幻夏 (単行本)

著者 : 太田愛
  • 角川書店 (2013年10月29日発売)
4.14
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  • 本棚登録 :310
  • レビュー :76
  • Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041105832

作品紹介・あらすじ

「俺の父親、ヒトゴロシなんだ」毎日が黄金に輝いていた23年前のあの夏、少年に何が起こったのか。人が犯した罪は正しく裁かれ、正しく償われるのか。残酷な「世界」に、必死に挑んだ少年の驚くべき秘密とは…!?

幻夏 (単行本)の感想・レビュー・書評

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  • もう二度と戻る事は出来ないけど、いつまでも3人の心の中にはっきりと存在するあの輝かしい夏。尚と拓と亮介の幻夏。彼らの夏が楽しくて幸せであればあるほど読み進めるのが辛くなる。

    23年前に尚が消えた理由。尚の母が今になって尚の捜索を探偵鑓水に依頼した理由。誘拐事件が起きた理由。数々の事件現場に同じ印があった理由。父が冤罪で捕まった理由。犯人が罪を犯した理由。全てがわかった時私たちは犯人を責める事が出来るだろうか…。
    お蔵入りの冤罪事件検証番組に隠された秘密には怒りと悲しみが沸き起こる。こんな事が現実に起こっているはずがないと思いつつも心のどこかで怖くなる。

  • あの夏から全てが始まった。
    一つの誤解が新たな誤解を生む。
    彼が何よりも守りたかったもの、失ってしまったものを考えると、切なくて遣りきれなくて言葉に出来ない位悔しくて泣けてくる。
    「過去に関する『もし』は全部起こらなかったことだ」彼の潔いセリフにも泣ける。

    大人達よ、子供の本気を侮ってはいけない。
    真っ直ぐすぎる想いは大人達のジョウシキを突き刺す。
    平然と「信念を持て」という大人達。
    奴らが言う「信念」とはその場しのぎの戯言なのか?

    シリーズ第2弾は相馬メインの物語。
    相変わらず3人のバランスが絶妙。
    映像が目に浮かんでくる位今回も躍動感があった。
    このままずっと続けてほしいシリーズ。

  • 前作よりも読みやすくなった。
    哀しい物語。
    それでいて懐かしく、暖かい。

    読みながら苦しくなるけど、でも先が気になり、
    余韻が強い、そんな物語を綴る作家さんだと思う。

  • ‪なんでこんな事に…。本当に切なくやりきれない。‬

    ‪去年読んだ「真犯人はそこにいる」という告発ノンフィクション本の記憶が強烈に呼び起こされた。切なすぎる。‬

    ‪見事な伏線回収、すっきりしたくどさのない文体、強烈なストーリー、5度は騙されたどんでん返し。オススメです。‬

  • 幻夏。
    太田愛さん。
    読みたくて楽しみにしていた本。
    読むのが、もったいないくらいだったけれど。
    読み始めたら、
    物語の世界へ入り込んでしまった。
    暑い暑い夏の思い出。
    胸いっぱいに息を吸い込み、
    信じられないくらい大きく響く指笛。
    肺が血を噴いて破れてしまうのではないかと
    恐ろしくなるくらい
    高く澄んだ指笛の音。
    読んだ人にだけわかる指笛の効果。
    せつない。とてもせつない。
    でも、温かな読み終わり。
    オススメな本です。
    おもしろかった。



  • 天上の葦、犯罪者に続いて読んだ。上下巻になる長さでなく、ちょうどよい量だったと思う。ましな警察官はいないのか、本当にこんな警察官ばかりだったら世も末だ…と思うくらい、このシリーズには、正義の味方の警察官はいない…。それはさておき、続きが気になるストーリー展開は見事。ラストはいつものスピード勝負な感じで、ついつい読むスピードも上がってしまう。尚が少しでも素敵な人生を送ってくれたらよいなと思う。鑓水の事務所で働けば役にたつのにな…。

  • 夏休み明け、1人の小学生がランドセルを置いて姿を消した。
    23年後、息子を探して欲しいと、興信所の鑓水をある女性が訪ねてくる。

    ずーっとドキドキしながら読みました。
    謎に満ちた事件、少しずつ見つかって行く真実のかけら。
    ヒントは前の方に出てたはずと、何度もページを戻していました。

    冤罪事件に翻弄された家族。何とも悲しい。
    あの日の出来事がなければ、元々の冤罪事件がなければ、と思います。
    尚の今後が気になります。

    デビュー作にも同じ鑓水達が登場するとのこと。
    是非読んでみたいと思います。

  • 「俺の父親、ヒトゴロシなんだ」

    少女失踪事件を捜査する刑事・相馬は、現場で奇妙な印『//=|』を発見し、23年前の苦い記憶を蘇らせる。

    23年前の小学生時代、相馬には親友だった兄弟がいた。
    兄弟の父親は殺人犯。そして同級生だった兄の尚は台風の翌日、川岸にランドセルを置いたまま、奇妙な印 『//=|』 を残して失踪した……。

    相馬の現在の友人、個人興信所の鑓水は尚の母親から『23年前に失踪した息子を探しだして欲しい』と、前金300万円の依頼を受けてしまい、部下の修司と
    相馬と共に、悲哀に満ちた事件へ挑む。

    『冤罪』をテーマに掲げ、
    冤罪が生まれる警察の考え方・冤罪が生まれる警察の取り調べ方・冤罪が生まれる裁判官の環境等を、
    真正面から赤裸々に描き、司法の信を問う!

    以上、そんな作品です(^^)
    『冤罪』に関して、これ以上に哀しく悲惨な状況はないという究極の事件を描き、
    冤罪の愚かさや、冤罪を生んだ警察と司法関係者も犯罪者なんだと思わずにはいられない痛烈な内容です。
    警察が正義ではない場合があるというのは性犯罪関連で知ってましたが、それ以上の警察の恐ろしさを浮き彫りにした点が凄まじい。

    『彼等』の苦しみを思うと何度も涙零れましたが、ラストに明日が見えたのは本当に良かった……。

    先進国では異例(冤罪を生みやすい)のシステムを抱える日本の問題を知る事は大切ですし、
    ミステリが好きな方・様々社会や生き方を考えさせられる作品が好きな方、魂に痛烈に響く事間違いなしの名作となります!
    是非オススメです!

  • 初めて読んだ作者の本。
    序盤は面白かったのに段々とそうでもない・・・となって話に入りこめなくなった。
    設定が甘く、無理があると思う。
    尚の消息を絶った後の生活、そしてその正体・・・どうもうまくいきすぎという気がした。
    それに、長年会ってないといっても父親と会った時の態度はあんなものなのかな・・・と思った。

    小さな興信所の探偵、鑓水は23年前に消息を絶った息子を探して欲しいという依頼を受ける。
    依頼者の女性はその後、金を置いて姿を消してしまう。
    仕方なく依頼を受ける形になった鑓水。
    その頃、少女が誘拐されるという事件が起きる。
    彼女の祖父は有名な元検事で、彼女が連れ去られた現場にはある印が残されていた。
    それは23年前にいなくなった少年のランドセルが残された場所にも刻まれた印だった。
    事件を追う刑事は鑓水の友人で、しかも消息を絶った少年、尚とひと夏の間親しくしていた。
    二人は23年前の事件を追うと共に誘拐事件の真相をつきとめていく。
    そこから見えてきたのは尚の父親の冤罪事件だった。

    偶然この本の前に読んだ本も冤罪の事について描いた話だったので、冤罪事件について考えさせられた。
    警察という巨大な組織においては冤罪事件を仕立てるというのがこんなにたやすくできるのかという事、その事で人生を狂わされた人間がどれだけいるのかという事。
    だけど、父親の冤罪事件の復讐、冤罪事件というものについて世間に提議を投げかけるという事なら、もっと父親に思い入れがあるのでは・・・と思う。
    母親は23年間、自分の息子がいなくなったというのに何をしてたのか?と思うし、その辺の事情やら感情やらが置き去りになっていて結論ありきで書かれている感じが白けてしまった。

    事件どうのこうの関係なく、序盤の少年たちのやりとりは生き生きしていて、特に出会いの場面は良かった。
    夏という季節は強烈で、思い出になりやすく記憶に残りやすい。
    大人になっての夏と違って子供の頃の夏は特に、誰にとっても幻の夏のようなものがあるんじゃないかと思う。

  • 前作を読んだ時も感じたけれどもこの人は脚本も書いているせいかとても各場面が頭で映像化できる。テーマも登場人物もステレオタイプなのに面白く、一気に読みました。次回作にも期待大です。

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