偽文士日碌

  • 角川書店 (2013年6月28日発売)
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  • 本 ・本
  • / ISBN・EAN: 9784041104736

作品紹介・あらすじ

後期高齢者にしてライトノベル執筆。芸人とのテレビ番組収録、ジャズライヴとSF読書、美食、文学賞選考の内幕、アキバでのサイン会。リアルなのにマジカル、何気ない一コマさえも超作家的な人気ブログ日記書籍化!

感想・レビュー・書評

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  • 表紙の貫禄がwww
    ロシアンルーレットの経験が数回あるんじゃないかという相変わらずの極道親分顔。

    作家だけでなくバラエティに出たり役者をしたりと、マルチに活躍する筒井氏が書いたブログを(多分殆ど)そのまま掲載したエッセイ。

    割と似たようなことが繰り返されてる日記なのにイヤに読ませる。
    出演したテレビ番組の感想、嫌煙ファシズムへのボヤキ、時事ネタ、震災などが時代(つっても4年くらい前まで)を感じさせる。

    "後期高齢者"と書かれてる筒井氏だけど、年齢の近い人達が次々と亡くなっていき、それを書き綴る箇所がいくつかあるけれど、同年代ゆえの寂しさがひしひしと。

  •  よく食べ、よく飲み、よく吸い、とにかくよく働く筒井さんの日記集。作品の裏話はもちろんだけど、私がよく見ている出演番組の裏話も読めるのは嬉しい。また、筒井さんが同じ関西圏の人のため自分の行ったことのある場所が出てきたりするのも楽しかった。私としては、超作家的な日常を知れたのも良かったけれど、たいていどこへ行くにも一緒の奥様とのやり取りから円満さを伺うことができたのも収穫だった。

  • 著者の日常が書かれているだけなのだが、なぜか面白い。
    奇をてらった登場人物やストーリーに頼ることなく読ませる、ということは、文体そのものの面白さなのだろう。おかずなしでも美味しい究極のごはんのようなものかも。

  •  ブログをまとめただけの本だが、出版業界や著者の友人たちが実名で登場し、作家のふだんの生活ぶりが垣間見えて、そこそこ興味深い。本に収録されている日記以降も含めてプログで読めるので、わざわざ買う必要があるかどうか。

     喜寿を迎えてなお多忙な日々を送っている。それにしても著者も書いているように「なんでこの歳になって、俺はこんなに人気があるのか」。それは、時代がようやく筒井康隆を受け入れられるようになってきたからではないか。最近はやや毒が抜けているかもしれないが、アナーキーでニヒルで貪欲な気質は、大衆に迎合する姿勢とは正反対でもてはやされるのだろう。

     神戸と東京の二つの自宅を往復する優雅な暮らしぶりや豪勢な料理の数々がこれでもかと登場し、すさまじい健啖家・愛煙家ぶりを発揮しているが、不思議と上から目線にならないのは、資源ゴミを出す日を忘れたりと人間くさい面が書かれていたり、奥様への愛情・気遣いがにじみでているからだろう。

     学生時代のアルバイトで、氏のある作品の校正をしたことがあるが「なんていう発想の作品なんだ」と感嘆したことを覚えている。氏が企画したベティ・ブープの映画祭も懐かしい。

  • 旅、食事、酒、テレビ出演、そして執筆。すべて実に旺盛。

  • ASAHIネット運営の「笑犬楼大通り」の
    日記コンテンツ「偽文士日碌」を書籍化したもの。
    今日現在 web 上で、 2008 年 6 月 27 日から
    2013 年 10 月 28 日までの日記が公開されているので、
    そちらを読めばよろしい。

  • 七十後半でありながら、恐るべき活動量、健啖さ。執筆、旅行、酒、煙草、美食。ストレスないのが健康の秘訣とのこと。マッサージをよくしているのも効いているか。
    大江健三郎と良くはがきをやり取りしている。井上ひさしも死んでしまった。この三人はよく読んだなあ。
    美味食べまくり、正月は高級ホテル宿泊などの完全ブルジョア生活にあこがれるかどうかは微妙だが、筆者にとってはこれが一番ストレスがないのだろう。長生きしてほしいものだ。

  • パワフルな日常に感動。筒井康隆の日記、大好きです。

  • ウェブで公開している著者の日記をまとめたもの。ウェブだとどうしても全部読む気にはなれない(読みにくい)のだが、これはこれで一気読みできてオモシロい。作家と編集者との付き合い方など参考になるそうなならないような。

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著者プロフィール

筒井康隆……作家、俳優。1934(昭和9)年、大阪市生まれ。同志社大学卒。1960年、弟3人とSF同人誌〈NULL〉を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が〈宝石〉に転載される。1965年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。1981年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、1987年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、1989(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、1992年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。1997年、パゾリーニ賞受賞。他に『家族八景』『邪眼鳥』『敵』『銀齢の果て』『ダンシング・ヴァニティ』など著書多数。1996年12月、3年3カ月に及んだ断筆を解除。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞。

「2024年 『三丁目が戦争です』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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