- 本 ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041104514
作品紹介・あらすじ
ロンドンの美術商がアメリカで凄絶な事件に巻き込まれた。からくもイギリスに戻るが、新妻を迎えた家に忍び寄る不審な男の影。ボストンのギャングが追ってきたのか?相談を受けたシャーロック・ホームズは、「ベイカー街不正規隊」の少年たちに探索を命じるが、その一人が命を落とし、怒りに燃えるホームズを新たな罠が待ち受ける。「ハウス・オブ・シルク」の戦慄すべき秘密とは? 衝撃の事件がいま、明らかになる。
感想・レビュー・書評
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本作は『カササギ殺人事件』、『メインテーマは殺人』で一昨年、昨年、賞を総なめにした作家、アンソニー・ホロヴィッツが書いた、アーサー・コナンドイルの財団が初めて認定した61作目となる、80年ぶりのシャーロック・ホームズ最新作です。
私はホームズのシリーズは長編を全部と短編集を数冊読んでいますが、また、昔のホームズと新たに再会できるとは思いませんでした。
アンソニー・ホロヴィッツの才能は並ではないと思いました。所々に昔のホームズの作品名が出てくるのも楽しく、文章は本家本元のコナン・ドイルより、現代的で読みやすかったです。
エドマンド・カーステアーズという美術商の家であるリッジウェイ・ホールを狙っていた双子のギャングの一人キーラン・オドナビューが泥棒に入り50ポンドの現金とネックレスが盗まれます。リッジウェイ・ホールにはカーステアーズの他にアメリカ人の妻キャサリン、姉のイライザが住んでいますが、イライザはホームズにキャサリンのせいで母は自殺したのだと訴えます。
一方、ホームズが少年たちに捜させると、キーラン・オドナビューがナイフで刺されているのが発見されます。
それを見つけた、少年ロスは行方をくらまします。ロスは殺人者を見て強請を働くつもりであり、ロスが危険にさらされているとホームズは確信します。
ロスにはサリーという姉がいてパブで働いていました。サリーを訪ねるとサリーは「ハウス・オブ・シルクからきたんでしょ」と言い放ち、ワトスンはサリーに刺されてしまいます。
ロスは撲殺されて見つかりました。
そして手首に白いリボンが結ばれていました。
すでに7週間前に、ホームズの元へシルクのリボンが入った封書が届けられていました。
そして、ライムハウスというアヘン窟に乗り込んだホームズは、罠にかかり、サリー・ディクスンを撃ち殺した犯人とされてしまい、絶体絶命のピンチに陥りますが、さらなる危険がホームズを待っていました。 -
常々読書家ひまわりめろんの血は北杜夫先生と星新一先生で出来ていると吹聴しておりフォローして頂いている方の中にはご記憶の方もいらっしゃるかと思われますが
ひまわりめろんの心臓はといえばコナン・ドイルとモーリス・ルブランで出来ているのです
出来ているのです
特に誰も興味ないかもしれませんがそうなのです
当時小学校の図書館や市の図書館には必ず児童文学としてシャーロック・ホームズとアルセーヌ・ルパンのシリーズがあり
小学生のひまわりめろんはその冒険譚にまさに胸踊らせて読みふけったものでした
なのでホームズとルパンには一家言ありますよ!!!
と、言いたいところですが例によってほとんど忘れているわけですね
なのでこの物語がどの程度本物の雰囲気を踏襲しているかというと「よくわからない」というのが正直なところですが
あれ?こんな感じだったっけ?と思ったのもやはり正直な感想です
アンソニー・ホロヴィッツ
そんなにコナン・ドイルの作風に寄せようとしてないんかな?と思いました
でもそこはアンソニー・ホロヴィッツ
ミステリーとしてそもそも一級品の出来栄えで唸らせます
そして何より
アンソニー・ホロヴィッツ…ホームズ大好きじゃないかこれ!
ホームズというかホームズシリーズにとんでもないい愛情を持った人じゃないとこの物語は生み出せないですよ絶対
感涙ものの登場人物たちが魅力爆発だし
一番の見どころはホームズと兄マイクロフトとの会話のシーンでもうニヤニヤしっぱなしです
凄い面白かったです
ただ「そんなに寄せてないよね」って感想が的を得てるかどうか自分の目で検証が必要だね
ホームズ要再読や!!
ブックリスト作ろうw
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コナン•ドイル財団が認めた61作目のシャーロック•ホームズ作品。著者は「カササギ殺人事件」や一連の「ホーソーン&ホロヴィッツもの」を書いてきたアンソニー•ホロヴィッツ。(ホーソーンは、本書を読んで余りお気に召さなかったことをホロヴィッツに直接言っていたけど)
それでもやはり良く出来ています。
アメリカで起きたトラブルが元で不審な人物から狙われていると相談に来た美術商の男性。帰国途上で知り合った女性と結婚した彼の周辺を調査するために、ホームズは"ベイカー街別動隊"を動員する。だが、事件現場を見張っていた少年の一人が行方不明になって…。
著者らしい、"事件の入れ子状態"で物語が展開します。そして窮地に陥ったワトソンの前には"あの男"も現れます。
著者は本作を執筆する上で、基本ラインとなる前提条件を10個設定したそうですがそれが上手く嵌って、『現代的な視点でも読めるシャーロック•ホームズ作品』になっていると思います。
…そして私は、コナン•ドイル本人の文章よりも、ホロヴィッツの文章の方が肌に合うという事に気付いたのでした…。
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アンソニー・ホロヴィッツによるコナン・ドイル財団から認定された新しいホームズ長編。
本書は、シャーロック=ホームズ亡き後の老境のワトソンが、かつてホームズの活躍で解決したものの様々な方面への影響が大きすぎる、と金庫にしまい込んでいた事件の記録を公表した、という体裁で描かれている。
結婚し、ホームズとの同居生活を解消したワトソンが、妻の一時不在のためしばらくホームズのもとに身を寄せることになる。そこに飛び込みでやってきたのは、画廊の共同経営者カーステアーズ。彼は、高価な絵画の取引でトラブルに巻き込まれ、命を狙われているという。ホームズとワトソンは、彼の命を狙っているキーラン・オドナヒューという悪党の足取りを浮浪少年たちで結成された“ベイカー街別働隊”に頼むが、彼を見張っていたロス少年が行方不明となり、さらには“絹の家”という謎の言葉が残される。ロスの行方は、そして“絹の家”の正体とは。
もうだいぶ昔にはなるが、シャーロックホームズに夢中になって全シリーズを読み通した。新しいホームズの長編、と聞いて楽しみ半分、不安半分だったが、私の中にあるホームズのイメージを壊されることなく楽しんで読むことができた。
アンソニー・ホロヴィッツの本は情報量が多いので、最初のとっかかりに時間がかかるが、一度ストーリーに入り込むとぐいぐい読み進められる。どことなくうさんくさいカーステアーズ氏の家族、ロス少年の過去、禍々しさを感じさせる“絹の家”など、複数の秘密がストーリーを引っ張っていき、ホームズによってきれいに収束される展開は見事である。
絶体絶命の危機に陥ったと思わせて不死鳥のごとく蘇るホームズに、往時のホームズの活躍を思い出してうれしくなった。
ストーリー自体は当時のイギリスの闇を描いた陰惨な内容で、解決後もしこりのようなものが残る。パスティーシュにそれほど興味はなかったが、現代だからこそ描ける当時の風俗がある、と考えれば、亡くなった作家の最新篇を読む、という単純な楽しみ以上の意味もあるのかもしれない。 -
以前からこの本の存在は知っていたのですが、ようやく読むことができました。ホロヴィッツのホームズ!
物語の始まりはホームズらしくスタートしましたが、徐々にホロヴィッツ感満載の展開に。
最後の物語の収拾は流石ですね。
是非、もう一冊書いてほしいです。 -
ホームズの死後にワトソンが書いた、当時公表するのがはばかられた〈ハンチング帽の男と絹の家〉の事件簿。
とてもおもしろかった!
一目見ただけで、さまざまな情報を読み取ってしまう、ホームズの魔法のような観察力と推理力。
少し難しいその気質と、ワトソンとの関係性。
次から次へと現れる手掛かりに、絶体絶命の危機。
クオリティが高いパスティーシュで、本物のシャーロック・ホームズ本のよう。
さすがコナン・ドイル財団から認定された作品。
オリジナル作品のエピソードや、おなじみの登場人物が、そこかしこにあらわれるのも、たのしい。
訳注もていねいで、細かい元ネタもわかりやすい。
扱う事件のひどさや、社会的な背景など、問題の重さが、やや現代的。 -
ホームズの新作?という期待値あがる触れ込みで逆に読んでなかったが、よく考えたら子供の頃読んだのとBBCドラマ『シャーロック』の印象しかないので普通に楽しめた。ホロヴィッツはすぐに物語の世界に引き込む筆力あってもっといろいろ読みたい。
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財団認定の、ホロヴィッツが描いたホームズ最新作。
美術商絡みの捜査を依頼されたホームズ。
その捜査を手伝ってくれた少年が殺された。
キーワードは絹のリボンと絹の家。
これらは一体何を意味するのか…。
ホームズの捜査、危機からの脱出劇はなるほど…と、眉間にはうなる面白さのシワがより、たどり着いた真実に眉間には嫌悪のシワがよる。
絹の家という悪魔にホームズが去り際に放った言葉には思わず拍手を贈りたくなるほどだった。
ワトスンがホームズの胸のうちを思い綴ったあとがきも良かった。満足な探偵小説。-
新しいホームズ?イメージは昔のままかしら?
ホームズファンは嬉しいよね✧*。(ˊᗜˋ*)✧*。
私はどちらかというとルパン派。
いつか...新しいホームズ?イメージは昔のままかしら?
ホームズファンは嬉しいよね✧*。(ˊᗜˋ*)✧*。
私はどちらかというとルパン派。
いつかルパンも出てくるかしら(笑)
カササギの人なんだね!それは期待大ヾ(≧∪≦*)ノ〃2019/09/25 -
けいたん♪こんばんは♪
おー!ルパン派♡私もルパン好きだなぁ。
なんか現代っぽくイキイキとしてる感じ。
財団から認定されちゃうって、なん...けいたん♪こんばんは♪
おー!ルパン派♡私もルパン好きだなぁ。
なんか現代っぽくイキイキとしてる感じ。
財団から認定されちゃうって、なんかすごいよね♪
カササギの作家さん、目が離せないわ〜(*≧∀≦*)2019/09/25 -
くるたんさん♪こんにちは。
ご紹介ありがとうございました。
面白かったです(*^^*)
この作品は『メインテーマは殺人』の文中でも...くるたんさん♪こんにちは。
ご紹介ありがとうございました。
面白かったです(*^^*)
この作品は『メインテーマは殺人』の文中でも紹介されていたけれど、私はくるたんさんのレビューで知りました。
アンソニー・ホロヴィッツの他の2作に優るとも劣らない佳作だと思いました。
もっと、有名になって読む人が増えてもいい作品ですよね。
ホームズが、ちょっと現代的になって帰ってきたかんじでした。
おなじみのホームズの変装シーンまであって、サービス精神があるなぁと思いました。2020/03/10
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著者プロフィール
駒月雅子の作品






コメントありがとうございました♪
楽しまれたみたいで良かったです♪
私も「メインテーマ…」で触れられていた時、思わ...
コメントありがとうございました♪
楽しまれたみたいで良かったです♪
私も「メインテーマ…」で触れられていた時、思わずニンマリしちゃいました♪
やっぱり現代的で読みやすく仕上がったホームズなんですね( °艸°)
変装シーンも良かったですよね♪
哀しみ、怒りを感じる作品だけれど、楽しめました(*≧∀≦)
こんにちは。
コメントありがとうございます。
まことさんが、ちひろさんの絵が好きだから、この画集はどうかなと思っていま...
こんにちは。
コメントありがとうございます。
まことさんが、ちひろさんの絵が好きだから、この画集はどうかなと思っていました。
私は、 「ちひろ 花の画集」は、いいですよ。
子供たちの顔が、柔らかくて儚げなのに力強さも感じ、その目が、お顔が、私の内側を見ているような感じがしました。
仏さんに見られているようです。
是非見てください。
やま
おはようございます。
コメントありがとうございます。
いわさきちひろさんの画集は、初めて手に取りました。
十数年前に...
おはようございます。
コメントありがとうございます。
いわさきちひろさんの画集は、初めて手に取りました。
十数年前に妻と一緒に東京の「ちひろ美術館」へ行った時より、今の方が強く印象を受けるようです。
私は、いわさきちひろさんの画集をこれからも少しずつ見ていこうと思っています。
まことさんが知っている画集も出て来ると思います。
それと、私の感想は、感じたまま書いているだけです。
基本は、「記録」として次に読むときに、どんな本だったかなということの覚書で書いています。
やま