高校入試

著者 :
  • 角川書店
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感想 : 288
  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041104798

作品紹介・あらすじ

名門橘第一高校の入試前日、教室の黒板に「入試をぶっつぶす!」の貼り紙が見つかる。迎えた入試当日。振り回される学校側と、それぞれ思惑を抱えた受験生。謎に充ちた長い長い一日が始まった……。

感想・レビュー・書評

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  • 高校受験を経験した子どもがいる親としては、こんな感じで高校側が毎年受験を行っているのだとしたら、ちとショックである。
    狭い世間のあり方…いまだに村社会なのだなぁ…と思ってしまった。

  • --高校入試をぶっつぶす--

    県内有数の進学校『橘第一高等学校』に合格した者は、
    学習机を捨てる習慣がある。
    その学校に合格すれば将来は約束されたようなもの
    それを祝う為の儀式の様なもの
    そんな高校の高校入試の前日から不穏な動きが…。
    黒板に『入試をぶっつぶす』の大きな貼紙が…。
    そして、入試当日も様々な事件が起きる…。


    主に入試に関わった複数の先生が、次々と語り手となり
    移り変わりながら物語は進む
    同時に掲示板に誰が呟いたのかわからない書き込みが進んでゆく。
    語り手が目まぐるしく変わる為、誰が誰かわからなくなった…。
    相関図もあったが、年齢もわからず
    余りにも激しく語り手が変わる為、確認するのも面倒で
    何となく読み進めてしまった(´д`|||)


    教師の姿にうんざり
    誰一人、受験生の事など考えていない…自分、自分、自分
    そんな内容が延々と続く事や
    学校ってこんなの…教師ってこんなの…
    また、一高OBの教師の愛校心も、とっても嫌なものだった…。
    一人の人生の価値がそこで決まってしまうようなことですか?

    掲示板の言葉は、どれもこれも他者を貶めれば何でも良い。
    泥を投げつけているような文章ばかり…。

    小さな問題は無かった事にされる。
    余程大きな事件が起きないと学校は真剣に動かない。
    正体を現さない。

    ラストには驚かされましたが…。

  • 珍しく湊かなえ独特のトゲトゲしさとか毒々しいものがなく、ちょっと驚きました。
    だからと言って面白みに欠けることは全然なく、いつもの様に読み始めると止まらなくなってしまって一気に読了。

    登場人物が次々に切り替わっていくところや、同時進行でネットの掲示板の書き込みが表示してあったりと、リアルタイムで物語が進んでいるかのように感じてドキドキしてました。

    過ぎてしまった昔を振り返ると、高校生活の3年間なんて人生のただの通過点で、出身校の肩書きなんて何の意味も無いなんて今は思える。
    私も希望校に入学出来たけど、今の生活にその学校が何か影響してるなんて思わないもんな。
    だけど当時は、人生を左右する一大イベント的な思いで受験をしたことは記憶しています。
    確かに大事な岐路のひとつではあるけど、もし受験に失敗してもその後にいくらでも挽回できるチャンスはありますもんね。

    だけど、学校の採点ミスで合否が分かれるなんて事が自分の身に起きたら、はたして正気でいられるのかな。また、自分の行動が誰かの人生に大きく影響を及ぼすなんて事態が起きたときもまた然り。

    けっこう考えさせられました。

    4月という季節。桜が咲いて散っていく情景が脳裏に浮かび、別れと出会い、心機一転スタートする清々しくも切ない思いがこみ上げてきました。

  • ドラマは毎週楽しみに見ていました。
    脚本が湊さんという事でそれだけでドキドキしながら。
    とっても面白くて、そしたら嬉しい事に単行本になるなんて。
    内容がわかるからサラサラ読めてしまった感じ。
    ドラマを見てなかったらどう読んだかな。
    先生が沢山いてなかなか感情移入できなかったかもしれない。

    入試で人生決められちゃうなんて嫌になっちゃうね。

  • 県内一の進学校。入試をぶっ潰すため、各々の秘めたる思いが組み合わさり思わぬ方向へ。

  • シナリオの後に発行

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    「名門橘第一高校の入試前日、教室の黒板に「入試をぶっつぶす! 」の貼り紙が見つかる。迎えた入試当日。振り回される学校側と、それぞれ思惑を抱えた受験生。謎に充ちた長い長い一日が始まった……。 」

  • どんどんパズルのピースがはまっていく感じ。
    最後には「そういうことか!」とかなってそのセリフを探しに行ってしまった。

  • 湊かなえの本は読んでいるとき胸くそなんだが、おもしろくて仕方ない。
    今回も胸くそになりながら最後まで読んでしまった。

  • 県内の公立名門進学高校が舞台。入試前日、準備をする教師たちは教室内で、「入試をぶっつぶす!」と書かれた張り紙や、そこにあるはずのない教師の携帯電話を見つける。入試当日には、持込禁止のはずの携帯電話の着信音が鳴り、ネットの掲示板には試験問題の内容が。受験生への対応、保護者への対応、掲示板への対応、学校側は事件解決に向けて奔走するが・・・
    個人的には、視点が目まぐるしく変わる文章スタイルは読みづらかった。今だ地方では、県下一番の公立高校への世代を超えた評価というのは分からなくもないが、入試におけるセキュリティの甘さは、こんなものだろうかと疑問に感じてしまった。

  • 内容というよりは、入試業務ってこういう感じなんだな、という視点で楽しめた。湊かなえワールドは相変わらずで、教師の心理描写がうまいなあ。

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著者プロフィール

1973年、広島県生れ。2007年「聖職者」で小説推理新人賞を受賞(『告白』に収録)。著作に「望郷、海の星」(日本推理作家協会賞短編部門)、『ユートピア』(山本賞)、『贖罪』(エドガー賞候補)等。

「2022年 『こぽこぽ、珈琲 おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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