絹の家 シャーロック・ホームズ

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制作 : 駒月 雅子 
  • 角川書店 (2013年4月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041104514

作品紹介

ある理由から、当時は公表するのがはばかられた「ハンチング帽の男と絹の家」の事件。これを記録し、ホームズ正典を完成させなくてはならなかった……。ついに書かれた、コナン・ドイル財団公認のホームズ新作長編

絹の家 シャーロック・ホームズの感想・レビュー・書評

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  • あの作品もこの作品も再読したくなる。
    訳者付記にあった著者が自分に課した10か条のルールがぐっときた。
    でもやはり現代っぽさは拭えないなぁと。
    ドイルが今ホームズを書いたらどうなるんだろうか?

  • ドイル先生が亡くなってるのに、「正当なホームズの新作」って何よそれ?!と憤然としながらも、嬉々として購入したのは私ですよ( ^ω^ )ドヤァ…←

    さて、そんなわけで、ホームズの長編です。
    サー・ドイル本人もホームズ物の長編は四つしか書いていないので、その五つ目に並ぶという栄誉に浴することになった作品です!(興奮)
    店頭で見つけてすぐ買った割に、積ん読しておいた理由は、依頼人がアメリカに行って云々語り出した件でちょっと辟易しちゃったからです( ^ω^ )てへぺろ←
    緋色の研究の最後のなっがい語りもね…ちょっと辟易しちゃった口だから…←←

    閑話休題、ちょっとしたあらすじと本編感想です。
    ギャングの生き残りに付きまとわれて困ってるんですホームズさんヘルプミー!とやってきた依頼人。
    その依頼を受けて、亡霊のような男の足取りを追うホームズとイレギュラーズですが、やがてイレギュラーズの一人が不審死を遂げます。
    怒りに燃えるホームズが捜査を進める中で、やがてイギリス社会の暗部を浮き彫りにする驚愕の真相が明らかになるのです、が〜。

    話に色々盛りすぎやなー!!(笑)
    が、読んでる最中ずっと感じてたことですかね〜。
    ホームズがイレギュラーズの少年を殺害されて発奮したり、
    殺人事件の容疑者としてアズカバン(違)に容れられたり、
    マイクロフトが「もー!あんた達の追ってる件まじヤバイから!手を引いて頂戴ほんとにもー!(意訳)」と牽制してきたり、
    しまいには、ワトソンくんが、×××ー××教授(伏字の意味なし)とまさかの邂逅!(笑)

    シャーロキアンには堪らないサービスてんこ盛りじゃないですかホロヴィッツ先生ー!!!
    と、キャッキャしながら怒涛のラストの謎解きパートへ突入したのですが。が。

    この真相は、いくないよお(涙)。

    いたいけな子供が犠牲になる話は好きじゃないのです。嫌いです。
    聖典より巧妙に親切に伏線をまいてたり(この辺は聖典より本格派!)、シャーロキアンへのサービス精神に溢れた展開だったりはすごーく嬉しかったのですが、この一点だけが残念でした。
    読んでる時に、ワクワク感が一気に…萎えてしまったのですよねえ…(T_T)
    学校図書には置いてはいけません、絶対(T_T)

    それでも、昔、図書室で借りた名探偵の意味ありげな言動に、ワトソンくんと一緒になって、「どういうことか説明しておくれよ、ホームズ!なぜ分かったんだ?!」と胸踊らせた大人の皆さんには、読むに値する作品ではないでしょうか。

    この作品が聖典に列せられるに値するのか、それとも今までのパスティーシュ同様の位置に並べるのが相応しいのか、という論争はもちろんあるのでしょうが、それを置いても、一シャーロキアンとしては見逃せません!


    アメリカでギャングとの抗争に巻き込まれた著名な美術商がイギリスに戻り、アメリカで出会った新妻と暮らし始めた矢先、奇妙な男の影が忍び寄る。見覚えのあるハンチング帽の男は、抗争で唯一生き残ったギャングの首領の片割れか?
    事件を追うホームズとワトソンだったが、事態はやがて思わぬ展開を見せることになり…。

  •  さて、難物が角川書店から届いた。献本有難うございます。しかし、それにしても80年ぶりのシャーロック・ホームズとは! かつて小中学時代に夢中になっていたヒーローの物語を、この歳になって読むことになるなんて全然予測していなかった。この意外な機会にどう立ち位置を取っていいのやら面食らう思いでいっぱいになりながら、ぼくはこの本のページを開く。

     君はルパン派か、ホームズ派か? これは、ミステリ・ファンの趣味を判断するときに試してみたりする質問の一つとしてよく使われるものであるけれど、ぼく自身に問いかけてみれば、ぼくはどちらかと言えばホームズ派なのかな。ルパンの物語も滅法面白かったけれど、スリルやハラハラ感が重すぎてきつかった、というのが当時の感覚である。ホームズの方は、短編が多く、その密度感はあるものの、まだ活字体験初心者い近い年齢にとっては、割と気軽に手に取れる物理的にも価格的にも親密感の感じられ、アプローチがしやすかった、という程度のことだったと思う。物語や作品世界の好みということであれば、どちらが自分の好むスタイルなのかとなると、今持って判断し難いところがある。

     君はルパン派か、ホームズ派か? という質問に対し、ルパン派は冒険小説の畑でドラマチックで行動的な物語が好み、ホームズ派は本格推理の代表みたいなもので、室内でパイプをくゆらせながらの謎解きというイメージが湧きがちである。冒険小説&ハードボイルドフォーラムをニフティでやっていた頃、冒険小説はルパン派で、推理小説はホームズ派だ、との意見傾向は確かにあったと思う。その意味では、本格推理がさして好きでもなく、冒険小説よりは、むしろ警察小説やハードボイルドなどの、人間対峙の構図そのものが物語となってゆく分野が好きだったぼくはどうなのだろうか。ホームズ? ルパン? いや、そのどちらでもないし、部分的には、どちらでもあり得るのか、という、せいぜいお茶を濁すくらいの結論になってしまうのも事実。中学時代にはマイク・ハマー派だった、とか87分署派だったなんて人も実際にいっぱいいたくらい。人間や作家を単純化すればどこかで綻びが出るというもの、である。

     さて、本書であるが、ドイル作品に関する著作権の認定管理をしているコナン・ドイル財団が公式に認定した初のシャーロック・ホームズ続編ということで、それなりに読書家としては血が騒ぐ本ではある。少なくとも、かつて中学時代にホームズを全作読んでいるぼくのような世代にとっては。そうでない人がこの本を手に取ってどう受け止めるのか、ぼくにはよくわからない。例えば映画化されたシャーロック・ホームズについて言えば、いずれの時代の作品にもついてゆけないできたぼくには、ホームズを知らない世代が映画をどのように楽しめているのかも、よくわからない。無論、この本との出会いを機に、最近のホームズ映画にも好奇の眼を向けようという心情は生まれ出でつつはあるのだが。

     さて、最初に、本書を難物と書いた理由である。それは一言で言えば、時間的な隔たりだ。この本を読む時間と、かつてホームズを読んだ時間を隔てる半世紀近いぼくの中の時間の。もちろんこれを書いた作家ホロヴィッツはさらなる客観時間である80年間の隔たりを縫い合わせてみせねばならなかったのだが。

     ホームズの新シリーズに当たる本書には、過去の作品の登場人物やエピソードがたっぷり出てくる。にも関わらず、ぼくはそれらの昨日今日に読んだわけではない記憶を、薄霧に包まれたような過去への分厚いカーテンを透してしか視ることができない。ましてや記憶を引っ張り出すためのヒントとなるであろうドイルの本が手近に一冊でもあるわけじゃない。なので、様々な登場人物をネットによって改めて調べ直し、作品の数々をざっと見渡してみることしか当面のぼくにはできなかった。それでも、さすがにインパクトの強い一時期に読んだシリーズである。印象的なホームズ最後の事件についても、彼の復活にしても、他の印象的な長編作品たちにしても、よく思い出すことができるのだ。名作に万歳!

     本書を読む限り、あの頃手にした文庫本のホームズに比べると、随分と大人びた世界の、大人びた悪徳の物語をよくぞ作り出したものだなと思えるし、これに対して管理財団が寛容にもOKを出したもの、と思われるのだが、本書の対象は少年たちではなく、かつて少年だった我々のような世代の読者を対象にしているものなのかもしれない。そもそものホームズがどの世代を対象に書かれていたものなのかは、今のぼくにはよくわからないが、ぼくの中では完全に少年を魅了するシリーズとしての印象が強すぎるために、この違和感に最初から捉えられてしまった次第。内容は、現代小説に比しても相当残酷で非情極まりない。時代背景も舞台となる世界も、リアルなほどに暴力の匂いが充満し、文明的退廃の匂いすら感じられる卑しき街なのである。

     気品、退廃、貧富の差。かつてのホームズ作品からは、あまり感じられなかった、否、少年の目を通してはわかり得なかったのかもしれない大人たちの闇の部分に、果敢に挑むホームズとワトスンの二人の姿を、大人の目で見つめなおすことで、現代を見つめ直す眼差しのあり方のようなものが、この作品によって喚起されれば良いのかもしれない。シャーロック・ホームズという奇人でもあり、天才でもある人間と、それを書き留める伝記作家・ワトスンの有する細やかな人間性との、両方の繊細が改めてじっくりと書かれた、謎解きばかりではなく、人間性重視の新ストーリーに仕上がっているのが、この主人公の新たな軌跡となったのだと言ってしまってもいいだろう。これまでホームズを全く読む機会がなかった人にとって、本書がシャーロック・ホームズという魅力的で多くの少年少女を虜にした探偵小説に接する何らかのきっかけになってくれることを、かつてこのシリーズに夢中になったことのある少年だったぼくは、願ってやまない。

  • ホームズの新作。結末はどこかで聞いたことがあるような感じがしたが、久しぶりにドキドキした。もう一度読み返したい一冊。

  • 正典の設定そのままの、安心して読める正統派パスティーシュ。
    あとがきによれば、派手なアクションやホームズのロマンスなどをあえて排除して、正典らしさを追及して書かれたという。突飛なパロディも多いので(それも面白いけど)、これはありがたい。
    長編らしく起伏がある冒険譚だったが、ストンとまとまった短編も読んでみたい。

    イレギュラーズの少年が巻き込まれた犯罪の内容には不快感…。正典ならこんな事件は書けないだろう。(だからこそワトスンも世間に発表せず、老後に書き残すという設定なのだが…)

  • ホームズシリーズそのもの。ファンは必読。

  • ホームズものパスティーシュ。
    ワトソンのあとがき後の作者あとがきの十戒に唸らされる。
    というか、パスティーシュものでこの十戒に引っかかるものって読んだことないですな。

    面白かったとは言いづらい内容(話の方向性的に)ですが、面白かったです。

    原作よりも世界観というか時代設定について詳く書いているのは、やはり原作と違うなあと思うけれど、老齢のワトソンが過去を懐古しつつ書いていると考えるとちょっと納得がいくなあと。

  • この作者自体が好きなのでホームズの公式?と思いつつ読んだら、結構ドイルっぽいパスティーシュになってた。

    晩年のワトソンが当時は発表できなかったという話。
    なのでちょっと当時としては発表はありえなさそうな事件内容になってる(ドイル的には考えもしなかったんだろうなこんな事件)
    その辺が少し現代的といえば現代的かもしれない。

    おおむね読んでて面白かったしニヤニヤ出来たので良かった。

  •  “獲物が飛びだした―”

     不審な男の影に怯える美術商の男。ホームズはベイカー街別働隊の少年達に捜査を手伝わせるが、1人が犠牲となってしまう。死体の手首に巻き付けられた絹のリボンと、「ハウス・オブ・シルク」という言葉。ワトスンが残した新たなホームズの活躍と、戦慄の事件の真相とは。

     「僕から見れば、きみは開いた本も同然なんだよ」ホームズ

     本シリーズの魅力は何と言っても冴えきったホームズの推理。相手を一目見ただけでその人となりを掌握するその鮮やかな手腕は、80年ぶりとなる新作でも如何なく発揮されています。

     「なんとしてもやり遂げなければ」ワトスン
     
     ホームズ物語の語り部であり、作品の著者であるワトスン。ホームズの掛け替えのない相棒にして第二の主人公である彼の活躍も非常に見どころ。今作ではホームズのピンチにおいてかつてないほど重要な役割を担うことに。

     「あれが消滅することを切に願っている」数学者

     謎が謎を呼び幾重にも入り組んだ事件に関わっていく中では、過去作の登場人物も思わぬ形で姿を現します。シリーズの王道を守りながらも、他の作品を知っていればいるほど楽しめる演出もあり。

     コナン・ドイル財団により、本人以外の作品で初めて正式に認可されたシャーロック・ホームズの物語。マイクロフトやレストレイドなどのお馴染みのキャラクターに、二転三転する真相。ファンは必読、知らない方も大いに楽しめる超傑作ミステリー。

     そんなお話。

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