- 本 ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041105498
作品紹介・あらすじ
扇野藩の重臣、有川家の長女・伊也は、藩の弓上手、樋口清四郎を負かすほどの腕前。競い合ううち清四郎に惹かれる伊也だったが、妹の初音に清四郎との縁談が。くすぶる藩の派閥争いが彼らを巻き込む。長編時代小説。
感想・レビュー・書評
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扇野藩シリーズ 第2作目
扇野藩の弓術師範は、20年前から、大和流の磯貝八十郎が務めている。
有川家が伝える弓術流派は、日置流雪荷派である。
勘定奉行である、有川将左衛門には、二人の娘がいた。将左衛門は、長女の伊也に、弓術の天稟を見出し、6歳から、稽古を付けた。18歳の今では「弓矢小町」と評判されるようになった。
その年の正月に行われた、弓術奉納試合に、日置流雪荷派として出場した 伊也は、一矢の差で、大和流四天王の一人、樋口清四郎に負けた。
試合に臨む清四郎の清々しさに、その日以来、心を奪われた伊也であったが、
ある日、妹の初音に、その清四郎との縁談が舞い込んできた。
庶兄の新納左近は、藩主晴家の乱行を諫言したが、それが、思わぬ波紋となって、伊也、初音姉妹。そして、清四郎に降りかかって来る。
「我が想いは一筋の矢の如し、届けーー!」
藩に正義を取り戻すため、伊也が射る、千本の矢が、邪を祓う!
最後は、伊也、初音姉妹、清四郎、左近、将左衛門。全員、落ち着くところに落ち着いて、大団円。
今回も、泣かせてもらいました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
パチパチパチ。拍手喝采。堪能しました。こうした清廉潔白でタフな登場人物を描かしたら、葉室麟は天下無双ですね。感極まりました。結びがちょっと急ぎ過ぎだったのが残念。あ〜、でも、面白かった。
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2021.09.03
物語に何故そのようなことになるのかの疑問を持つ場面はあったけど、その後の展開は期待通りのものだった。やはりこの著者の作品は読み終えた後、清々しさが残る。 -
ひたすらピュアな面々と、それにちょっかいを出す濁った人たち。
何があってもピュアを貫いていきます。
流石にピュアすぎるだろうって向きもあるかもしれませんが、だから良いのだというお話ですね -
2019.2.5
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終わり方が、さわやかすぎるくらいですが、女性が頑張って苦難を乗り越える様子は、応援したくなり良かったです。
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自分も弓道をやっているので、様子がありありと浮かびました。 -
内容(「BOOK」データベースより)
扇野藩重臣有川家の長女・伊也は、藩随一の弓上手、樋口清四郎と渡り合うほどの腕前。競い合ううち清四郎に惹かれていく伊也だったが、妹の初音に清四郎との縁談が。伊也とのあらぬ噂により藩主の不興を買った清四郎の汚名をそそぐため、伊也は清四郎と立ち合うことに―。有川家に身を寄せる謎の武士の正体とは。姉妹の揺れる想いの行方は。くすぶる藩の派閥抗争が彼女らを巻き込む。高潔な志が清々しい感動を呼ぶ時代長編! --このテキストは、文庫版に関連付けられています。
平成29年12月9日~10日 -
12月-1。3.0点。
ある藩の、弓道名人の娘。息子が生まれず、長女が
弓の道を継ぐことに。妹の婚約者も他流の弓道。
心惹かれながら、妹の婚約者。
紆余曲折あり、藩の事情も加わり、混沌に。
あっという間に読めた。最後は安心。 -
時代が時代なので、仕方がないことだけど、やっぱり「思い人」と一緒になれるお話が良いな~、と思いました。
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L
あら?こんなヤワイ話をこの作家さんでは読んだことがなかったような気がするんだが、なに?このやわやわな感じ。くっさい感じ。
結局全て丸く収まって、貧乏くじ引いたのは想う相手が変わってよかったね、の妹では。
芯の強い女と思いきや、やってることはただの身勝手で身から出た錆的な。そんでもって全てが丸く収まる的な。全然ハラハラ感もナシ。
最後なんて、やり遂げなくてもやり遂げてもそのあとは丸く収まるんでしょー的な空気がただよってましたけど。
著者プロフィール
葉室麟の作品





