- 本 ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041105344
作品紹介・あらすじ
紀元前一世紀の久慈(九州)。津櫛との戦で奴隷となった少年・隼人は、おとなびた津櫛の少年・鷹士に危ないところを助けられる。やがて二人は久慈の十二神宝を集める旅に出ることに。壮大な和製ファンタジーの傑作!
感想・レビュー・書評
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この方の話好きだなーって思いながら読みました。デビュー作なのに文章が落ち着いてて、特に隼人と鷹士がとても良かったです。でもちょっと言うと、主役以外のキャラは印象に残らなかったです。
個人的に隼人の過去との決着のつけ方が嬉しかったです。どちらも優しい子で良かったと温かくなりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
世界観はとても丁寧に描かれている。けれども肝心の登場人物の心理描写がわたしには物足りなく、なかなか入り込めなかった。
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弥生時代の日本を舞台にしたファンタジー小説。かなり緻密な取材に基づくであろう詳細な描写が素晴らしいです。西洋・異国っぽさが無い純日本ファンタジーとして貴重だと思います。
クライマックスがやや盛り上がり足りなかったのと、現在の地名との対応や位置関係が頭に入ってこずわかりにくかったので☆4にしました -
普通に面白かったー!物足りないところもあるにはあるけれど、最後まで読ませる力があったなー。
次に刊行される本があるなら読んでみたいかも。 -
祝詞がいい。
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楽しく読みました。
日本人が書いたファンタジーという意味の和製ファンタジーは
上橋菜穂子をはじめ、荻原規子、小野不由美など
いくつかの傑作はあるものの、日本を舞台にした
純和風ファンタジーというのは意外となかったりするので
そういう意味で弥生時代の九州を舞台した
歴史ファンタジーというのは
未開の荒野を切り開くがごとく貴重だし、嬉しかった。
大学で考古学(弥生〜古墳時代)を専攻していた身としては、
文中展開される弥生時代の設定のところでん?という部分が
無きにしもあらずで、少し気になったりもしたけれど
そこはあくまでファンタジー小説だと割りきって読むことにした。
作者のブログを読んでみると、地名の表記など
それなりにしっかり時代考証は考えていたみたいで
好感が持てたし、真摯に作品作りしてるんだなあというのも感じられた。
ただ、1つのファンタジー小説として見ると、やや課題が残る部分もあり
例えば登場人物の行動原理にブレが多く、あちこちに行く中で
誰々に会いたかったり、誰々を救いたかったりしたはずなのに
いつのまにか別の目的で動いていたり、ということが多く
結局何がしたいのかよくわからないという部分も目立ったし、
それに付随する形で前半は物語の展開がスピーディーで
この先どうなるのかという期待もあったのだが
中盤以降どこに着地するのかよくわからなくなってきたという
展開が読めない不安定さというのもあって、こなれていない感じも。
キャラクターに関して、行動原理がよくわからない部分はあったものの、
鷹士というツンデレキャラがなかなかいい味を出していて
物語を読み進めるモチベーションの一つになっていた。 -
どこかに家族との関係で孤独を抱える鷹士と隼人の関係が深まっていくところが面白い。が、最後は都合よく進みすぎ。そしてこの話の世界観が分からなくなる。
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同じ名前、ということで。古代の九州を舞台に、神宝と呼ばれる宝物を探す旅がテーマのファンタジー。読み方どうだっけ、と何度も表紙に立ち戻ってしまう。選評にあるが、膨大な資料を読み込んだろうに、それを感じさせない自然とした文章の運びがすごい作品。エンターテイメントとしておもしろかった。5つの国、4つの氏族がそれぞれの国を緩やかに治める。武士はいなく、おおむね平和だったが、「王」を目指す氏族が登場して、物語は始まる。王の到来は争いの到来を意味し、その争いの根本を立つために、神を降臨する。そのためには神宝が必要・・・とざっくりとした展開。主人公は実は氏族の長の系統だったりと都合のいい設定は満載だが、楽しむための本なので問題なし。
著者プロフィール
篠原悠希の作品





