撲撲少年

著者 :
  • 角川書店
3.00
  • (2)
  • (9)
  • (17)
  • (9)
  • (2)
本棚登録 : 85
感想 : 22
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041104774

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 大学の進級に必要な単位がふたつ足りない。厳格な父親にそれを報告した主人公・勇吾は、父の知人に部屋を借りて自ら学費を溜めることに。アルバイト先のカレー屋で偶然出会った昔馴染みの湊を通じ、現在は総合格闘技に入れ込んでいるというかつての友人・鉄也に出会う。安易に鉄也との勝負に挑んだ勇吾はしかし、彼によってこてんぱんにのされてしまい――。

    といういきさつから始まる物語。それから勇吾は悔しさに押されて総合格闘技のジムに通い始めるけれど、徐々に純粋に楽しさを感じるようになり、やがて強さを求めていくようになる姿は見ていてとても清々しかったです。始まりは負けん気と湊への想いだったけれど、彼を支えていたのは教義そのものを楽しむ心だったのかな、と。ラストの展開には最初うーん? と首をひねってしまったんですが、そう考えてみると納得できるような気もします。
    ジム「アライアンス」の人々も、皆個性に富んだ青年たちでした。特に妻と娘を持ちながら強くなることに誠心する孝さん。勇吾に総合格闘技の基本を教えるときの娘さん・琴音ちゃんとのやりとりには頬が緩んでしまいました。「こと、ぱんちぱんちするぞ」が心に残っています。和む親子だ……。小さい子がミットをつけてしっかりしたジャブを繰り出すのがとても可愛らしくて好きでした。
    誰もが自分自身のやり方で、それでも強くなろうとしている。終盤で口に出される、“他人のために”だなんて言葉は信用できない、というような台詞が、この一冊を表しているようでした。始まりは他人でも、自分自身のために、皆、戦っていくんだろうな。

  • 何で「僕僕」?
    内容も…。
    途中で読むのを止めようか悩みながら最後まで読みました…が、失敗。

  • MMA Boys を改題したのはどうしてでしょう?

    くるすの残光の登場人物のように、やるべきこと、やらねばならないことを持って生きている人だけじゃない。
    僕僕先生の王弁のように、何のためなのか自分でも分らずにそれでもなぜかそうしてしまう。
    そこが僕僕少年との共通点なのでしょうか?

  • 僕僕先生から、本人がぱくって、撲撲、なんてひねりが無いんだと思い、読んでみたら、タイトル以上にひねりが無くて全く興ざめ。兎に角、主人公とその幼馴染との因縁ということで話の骨格を作っているが、その因縁も全く響かず、何をもってしても、この3人に全く魅力が無いので、感情移入ができない。主人公が留年を機に、その生き方を変えるというのはない話ではないが、その変え方が余りにご都合主義的に周りの人々に恵まれすぎるぐらい恵まれ、本人の努力も何も感じられずに、何故にここまで優遇されるという話が、本当に独りよがりで全く詰らない。格闘家とかカレー屋の女主人とか脇役にはキャラがたった人々がいるだけあって、非常に残念な作品である。お勧めできない。

  • 格闘技の青春もの。
    久しぶりに会った幼なじみの不思議な強さに熱くなり、チャレンジする。

  • うーーーん。
    主人公と、ジムやバイト先の人たちとの交流はおもしろかったんだけど、肝心の幼なじみ二人との関係性がいまひとつ理解できなかった。
    なんで彼はあんなに主人公に勝つことに執着したのか、彼女はどんな気持ちで主人公を応援したりしていたのか???

  • 単位が足りず留年した主人公・勇吾が、格闘技と出会い、新たな生活をスタートさせる。カテゴリーとしては青春小説。勇吾の周りには魅力的な人がたくさんいるのに、読み終わってみるとあまり印象に残っていない不思議。特に幼なじみの湊と鉄也。この二人が話の肝だから、もう少し丁寧に書いて欲しかったなぁとも思う。鉄也が執着した割に、過去のパンチが弱すぎてなんだか消化不良。話としてはおもしろいから、幼なじみのトライアル関係はなくても良かった。

  • なんだかなぁな感じ。

    鉄也の無邪気な中に狂気を秘めたところは、本来なら魅力的だと感じるであろうところ。それを全然活かしきれてないように思う。もっとうまい魅せ方があったはず。
    ヒロインである湊にいたっては、もう彼女が何を考えているんだかさっぱり。彼女を巡って、幼馴染二人が対立するっていう構図もしっくりこない。そもそも取り合っているのかどうかも謎だし、それだけ二人の男を惹きつける要素もあるとは思えないほど中途半端なキャラクター。

    タイトルも「僕僕先生」に関係ないのに、あえてこのタイトルにした意味がちょっとわからない。しかも20過ぎて少年って、これまたおかしな話。

  • 計算間違いで単位が足りず、大学を留年することになってしまった勇吾。
    厳しい父親は一年間仕送り無しで学費も自分で払って過ごせという。
    困り果てた勇吾は父親の山仲間に助けられ、住居とアルバイトを手に入れる。そのアルバイト先に懐かしいかつての幼馴染がやってきて、勇吾は総合格闘技の世界を知る。
    王道のスポーツ青春小説だな、というかんじ。
    ヒロインの湊がいまいち最後までつかめなかったなぁ。

  • ごく平凡な少年が格闘技と出会ってぐんぐん成長していく話。

全22件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

1973年大阪府生まれ。信州大学人文学部に入学後、北京に留学、2年間を海外で過ごす。2006年『夕陽の梨─五代英雄伝』で第12回歴史群像大賞最優秀賞、同年『僕僕先生』で第18回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。「僕僕先生」シリーズは読者の圧倒的支持を集め、ベストセラーとなる。著書に「千里伝」シリーズ、「くるすの残光」シリーズ、「黄泉坂案内人」シリーズ、「立川忍びより」シリーズ、『撲撲少年』『真田を云て、毛利を云わず 大坂将星伝』『三舟、奔る!』など多数。

「2022年 『モノノ怪 執』 で使われていた紹介文から引用しています。」

仁木英之の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×