部下を持ったら必ず読む「任せ方」の教科書 「プレーイング・マネージャー」になってはいけない
- KADOKAWA (2013年11月21日発売)


- 本 ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041106174
作品紹介・あらすじ
なぜ「部下の相談」に乗ってはいけない?――60歳でライフネット生命保険を起業・成功させた著者が、部下マネジメント論を展開!“任せたいのに、任せられない”と嘆く人への特効薬。あなたの仕事をラクにする本。
感想・レビュー・書評
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・どんな部下でも信頼して仕事を任せる。
【1章 上司になったら「任せるしくみ」をつくりなさい】
・人間の能力はそれほど高くなく、部下は4人が限界。部下を細かく指導するのは無理。仕事のプロセスには細かく突っ込まない。
・大きな成果を出すためには一人では無理がある。100人分の成果を上げるためには100人に仕事を任せる必要がある。そのために任せる仕組みを作る必要がある。
・名選手、名監督にあらず。強い会社を作るためには経営と業務執行を分離する必要がある。
・みんなで話し合ってみんなで決めると決定のスピードが損なわれる。よって、決定権を持つ者が一人で決める。
・スピードを上げるため権限基準を決める。譲り合いをなくす、スピードアップをする、等のメリットがある。権限を与えた場合には部下の決定に部長が口を出さないようにする。
・何もしなければ0成長の時代。経営者はマネジメントについて勉強をしていく必要がある。自分の頭で考えられるリーダーが求められている。
【2章 できるリーダーは常に「いい任せ方」をしている】
・指示:具体的&的確な指示を出す必要がある。また、部下に復唱させる、途中で確認する等も必要。期限・優先順位・目的・背景・レベルを示す。
・報連相は上司こそ部下に対して積極的に行うべき。
・仕事を部下に任せた際には部下の失敗は上司の責任となる。ビジネスの世界は「結果責任」。部下の失敗に知らなかったはダメ。
・仕事を与え部下を忙しく働かせるのは上司の務め。仕事を与えるのは上司の愛情。
【3章 「プレーイングマネージャー」になってはいけない】
・部下に仕事を任せたら合格点・60点で満足する。より良い点数を求めて自分でするようではだめ。
・自分でまかせてしまうのは、人間の能力・時間が有限であることを理解していない、部下の仕事が60点では満足できない、判断のスピードが遅い、等の理由が考えられる。
・部下を動かす方法:上司を好きにさせる、圧倒的な能力の違いを見せる、必死に働いている姿を見せる。
・部下の特性をつかみ、部下の得意な仕事を任せる。部下の短所は放っておく。チームとしては面積を最大にすればよく、弱点克服では複数の部下の面積の重なりが大きくなるだけで総面積は増えない。
・インプットの量は人・本・旅から学ぶこと以外にはない。特に本が費用対効果が高い。一冊の古典はビジネス書10冊に勝る。
・リーダーの条件:強い思い、共感力、統率力。これら3つの条件を身に付けるには人間の本質を知ることが必要。
【4章 この上司力で「チームの実力」を一気に上げる】
・部下は任せられることで、承認欲求が満たされる、成長する、責任感が身につく。
・リーダーは感情を出しすぎてはいけない。怒りの感情を出しすぎると、部下が委縮するし、怒りを抑えるような行動を部下がとり、同質性が高まる。
【5章 「時間を増やす」「成果を増やす」人材マネジメント】
・知っている人に聞く。わかる人・できる人に任せる。餅は餅屋。
・衝撃力=質量×スピード。仕事のインパクト=仕事の質×スピード。仕事の質はそうそう変わらないのでスピードがすべて。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『感想』
〇「任せること」は難しい。結果を出すことだけを考えたなら、知っている自分がすべてを行った方が楽だし早くできる。しかしそれでは自分しかできなくなってしまう。結果として会社や社会の損失となる。
〇「的確な指示」これがまた難しい。任せる相手のレベルや任せる内容の重要度によって変わってくるからだ。まずは任せる側が状況を的確に把握しなければならない。任せる相手のレベルアップを勘案した判断のもと指示をしていくことになるが、結果的に失敗したのならば、この状況把握ができなかったことが出発点なのだから、任せる側にも大きな責任がある。逃げずに受け止めよう。またそのことで自分が頭を下げることになっても、任せた相手のレベルが上がったならば、まんざら無駄ではない。
『フレーズ』
・「任せる」とは、「権限の範囲を明確にしたうえで、的確な指示を与えること。」(p.65)
・大きな仕事を任されると、責任も重くなる。否応なく階段を上がることになる。その結果、「自動的に視野が広くなる」のです。(p.67)
・上司がすべき”労務管理”とは、「部下に権限を与えたうえで、的確な指示を出すこと」(p.68)
・的確な指示を出すための4条件(p.80)
①「期限」を示す
②「優先順位」を示す
③「目的・背景」を示す
④「レベル」を示す
・「必死に仕事に打ち込む」ことは、原則として、自発的であるべきです。(p.143)
・「できるようになったから、任せる」のではありません、順番が逆です。「任せるから、できるようになる」わけです。(p.167) -
これはオススメです。「リーダーになったら必ず読む」と謳ってるだけのことはある。プレーヤーとマネージャーの本質的な違い、マネジメント手法だけでなく、実践的に考える点で、この人の論説は優れてる。何より多彩な経験がただの体験談にならず、理論と結びついているのが良い。(この人の論説がクリアだからではないか。)なので、ふつう体験談がもつ、しつこさ、ねばっこさ、が嫌味なく、あっさりしてる。そして、これを読むと改めて「人に任せるって難しいな」と思わせる点で、小手先の技術紹介ではない証左であろう。
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「部下の方が仕事に詳しい」という点は、新しい発見だった。
上司に聞かれたら部下は答えられないといけないし、部下は上司に進言しないといけない。
でも、こういう話が本で出るということは、この手のことを考えたことが無い中間管理職以上の人が結構いるということなのか。 -
日々、忙しい中で
他の人に任せられることがありながら、
なかなか任せられないという人も
多いのではないでしょうか?
本日ご紹介する本は、
仕事をいろいろな人に任せることの利点と
任せか方について、わかりやすく解説した1冊。
ポイントは
「コミュニケーション」
任せる場合に重要なのは、
権限の範囲を明確にした上で、的確な指示を行うこと。
的確な指示は、双方向のコミュニケーションが必要です。
指示を出す側は、任せられる人が動きやすい様に、
具体的な指示を出す必要があります。
また、指示される側は、
指示の内容を理解できるまで
聞き直す必要があります。
これがきっちりできていないと
仕事を任せた場合に、
後になってロスが発生することが
よくあります。
「的確な指示」
的確な指示を出すために、以下の項目を
きっちり伝える必要があります。
①期限
②優先順位
③目的、背景
④仕事の質のレベル
これらをあいまいにして指示してしまうと
仕事の丸投げになります。
「任せない理由」
なかなか仕事を他の人に任せられない理由に
自分がやった方が早いというのがあります。
短期的に見ればその通りです。
でも、自分とは違う感性を持った人に
仕事を任せたほうが、長期的には
会社として成長すると考えましょう。
ぜひ、読んでみてください。
◆本から得た気づき◆
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多様な人材に任せることでしか、会社は成長しない
指示を出す側=動きやすい様に、具体的な指示を出す
指示させる側=指示の内容を理解できるまで聞き直す
プレイヤーの能力 = 自分の仕事をひたすら高めていく能力
マネージャーの能力= 部下全員に合格点(60点)を取らせる能力
インプットの量を増やす方法 ①人から学ぶ ②本から学ぶ ③旅から学ぶ
衝撃力=質量×スピード 同じ能力ならスピードを高めなければならない
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◆目次◆
1章 上司になったら「任せるしくみ」をつくりなさい
2章 デキるリーダーは常に「いい任せ方」をしている
3章 「プレーイング・マネージャー」になってはいけない
4章 この上司力で「チームの実力」を一気に上げる
5章 「時間を殖やす」「成果を殖やす」人材マネジメント
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◆マインドマップ◆
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部活を忙しくさせること
優先順位、期限は明確に伝える
決裁権をいかに与えるかなど
常に上司、社長の立場で、仕事の流れを考えるようにしていきたい -
・大前提:「人はそれほど優秀ではない」。この「人」とはもちろん上司である自分である。→だから、部下の助けが必要。色々テクニック論を言う前に、自分が優秀だと思うその意識を変えないと意味がない。
・尖っているから強い。
・マネージャーとプレイヤーでは求められる能力が違う。
・山本五十六
「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば、人は動かじ。」
続きがあるとは知らなんだ。
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」
→これ、前半も大切だけど、後半のほうがもっと大切かつ難しいと思う。この後半部分をしれただけでも本書を読んだ価値あり。
・自分の中にない音符を持った人に任せるから、違う解決方法が出る。 -
仕事を任せる事が得意でないため、よくこのテーマの本を読んで納得するが、いかせているのかな?この本は経営者やそれに近い人、若い部下を多く持つ年輩の人に向いた教えが多いと感じた。
著者プロフィール
出口治明の作品





