私がマッキンゼーを辞めた理由 ―自分の人生を切り拓く決断力―

  • KADOKAWA (2013年7月9日発売)
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  • 本 ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041105009

作品紹介・あらすじ

東大卒、マッキンゼー社員からお笑い芸人に転身―一度きりの人生、他人に流されるのはやめよう。「即断、即決、即行動」でシンプルに選択した女性の生き方とは?

感想・レビュー・書評

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  • 自分の動機について、他者事例を参考に分析すべく手に取った一冊。
    ダニエル・ピンク的に分類すると、モチベーション2.0から3.0の世界へ移住された方だと認識している。

    東大院卒で海外経験あり新卒マッキンゼー入社、と高学歴エリートのエッセンシャルオイルみたいな方が何をどう考えて辞めたのか、ノンエリートながら会社を辞めたいわたしも知りたくなった。

    やりたいことをやらないと、後悔してしまう。
    (少し昔の)マッキンゼースタイルは
    ・バリューを出す(頑張ることそのものに価値はナシ)
    ・常に全力疾走
    ・即断即決、即行動
    ・他力活用(実務で外注先がいてうらやましい)
    ・PMA、常にポジティブかつ鈍感でスルースキル高
    ・議論を加速させるため、スタンスを取る

    辞めた理由はメンタルダウンし、この状況下でエリート意識の呪縛と希死念慮に苛まれる状態から、突如浮かび上がった決断によるもの。
    何かあっても死ぬよりマシ、家族も友人を失わなければよい。

    世間のいいもの(会社、学歴と紐づくキャリア)を手放すのは勿体無いと言われるが、人生が他人軸で流されることはそれどころではない損失。

    仕事を続ける3つの条件
    好きか?収入に関係なく続けたいか。
    得意か?バリューが出せるか。
    続けた先に自発的な目標があるか。
    (会社の目標ではなく、自分の目標)

    やりたいことを先送りすると一生できないかもしれない。
    気になったらまずやることが重要。
    (私的解釈は意味づけはあとで良いから)
    やってみて大変かも知れないが、続ける勇気を持つこと。
    自分の実力を出し切ること。
    そこまでしてダメなら辞めたらよい。

    世間のモノサシよりも自分の納得だが、これから枠をはみ出していくのはなかなか難しい。
    仮に何かを失っても、やった経験が得られる。これはやらないと得られない。
    等等。

    まずやってみて未来を変え、ダメだったら仮説を修正。やってるうちに、あとで意味づけができる。

    こんなはずじゃなかった、と死ぬ間際に後悔しないよう参考にしたい一冊。なお、個人的な状況から、評価は高めについている。

  • 頭がいい、明るい人という印象の石井てる美さん。ですが読んでみると七転八倒し、焦り、もがいたご経験があるとのこと…身近に感じるところもたくさん。決断したいときに軸を持つこと、不安なときに頭を整理する方法はさすがだなと思いました。

  • ・即決/即断/即実行
    ・決断に正解も不正解もない。決断にはそれを正解にしていく覚悟も含まれる。
    ・「スタンスを取る」。主張をはっきりさせることで議論が加速する。

  • マッキンゼーを辞めてお笑い芸人になったということだが、ほとんどマッキンゼーでの経験の話でそれだけ勤務時代の密度とインパクトが強かったんだなと感じた。

    転職以外にも学歴や旅行経験などさらっと書かれていることがアクティブで、会社員時代以外にも興味深い話題がたくさんあった。思い切りもさることながら元々できや環境がいいのかもと思った。

  • 私がマッキンゼーを辞めた理由 ―自分の人生を切り拓く決断力2013/7/10 著:石井 てる美

    「マッキンゼーを辞めてお笑い芸人になる」という、当時の自分からしても恥ずかしくて人にも言えない、嘘のような、人生最大の勇気を要した決断は、実は、マッキンゼーで教わった問題解決スキルが、今後の人生を切り拓いていく上での大きな力となっている。

    本書は、マッキンゼーを辞めて芸人になる決断をした著者自身の物語である、構成は以下の3章から成る。
    ①マッキンゼーと私
    ②私の決断
    ③決断のその先へ

    色々な人生がある。東大を経てマッキンゼーへ。そしてお笑い芸人へ。

    著者がマッキンゼーを辞めたことが正解かと言えば正解だと思う。体と心を蝕まれた痛々しい様子から見れば早期の脱出・卒業や正解と言える。問題はその後のことである。

    著者が芸人になったのは正解か否か。答えはもちろん途上であり出ていないし、そしてその答えはでないかもしれない。しかし、今言えることは、直近の著者の活動ブロブで記されている充実感あふれる文章を楽しんで仕事をしている様子が明らかにわかる笑顔を見れば、ああ良かったと心から思える。

    著者は芸人になるのが夢なのか芸人になった先にゴールがあるかは本書からはわからないものの探しながら突き進んで後悔なく人生を楽しむということは出来ている。

    自分には出来ないことをしている。すごいと思うと共に芸人になりたいというわけではないがそんな決断を下せる著者を羨ましく思う。自分は自分でそんな野望を抱えながら置かれた場所が花をさせるべくやっていくしかない。

  • 「上辺をとりつくろわず、本当にやりたいことをやる」ということの価値が遅まきながら33歳になって徐々にわかってきた自分としては、本書は自らの現状への強烈な刺激となった。早く行動を起こしたい。人生は一度だけ。

    完全に傍論だが、本書の記載の中で傷心の著者の為に家族が誕生日パーティーをひらいた旨記載があったが、子どもが失敗をしても精神的にも物理的にも受け入れられる環境を作らなければと大いに感じた。

  • あの世界最高峰レベルのプロフェッショナル集団、マッキンゼー出身のお笑い芸人がいると知ったのは2年ほど前だった。気になって仕方がなく、WEBで検索し、Youtubeで英単語をネタにしたピン芸を見て笑ったのを思い出す。

    なぜ、マッキンゼーを辞めてまで。おそらく、これが皆が知りたい所だろう。そして予想通り、マッキンゼーでは通用しなくて逃げたというところが正直な所だろう。しかし、著者はそれをも赤裸々に正直に語り、挫折を通じて自分を知り、後悔しない人生を生きるという道を選んでいる。マッキンゼーという秀才の巣窟のような会社では、成功する事はあたりまえであろう。実際、マッキンゼー絡みの書籍は、基本的に成功談をベースにしたノウハウ本や戦略本がほとんどである。しかし、本書はそんなマッキンゼー出身者の失敗談を語ってくれているという事である意味、貴重である。どんな組織にも、上手くいかない人、馴染めない人もいるはずであるが、それはマッキンゼーであっても同じであろう。世の中に失敗談を語る本は少ない中、東大大学院卒の秀才の女性が語るだけあって、同じような境遇にいる若い人たちに勇気を与える本になると思う。

    失敗したとはいえ、マッキンゼーに合格し仕事を経験しただけあって、文章の構成や言葉、表現は非凡なものを感じるのはさすがである。

  • あの世界最高峰レベルのプロフェッショナル集団、マッキンゼー出身のお笑い芸人がいると知ったのは2年ほど前だった。気になって仕方がなく、WEBで検索し、Youtubeで英単語をネタにしたピン芸を見て笑ったのを思い出す。

    なぜ、マッキンゼーを辞めてまで。おそらく、これが皆が知りたい所だろう。そして予想通り、マッキンゼーでは通用しなくて逃げたというところが正直な所だろう。しかし、著者はそれをも赤裸々に正直に語り、挫折を通じて自分を知り、後悔しない人生を生きるという道を選んでいる。マッキンゼーという秀才の巣窟のような会社では、成功するのはあたりまえであろう。実際、マッキンゼー絡みの書籍は、基本的に成功談をベースにしたノウハウ本や戦略本がほとんどである。しかし、本書はある意味失敗談を語ってくれているのが貴重である。どんな組織にも、上手くいかない人、馴染めない人もいるはずであるが、それはマッキンゼーであっても同じであろう。世の中に失敗談を語る本は少ない中、東大大学院卒の秀才の女性が語るだけあって、同じような境遇にいる若い人たちに勇気を与える本になると思う。

    失敗したとはいえ、マッキンゼーに合格し仕事を経験しただけあって、文章の構成や言葉、表現は非凡なものを感じるのはさすがである。

  • 最後の章が、新しい世界へ一歩踏み出したいけど踏み出せない人へのメッセージになってて、心に残りました。
    ・自分が納得できるかどうかが大事。人の価値観と比べない。案外人は自分の事を見ていない。
    ・決断することは失うことであるが、その決断によって自分にとって最も大事ないくつかのもの(例えば、友人、家族、など)が失われないのであれば、迷う必要はない。
    ・やってみて失敗したら、また別の道を探せばよい。そんだけ。

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著者プロフィール

お笑い芸人
1983年生まれ。東京都出身。東京大学工学部卒業、同大学院修了。2008年、経営コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク・ジャパン入社。
お笑い芸人になることを志し、2009年夏に退社。同年10月、芸能事務所ワタナベエンターテインメントのお笑い芸人養成所ワタナベコメディスクールに11期生として入学。現在、ワタナベエンターテインメント所属のお笑い芸人として活動中。2016年には、米大統領候補ヒラリー・クリントン氏のものまねが人気を博した。
TOEIC®990点、英検1級。

「2018年 『キャリアを手放す勇気』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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