「就社志向」の研究 なぜ若者は会社にしがみつくのか (角川oneテーマ21)

著者 :
  • 角川書店
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レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041106235

作品紹介・あらすじ

制度上、構造上の欠陥を抱えていると指摘される新規学卒採用システムが長期にわたって存続するのはなぜか? 現在の新卒採用市場を冷静に読み解くことでみえてくる新たな動き。あなたの「シューカツ」観はもう古い。

感想・レビュー・書評

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  • 「就活と日本社会」の前日談のような内容。普通の人々、学生に対する視線はもっと評価されても良いと思う。

  • 期待してた割には、意外に普通のことしか書いてなかった。
    筆者はよく本を出しているけど…

    一括採用という慣行を肯定的にみているが、やはり合理性よりも矛盾の方が大きくなっていると思われる。

  • 気鋭の「人材」コンサルタントが、大学生の就職活動について考察する本です。

    ブラック企業のひどい話や、まったく採用されないかわいそうな若者、といったよくあるお話とは一線を画しています。むしろそのような言説を、実際のデータと照合して批判的に検証することを狙いとした本です。

    わたしは普段、日本経済新聞を購読しています。すると、新卒採用はやはり耳目を集めるトピックなのか、時期の繰り下げを主とする「就活改革」を取り上げた報道をたびたび目にします。中には、一部の事例にすぎないものを「学生代表VS企業代表」のような対立項に仕立てあげていたりするものもあります。本書の議論の底流には、それらの「改革」は個々の学生や企業にとってマイナスである、という問題意識があるように読み取れました。

    「就活」という言葉には、いろいろな主観的イメージがくっついてしまうものだと思います。やっている人間にしてみれば、楽しいこともあれば、つまらないこともあり、傷ついたり憤ったりすることもあり、とても一言で語れるものではありません。わたし個人としては、他人の前で自分を褒め称えなければならない「集団面接」がいちばん苦痛でした。「恥を知れ」という声が自分の中から聞こえてきて、消えてしまいたくなるような時間でした。

    そんなわけで引き込まれるところもあるにはありますが、結局のところ本書のテーマはわたし個人としては過ぎ去った話にすぎません。現役の大学生や採用関連部門の方を除いた一般読者の関心を惹くには、いまひとつ工夫が足りないように思います。大学ランク別の議論などは少々あさましい感じも受け、わたしとしては、人事屋が内輪ネタで盛り上がっているという印象をぬぐえませんでした。

  • 企業は採用ターゲット大学を絞り込む動きが目立っている。やっぱり学歴ってのはあるんだよ。

  •  元リクの著者が様々なデータをもちいて新卒一括採用や就職活動、いま流行の「多様な働き方」なんかについて考察している。
     新卒一括採用はよく批判されるけれど、未経験者を定期的に組織(会社)に迎え入れるというのは、よく考えれば優しい発想であり、一概に否定すべきものではない。就職活動の時期がよく議論されるが、強制力のない決まりをいくら設けても効果はうすい。ノマドワーカーのような存在は景気の後退局面にはいつの時代も注目されていた。決して新しいものではないし、そうなったからといって幸せになれるとはかぎらない。
     採用基準の話なんか書いてあるので、就活生が読めば役に立つと思う。

  • この本の特徴は、「新卒の就職」をテーマにしているのに、議論から「大学」をあえて排除している点だと思う(本文でも触れられているけれど)

    それによって、「学生行動」と「企業行動」のみに焦点が絞られ、「学生行動=就活」と「企業行動=新卒一括採用(採用活動)」という2つに切り分け、それぞれがデータを元に論じられている。例えば、P155のエントリーシート平均提出数と通過率のグラフを見ると、「100社エントリーしても選考に進めない」という、よくテレビに出てくるケースが非常にレアだということが良く分かる。

    著者は「企業行動=新卒一括採用」には擁護的で、「就活」には批判的だ。けれど、学生を批判しているのではなく、「学生を苦しめる就活の仕組み」を作っているナビサイト等を批判している。しかし、そのナビサイトの運営を支えているのは「企業」なわけで、この部分がややこしい。もちろん、企業の「脱ナビサイト」という動きがあるのだけれど、それがいっそう学生を混乱させていく可能性もある。

    ただ何にせよ、混乱するのは、準備不足によるところが大きいと思う。早かろうが遅かろうが、どうせ就職活動をするのであれば(しないという選択肢もあるけれど)、時間を見つけて、先にできることから準備しておいたほうが良い(勉強やサークルやアルバイトや留学をしながらできる範囲で十分だと思う)。

  • 今の就活改革は改悪である、

    メディアが伝えている就職状況と現実は、思いのほか違うのかもしれない

    という意見を主張した論だった。


    ただ、この解決の糸口になりそうな提案がなかったことが少し物足りなかったかなぁと。

    インターネットで行う就活が当たり前だと思ってたけど、二十年前とかはそんなわけにはいかないよね、そりゃ。

  • (2013/11/12読了)

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著者プロフィール

千葉商科大学国際教養学部専任講師、働き方評論家。1974年生まれ、北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業、同大学院社会学研究科修士課程修了。リクルート、バンダイ、クオリティ・オブ・ライフ、フリーランス活動を経て2015年4月より現職。専攻は労働社会学。働き方をテーマに執筆、講演活動に没頭中。『僕たちはガンダムのジムである』(日経ビジネス人文庫)、『「就活」と日本社会』(NHKブックス)、『「意識高い系」という病』(ベスト新書)、『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社新書)、『「働き方改革」の不都合な真実』(おおたとしまさとの共著、イースト・プレス)など著書多数。

「2018年 『社畜上等! 会社で楽しく生きるには』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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