- 本 ・本 (184ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041104477
作品紹介・あらすじ
松井秀喜は日本人の美徳である「謙譲の精神」を貫き、アメリカのメジャー野球を変えた――敬愛する作家だけに松井が明かした魂の成長の秘密! 松井の生き方に共感する著者の愛に溢れた一冊。
感想・レビュー・書評
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歳を重ねるほどに、益々魅力的に感じる松井秀喜さんについて書かれた本。
著者の伊集院静さんの視点で松井さんについて色々と書いてあります。直接会話した内容など、少し掘り下げたというか、一歩プライベートに踏み込んでいて読みごたえがありました。
松井秀喜さんに対して、男というか人間的に素晴らしいなと思う事が多くて、この本を買ってみたのです。
やはり、自分の軸がしっかりあって、自分の存在意義・やるべきことをちゃんと理解している方なのだなと。
スゴイ人です。それほど年齢差もないのですが雲の上の存在。
ちなみに、松井さんについて書かれた本なので最後まで読みきることができましたが、どうにも伊集院静さんの書き物は、僕としては生理的に受け付け難い文章です。
やっぱり好みって人それぞれですね!!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
松井秀喜は、人気実力共に超一流の野球選手というだけでは形容出来ないだろう。一流のアスリートであることは議論の余地はないが、一人の日本人として大人の在り方を見せてくれる人である。
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2013年98冊目。満足度★★★★★良書です。松井ファンはもちろん多くの方に読んでもらいたい。
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松井選手がジャイアンツに入ったころから交流があるという伊集院静さんによるエッセイ。松井さんの人柄がよく伝わってきます。タイトルにもあるとおり、逆境に立っても、真摯に自分のやるべきことを積み重ねていった松井選手の人間としての凄さが、あらためてよくわかりました。
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松井秀喜は日本が世界に誇るスラッガーであり、それに負けないほどの人格者であると感じた。
他人の悪口を中2から言ったことがない…
嘘でしょ、凄すぎる。
これが「心が変われば行動が変わる」ということか。
でも筆者は悪口を言わない松井の事を「素晴らしい青年」と褒め称えてる割に、名前は伏せてるけど松坂の悪口を書いてる(笑)
こんな揚げ足取りしてる自分もまた同類だな、と猛省。
心を変えていこう。 -
松井秀喜の人間性
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『逆風に立つ』/伊集院 静
昔から、興味のある作家さんの一人でした。
本書を通じてはじめて、著者の作品を読みました。
きっかけは、自分の好きな野球モノであり、松井秀喜さんを題材にされていたからですが、伊集院さんは、ものすごく透明感がある文章を書く方だなと感じました。
p181
逆風に立つことは辛く苦しいことだが、やがて風が止まり、陽が差し、星が瞬きはじめたら、あの青空へ、星空へ、耐え忍んできた力がホームランボールの風となって全て人々の夢となって飛んでいくのだろう。
次は、伊集院さんの小説も読んでみたいと思います。。。 -
松井秀喜は、人気実力共に超一流の野球選手というだけでは形容出来ないだろう。一流のアスリートであることは議論の余地はないが、一人の日本人として大人の在り方を見せてくれる人である。
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20160723 こうして読んでみて初めて偉大な事に気づく。自分が人を、正しく見ているか?何をベースに人を判断するのか。いろいろ考えさせられる。
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直木賞作家の伊集院静氏が、初めて出会ったプロ6年目の1998年から、米大リーグを引退した翌年の2013年までの15年間に亘る、松井秀喜の心の軌跡を、二人の交流を通して描いたもの。
私は松井選手のファンで、松井選手のことが書かれた本のひとつとして本書を手に取ったが、本書は、ルポライターが有名スポーツ選手の活躍の様子を書いた書籍とは少々趣を異にするものであった。
本書には、まず、伊集院氏が見、感じた、松井選手の“美しい生き方”が余すことなく描かれている。松井選手が大リーグ挑戦を表明したときに、伊集院氏は週刊文春に「戦後、日本がアメリカに送り出すもっとも美しい日本人」と題して、「感動した。と同時に、切なかった。感動したのは、私がこれまで知る限り、若いスポーツ選手が、一時間二十分余り、正確な美しい日本語で、その心中を誠実に語ったのを初めて見たからだ。切なかったのは、これほどファンのことを思い、チームメイトを気遣い、日本の野球界に礼を尽くし、己の望みを通すのに、命を懸けるとまで口にしたことだ。・・・」という文章を寄せたのだそうだが、そうした思いを抱く伊集院氏にして書き得たものであろう。
そして、本書が異なるもうひとつの点は、伊集院静(と奥さんの篠ひろ子)と松井選手の心の交流が随所に描かれており、相手が野球界のスーパースターであることには関わらない、男と男(人と人)の心の交流の素晴らしさを感じられることである。
爽やかな小説を読んだような読後感の得られる一冊である。
(2013年5月了)
著者プロフィール
伊集院静の作品





