一私小説書きの日乗 憤怒の章 (単行本)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.14
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本棚登録 : 44
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041106365

作品紹介・あらすじ

行きつけの飲み屋で酒を呑み、編集者と打ち合わせ、新作の執筆にいそしむ。あこがれの人との邂逅に心ときめかせ、そして愚昧な人々に怒りを爆発させる。現代の私小説家、西村賢太の虚飾無き怒りの日々の記録。

感想・レビュー・書評

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  • ☆3つ
    なんてことはない、あまり変わり映えもしない毎日の生活をぼそぼそと書いているだけの事である。
    なのになぜかせっせと毎本読んでいる自分がいる。
    ふと我を想うと、まあおれはこんな風なだらしない不摂生な生活はしていないから良かったのだよなあ、という自己満足確認が出来て嬉しいようなのだ。
    ふーむ、毎日朝方寝て午後起きる。しかも就寝前にはかならづ深酒と暴食をする。
    これで体にいいわけはなく肥満と痛風の発作にあえぐ筆者。
    でも全く改善するつもりもなく、日々遅れていく締め切り仕事にクルシミながら執筆に取り組む姿をつづっている。
    芥川賞作家西村賢太。めちゃくちゃな生活だけれど仕事は結構一所懸命に遣ってるのだぜぃ。

  • だいたいは11時に起きて入浴。昼からは仕事をしたりしなかったりで、編集者と喧嘩しているか、白旗をあげている。たまにクイズ番組出演。買婬がたまに入る。食べたものを丁寧に書いていて、こういう日記スタイルが普通なんだろうかと思う。当然ならが痛風になり抜歯することになったり。いかにひどい食事をしているかをアピールしているのかもしれないが、そうなると計算している風もあるが、あけすけに書くという計算もあるのかもしれない。しかし「いいことがあった」といった書き方にしている事件もある。
    編集者との喧嘩はえげつない。編集者が作家の命運を握るのは事実かもしれないが、どちらかというと作家のほうが上で、編集者は基本的には逆らえない。なので弱い者いじめしているように見えてしまう。ホントに悪いならしょうがないがよく分からない。

    この日記を書いている「本の雑誌」にも噛み付いて、最後はカドカワで書いて、本もカドカワから出している。

    今どき珍し無頼派という個性は感じる。偽悪的というスタイルも今どき珍しい。
    こういう形の私小説、私小説作家という有り様がひとつの個性になっている。
    一作目は芥川賞をとった前後でかなり面白かったようだが、その続きとなると「苦役列車」映画の悪口と編集者との喧嘩となって少し変化に乏しい。この続きはあるのだろうか。
    もう読まなくてもと思いながら読んでしまいそう。

  • 作家の生活実態が克明に分かるので楽しく読めた.永井荷風を意識しているようだが、荷風のものを読んでいないので比較はできない.作家だから同時並行的に執筆しているのは当然だが、良く他の作品を読んでおり、それを糧にしているようだ.でもよく食べて飲んで、痛風が出るはずだ.テレビは出演だけで自宅では見ていないようだが、屁にもならない番組ばかりだから当然だろう.

  • これが「私小説」なのか。

    これは、創作物なんだろうか。
    そう見えないところが、できの悪い日記にしか見えないところが、彼の腕のみせどころなのだろうか。

    いろんな読み物があるんだなぁ、と、ある意味感心しつつ斜め読み。

  • 映画「苦役列車」は、一観客としてひどくつまらなかった。二時間近くラストまで眺めていること自体が、苦役列車であった。完成度が低く不思議なくらいに出来が悪い。中途半端に陳腐な青春ムービー。あまりに正直にストレートな感想を述べている。おかしすぎる。映画を見たわけではないが非常に伝わってくる。日記だからこその生々しさとリアルな生活実感が作家西村賢太をくっきりと立ち昇らせる。憤怒の章と言う割に常識の範囲にすっぽり収まっているのもまたおかしい。

  • 言わずと知れた私小説作家、西村賢太さんの日記。
    分かっていても、その独特の文体に魅せられてしまう。
    前編よりも編集者の方たちとの交流が減っており、孤独度が増しているような感じ。連載などの仕事はどんどん増えている雰囲気。この続編も楽しみにしたい。

  • 915.6

  • 2014/2/20読了。

  • 前作通りというか、予想通りというか、小説家の日常。

    何が一番魅力がないかというとやはり、作者が地位的にも
    金銭的にも落ち着いてしまっているところ。
    四谷三丁目で頻繁に焼肉食べるところとか、なんか
    石田衣良みたいでかっこ悪い。

    この執筆の時期がら、「苦役列車」の映画についての
    文句を垂れている個所が多数あるが、どれだけ駄目な映画なのかを
    もっと知らしめてほしいところ。

    著作を新潮文庫の担当が送ったときのクレームの話があります。
    どうやら背表紙の文字にずれがあるものが許せないそうで
    丁重にお願いしても、それをやってくれない編集者にうらみたらたら。

    こだわりがあることは別に良いのだが、そのこだわりが
    そうしたみみっちいことであることを知って、ますます
    この作者の小ささが分かってしまい残念だ。
    私小説家=無頼者、ではないのですね。

  • 江戸川区の先生方を対象にした講演会(鼎談形式)で、西村氏がいったいどんな発言をしたのかが、気になる。

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プロフィール

1967年7月、東京都江戸川区生まれ。中卒。
2007年『暗渠の宿』で野間文芸新人賞を、2011年「苦役列車」で芥川賞受賞。刊行準備中の『藤澤清造全集』を個人編輯。文庫版『根津権現裏』『藤澤清造短篇集』を監修。
著書に『どうで死ぬ身の一踊り』『二度はゆけぬ町の地図』『小銭をかぞえる』『廃疾かかえて』『随筆集 一私小説書きの弁』『人もいない春』『寒灯・腐泥の果実』『西村賢太対話集』『小説にすがりつきたい夜もある』『一私小説書きの日乗』『東京者がたり』『棺に跨がる』『無銭横町』『形影相弔・歪んだ忌日』『蠕動で渉れ、汚泥の川を』『芝公園六角堂跡』などがる。

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