ドラゴンフライ

著者 :
  • 角川書店
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感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041104941

作品紹介・あらすじ

多摩川で発見された男性の猟奇死体。再集結した鏑木率いる4人の特別捜査班が事件を追い、トンボの里として有名な群馬県の飛龍村へとの関係を突き止める。だが、ダム建設と幻の巨大トンボを巡る謎に巻き込まれ……。

感想・レビュー・書評

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  • 前作の刑事4人がチームでそのまま出てきますので読み易いです。題名のドラゴンフライに絡めて話が一本きちんとつながっているのが見事です。もちろんまだ2作目ということで荒削りに感じられたりちょっと都合がいいかなと思える部分はもちろんあります。でもプロローグや過去の部分が最終的にどのように話に関わってくるか想像したりリーダビリティも相当なものだと思います。事件の解決の仕方や最初に出てきた開きの死体ができるまでの経緯に個人的に思うところはありますが、とても読み応えのある楽しい読書の時間でした。次作も楽しみです。

  • 全体的にはしっかりとした作りで楽しめました。各所でトンボにまつわる話が出てきますが、多少やりすぎ感はあります。あと、細かい部分で科学的な間違いがあったりして気にはなりました。

  • 鏑木シリーズ第2弾。とても読みやすい。河川敷で発見された猟奇死体。20年前、ダム建設で消滅した群馬の過疎地で起きた殺人事件との関係性が浮かび上がってくる。全盲の少女と二人の少年。いつまでも子供たちが幸せでいられたら良かったのにと切なくなってくる。相手を思いやり、守りたいと願ったその心だけが「真実」だった。切なかった。

  • デッドマンで活躍した鏑木班がまたもタッグを組んで解決に乗り出す。沢山の伏線もきちんと回収して行くのだが、勘頼みの捜査だったり、村の子供達の善意の度が過ぎていたり、、と前作が良かっただけに惜しまれてならない。

  • 警視庁刑事部捜査第一課・第四強行犯捜査・殺人犯捜査第十三係の警部補鏑木鉄生警部補と部下の姫野広海巡査、江戸っ子の同期正木正也警部補、科警研に所属する犯罪心理分析官の澤田時雄の活躍するシリーズ第二弾。多摩川の河川敷で発生した、臓器を抜き取られ、黒焦げにされた死体。トンボの里として有名な飛龍村出身のトンボ研究者の遊介だった。だが、彼の死後、彼から幼馴染の盲目の女性泉美に電話が掛かって来ていた。もう一人の幼馴染と泉水の両親が殺された20年前の事件。飛龍村が沈んだダム建設の真相!結論へ持っていく伏線が凄い。考えに考えにねられた面白い作品だった。面白かったです。

  • 二つのプロローグを経て始まる物語。
    キーワードは、タイトルの通り“ドラゴンフライ” トンボです。
    『デッドマン』続編の本作も、鏑木特捜班が奇妙な殺人事件の捜査にあたる。
    勘の冴えた鏑木、コンビの若造ヒメ、江戸っ子気質の正木、科警研の澤田の4人。

    前作の余韻が残っているうちに!と手に取りました。そちらを読んだ時にも思ったが
    4人のキャラが立っていて、事件そのものにも非常に興味をそそられます。
    読み始めは、ポイントになる単語等にルビのように点が多くふってあるのが鼻につきましたが
    そのうち慣れて気にならなくなった。けど、別にいらないんじゃないかな〜?なんて思ったり。
    あぁ面白かった。シリーズずっと続いて欲しいなぁ。

  • 鏑木警部補を中心とする、鏑木特別捜査斑の活躍を描いたシリーズもの。

    この作品が初読みだったが、鏑木シリーズの2作目。

    姫野、正木、澤田と、なかなか一筋縄ではいかない、魅力にあふれた個性的なメンバーが、時には暴走し、時には苦悩する鏑木を徹底補佐する、警察モノだ。

    多摩川の河川敷で、臓器を抜き取られ焼かれた男性の遺体が発見される。

    遺体の下には、トンボのペンダントヘッドが…。

    猟奇的な殺人から始まるが、結末は切なく、読み応え十分だった。

    作品の中で、「どうして人は殺し合うのか」とつぶやく鏑木に、「人は壊れている」と返す姫野の言葉が心に残った。

    「人は壊れた生物」だから、どうしようもないと絶望するか、だからこそ、哀れだと愛しみの目を向けるのか…。

  • 昆虫は、~フライなんだって。ドラゴンフライは、トンボ。
    ゴルフ場から道に迷った男が見たのは、都内にある自分の家。
    にこたまの猟奇殺人。
    ダムに沈む村。
    盲目の少女。
    どうつながるのかな。と思いつつ、読み進める。つながっていくのよね。ムリなく。
    泉美の前に現れた遊介は、健なんだろうな、くらいは。

    せつない幼馴染だねぇ。
    相手のこと考えて黙ってたけど、お見通しだった、ばかり。
    終わりがね、なんかよくわからず。

  •  前作もそうですが、絵に描いたような悪人です。べたです。間違いなく悪いです。

     なんとなくですが、話の壮大さに比べて、結末が幼稚な気がしてなりません。

     

  • トンボの複眼にかけて複雑な内容。ストーリーにかなり無理がありこじつけと後付けの印象が強い。犯人もほぼ途中から読めてきて行動してからあとで理由を説明するのも組織で動く警察が果たして可能なのだろうか?殺す対象を違え、殺した友達を無残に解体し、また殺人者を増やす考え方、展開もどうなのか?

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著者プロフィール

河合莞爾
熊本県生まれ。早稲田大学法学部卒。出版社勤務。
二〇一二年に第32回横溝正史ミステリ大賞を受賞し『デッドマン』でデビュー。他の作品に『豪球復活』(講談社)、『デビル・イン・ヘブン』『スノウ・エンジェル 』『ジャンヌ』(祥伝社)、「カンブリア」シリーズ(中央公論新社)などがある。

「2023年 『カンブリアⅢ 無化の章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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