるのか。この本を読むまで重い至らなかった。
またそういう境遇の方々にどこまでも寄り添う人達の活動にも頭が下がる。
途中、何度も涙があふれた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いつもの家族。いつもの朝。いつも通りに職場へ、学校へ出かけた。
夜には再び、同じ家で顔を合わせるはずだった。それなのに…。
2011年3月11日に発生した東日本大震災と、それに伴う巨大津波は
住み慣れた街の風景を一変させ、多くの人命を奪った。
亡くなった人の多さもそうだが、特筆すべきは行方不明者の人数の
多さだ。もし、地震だけであったのなら人的被害は抑えられたのか
もしれない。
大震災と巨大津波の発生から年月を追うごとに、行方不明者の
発見件数は減少する。しかし、行方不明の家族を探し続け、
帰りを待ち続けて人たちがいる。
本書は大震災から2年目に、未だ遺体の一部さえも見つかっていない
家族を待つ人たちに取材したノンフィクションである。
遺体が見つかった人たちにしろ、行方不明者の家族にしろ、その
喪失感は途轍もないものだろうし、家族を失った人の哀しみに
大小はないとも思う。
しかし、弔うべき対象さえ見つからない家族の苦悩はまた別に
存在するのも確かだろう。
NPOやボランティアの力を借りながら捜索を続ける人、葬儀を
あげることで区切りをつける人、「娘は大好きな海へ嫁いだの
だ」と思いを切り替える人。その後を生きる姿は様々だ。
非常に重い切テーマのだが、どうも上っ面を撫でただけのような
読後感なのだ。切り口が悪いのか、感傷的な文章が悪いのか。
言葉の使い方もひっかかるものがあったんだよね。
行方不明者を抱える家族の話の間に、捜索に携わった警察
関係者の話が挟まれているのが中だるみを救っている。
それぞれの想いを綴るのもいいのだけれど、出来れば行方不明
者を抱える人々の精神面の話を専門家に聞いてもよかったので
はないだろうか。なんだかカタログ的にまとまってるんだな。
あの大震災から間もなく3年半になる。行方不明の方たち全員
が、いつか見つかり、家族の元へ帰れる日が来るのだろうか。 -
目の奥のジンジンする痛みをこらえつつ、堪えきれず嗚咽をもらし、読み進めるのが辛すぎて手が止まったりそれでも何かに突き動かされるように頁を繰った。
あらためて、人々の魂に、祈る。 -
震災から3年半が過ぎ、この本に出会った。
取材に応えた方々の話は、全てが事実。
言葉の重み、何より、「生き残った」事実の重みを感じる一冊。
著者プロフィール
石村博子の作品





