人外境ロマンス

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感想 : 39
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  • 本 ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041104729

作品紹介・あらすじ

理想通りの素敵な彼。しかし、彼には裏の仕事が!?(かわいい狙撃手)さみしい少年時代、たったひとりの友達は、人を殺す妖怪だった(いとしいくねくね)。ヒトと、人外の存在のせつない恋と謎を描いた連作集。

感想・レビュー・書評

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  • 文庫タイトルは「つめたい転校生」の一冊。

    良かった。すごく癒された。

    6話の、人外さんとのちょっとしたミステリアスな出来事。

    もしかして…とドキドキはもちろん、思いもよらぬ鮮やかな展開にハッとしてgood、せつなさにキュンとしてgood。

    そこに絡む謎解き、この絶妙なさじ加減がまたgood。

    締めくくりもどれも綺麗なのがまた印象的。

    しみじみ、北山さんのこういうテイスト、好き。

    せつなさがたまらない「いとしいくねくね」、優しい想いにキュッときた「はかない薔薇」、可愛い未来を感じる「ちいさなピアニスト」がお気に入り。

  • これ、すごく好きです。
    タイトル通り、人外であるものたちの出てくるロマンス、6篇。

    「かわいい狙撃手」
    「つめたい転校生」
    「うるさい双子」
    「いとしいくねくね」
    「はかない薔薇」
    「ちいさいピアニスト」

    どれも好きなのだけど、特に好きなのが「かわいい狙撃手」。
    一本目からキュートでキャッチー♪
    狙撃手の正体が文字通りかわいいんです。本当にかわいい!

    そして「うるさい双子」。
    人外のものは妖怪なのだけど、この妖怪がメインで取り上げられたお話って初めてでした。
    夢がとても幻想的で哀しい。
    夢の中ででも会いたい人。夢でしか会えない人。
    出てきて嬉しい、だけならいいけれど。

    もうひとつ「いとしいくねくね」。
    くねくね、って何だろう?
    くねくねという言葉と、もたらす災厄から思い浮かんだ怪物はいるのだけど、あぶらげ好物では、絶対ない。見た目(?)も違う。
    と、気になって思わず検索してしまった。ほうほう、都市伝説なのね。
    お話は、切ないけれど余韻があって好きです。
    ハッピーエンドならもっと好きになるのだけどなぁ。


    北山さん初読み。
    好きか地雷かの両極どちらかだと「クロック城」を長く積んでいるのだけど、これを機会に読んでみようかな。

  • 以前、フォロワーさんにおすすめいただいてからずっと読みたかった本をやっと図書館で見つけて借りてきた。
    人間と人外の可愛いロマンス物語。人外だけれど怖さとかはなく、こんな事が本当にあったら楽しそうと思うような内容。文章もとても読みやすく面白かった。漫画化されたら似合いそうな感じ。
    特に双子の話は、本来の妖怪(枕返しと言えば『ゲゲゲの鬼太郎』のEDで見たおどろおどろしい姿が浮かぶ…)のイメージをかなり覆すもので良かった。

  • 図書館で煽り「ヒトとヒトデナシが恋した謎が生まれる」に惹かれて、初めての人。

    「かわいい狙撃手」がよかった。
    小説というよりは漫画に近い印象だけど。
    羽が生えてるか聞かれた時の彼が可愛かった。

    「はかない薔薇」の「何故かその女を以前から~」という伏線が分からなかったけど、薔薇=麻里ってことなのかな?

    全体的にレベルが高くほっこりする話が多く読むのが楽しかった。

  • 少しミステリアスな恋愛

  • 短篇6作からなる、切なかったり微笑ましかったり寂しかったりする、人と人ならざる者の淡い恋の話。 表題作はないが、文庫化した際には「つめたい転校生」となっていた。
    北山先生は、ほわっとした掴み所のない魅力を持つ男の人の描写が上手い。見つめる女性の視点を書くのが上手いというべきか。
    ミステリー色が濃いのは「つめたい転校生」と「はかない薔薇」

  • タイトルからはどこか一抹のおどろおどろしさを感じるかもですが、中身はとてもでポップで純粋な、人と人でないものの、恋の短編集。
    ほんのり悲しかったりさびしいお話もありますが、トータルの印象はとてもあたたかで、優しい雰囲気だったな…。
    すきです。

  • まさにタイトル通りの内容。短編集でどの話も良かったけれど「いとしいくねくね」が一番印象に残った。オチは何となく想像していたが、最後の一行が非常に切ない。「ちいさなピアニスト」はまさかまさかの展開。良い意味で期待を裏切られたけれど、ほのぼのしていて良かった。

  • 私はハッピーエンドが好きです。
    なので、この本読んでてとても、うん。
    なんというか。

    恥ずかしいっすね。
    人に恋をするとか一目惚れとかだれかを想うとか。
    全くわからないのです、私。
    なので、なんというか疑似体験的にそんなことを読んで、恋する人の考えを見て。
    うわぁ甘酸っぱいってこういうことかー。
    となってます今。

    短編集ですが、中では「はかない薔薇」が好き。

  • タイトルの通り、「人間でないもの」と「人間」のロマンスの短編集。かわいいキュンキュンから、少しゾワっとくるものまで、同じロマンスという題材でも、とても幅広い。私はきちんと読んだのは2編だけで、あとは流し読みしてしまいました。この作家さんの文章は好みだし、「人でないもの」もいいのですが、恋愛ものが苦手というのが所以。

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著者プロフィール

2002年、『『クロック城』殺人事件』(講談社ノベルス)で第24回メフィスト賞を受賞しデビュー。代表作として、デビュー作に端を発する一連の〈城〉シリーズなどがある。

「2022年 『月灯館殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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