名無しの蝶は、まだ酔わない 戸山大学〈スイ研〉の謎と酔理 (単行本)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.41
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本棚登録 : 331
感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041106396

作品紹介・あらすじ

推理研究会めあてに戸山大学に入った蝶子。だがうっかり酔いの追究が目的の〈酔理研究会〉なるサークルに入ってしまう。そこにいたのは不思議な雰囲気を持った幹事長で……。四季の行事を通じて描かれる青春歳時記!

感想・レビュー・書評

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  • スイ研=推理研究会に入部するつもりが、スイ研=酔理研究会に入部してしまった蝶子。
    酒を飲み酔った先に理を見出す、それがスイ研。
    まあとにかく飲む飲む飲む! そして、結果の死屍累々!
    そんなワケのわからない研究会に蝶子を引っ張り込んだのが海の底のような瞳の神酒島先輩。
    酒蔵の娘として知らぬ間に受けていた英才教育のため、お酒ならいくら飲んでも酔わない蝶子だけれど、神酒島の酔理に酔い始め……。

    ラストの青春もののようなきらきらした文章の向こうに阿鼻叫喚の宴会が見えるのは気のせいでしょうか(笑)
    読むとお酒が飲みたくなります。楽しかった!

    • shuwachoさん
      こんにちは!フォローありがとうございます。
      いつも読後や気になる本のレビューで九月猫さんのレビューを拝見しておりました。
      選書の傾向が似...
      こんにちは!フォローありがとうございます。
      いつも読後や気になる本のレビューで九月猫さんのレビューを拝見しておりました。
      選書の傾向が似ているのかも、なんて勝手に思っておりました。
      そして実はすでにフォローしているとずっと思っていたのです!(><)
      先日、気がついて慌ててポチリとしました。
      こんなそそっかしい私ですがどうぞよろしくお願いします~!

       この本もすごく気になる!と思ったら九月猫さんのレビューが!さっそく読んでみようと思います。
      2014/03/03
    • 九月猫さん

      shuwachoさん♪

      うれしいコメントをありがとうございます!
      選書の傾向が似ているかもなんて、なんだか光栄です。

      フォ...

      shuwachoさん♪

      うれしいコメントをありがとうございます!
      選書の傾向が似ているかもなんて、なんだか光栄です。

      フォローさせていただいたつもりで・・・ってこと私もよくあります(^^;)
      タイミングを外すと、ワタシの場合そのままになってしまったりするので、
      そんな方にフォローいただけると本当に嬉しくて。

      あらためまして、こちらこそどうぞよろしくお願いします♪
      2014/03/04
  • ミステリ好きの坂月蝶子は、戸山大学1年生。
    推理研究会に入りたかったはずなのに、実際に入会してしまったのは推理研究会ならぬ酔理研究会。
    読んで字のごとく、毎日毎日お酒を飲んでは酔いの理を追い求める学生の集いです。
    そんな酔研を舞台に起こる5つの小さな事件が収められています。

    「黒猫」シリーズと比べると、かなりライトなテイストですが、酔研幹事長の神酒島先輩が披露する文学の解釈は森晶麿作品らしいと思いました。
    女心をくすぐる神酒島先輩の掴みどころのなさも、黒猫先生に通ずるところがあります。

    はちゃめちゃな研究会の様子に苦笑しつつも、大学生のときってこんな感じだったなぁ…と懐かしい気持ちも呼び起こされました。
    …が、フィクションとはいえ、なかなかヘビーな飲み会なので、よいこのみなさんは真似しないように。

    • 九月猫さん
      すずめさん、こんばんは♪

      この本、今日読み終わったところです。
      先日の「注文の多い注文書」に続いて、
      またしてもすずめさんと読んだ...
      すずめさん、こんばんは♪

      この本、今日読み終わったところです。
      先日の「注文の多い注文書」に続いて、
      またしてもすずめさんと読んだ本と日が重なってビックリしています!
      なんだか偶然が嬉しかったのでコメントしちゃいました。

      森晶麿さんは、去年「ホテル・モーリス」を読み、今回が2冊目です。
      楽しい文章ですよね、このかた♪
      すずめさんのレビューを読んで黒猫先生とやらに興味がっ!
      「黒猫」シリーズ、ぜひとも読まねば。
      2014/02/23
    • すずめさん
      九月猫さん、こんばんは!
      コメントありがとうございます(*^^*)

      おお!2回目ですね~!
      わたしにとっても嬉しい偶然です♪

      ...
      九月猫さん、こんばんは!
      コメントありがとうございます(*^^*)

      おお!2回目ですね~!
      わたしにとっても嬉しい偶然です♪

      「黒猫」シリーズ、おもしろいですよ!
      美学の話がちょっと難しいけれど、『名無しの~』がお好きでしたらぜひぜひ。
      私は『ホテル・モーリス』は読んだことないので、そちらも読んでみたいと思います。
      2014/02/23
  • 結構好きな話だった!☆4.5を付けたい。
    「推理研究会」と間違え「酔理研究会」(通称・スイ研)に入ってしまった元子役の蝶子。そこは毎日酒を飲み、酔いを極めるという一風変わった部活だった。
    一年間、酔理研究会を通して青春と恋愛を描いている。こじれていない森見作品といった印象。蝶子とミッキー先輩の一進一退な微妙な関係も可愛くニヤニヤしてしまう。
    大学にこんな妙な部活があったら、怖いもの見たさで入部してしまいそう。案外楽しくて、馴染んでるかもな。

    ♪すい、すい、すいすいすいすい、
    酔えば素敵な理が見える
    すい、すい、すいすいすい研、
    飲めばあなたも理が見える~

  • どうしても森見さんと比べて読んでいる。学生たちの酔いどれぶりが似ているようで。
    大学に入学した蝶子は推理研究会と勘違いして酔理研究会に入ってしまう。
    「当サークルは酒を飲むがために飲む。ただ自らを酒に浸すかのごとく飲む。」
    ミッキー先輩のアノ海の底の瞳に翻弄される蝶子。
    彼女の長い青春のトンネルの先は?

    ついついモリミー関東版を求めてしまうけれど、ああこれは日本文学?を下敷きに進む恋愛物語なのか。
    春、梶井基次郎に堀部安兵衛の「高田馬場の決闘」
    初夏、正岡子規の俳句
    夏、林古渓「浜辺の歌」
    秋、「竹取物語」
    冬、「雪女」あと「ささめ」ってこれオリジナルなのかな?
    「雪国」のような「潮騒」のような。

    ところどころに散見するミステリにニヤニヤする。坂口安吾、横溝正史、鬼貫警部シリーズ、ピーター卿。
    「私にとってミステリは水であって、他人と語らったり、善し悪しをつつき合ったりする代物ではない。まずい水であれば吐き出すし、うまい水は常用する。」たしかに!

    お腹を切って点滴でダルいんだけど、このダルさが二日酔いに思えてきてやるせない。入院2冊目。

    「煎じ詰めれば、驕りってのもまたーー酔いなんだよ」

  • 間違えて入部したとは思えない(笑)。
    それにしても飲み過ぎだろう。そのときにしか楽しめないことがあるなら、その時に楽しんじゃえ、とは思うけど。
    あぁ、いいな青春。

  • スイ研違いで酔理研究会に入ってしまった坂月蝶子。
    あまり私の好みではなかったが、続きは気になる。

  • このひとはほんとに、「一歩手前」を書くのが上手いなあって思うよ…。このほんのちょっと踏み出しただけで生々しくなる恋の、「一歩手前」のもどかしい幸福感が読んでてたまらんのよね。

  • テンポが小気味よく、たのしく読み終えた。
    続編希望!

    神酒島先輩とオチョコちゃんの恋模様のその後が読みたい!!!

    酒を飲むために飲む、と言い切る気持ちよさ。
    夜は短し恋せよ乙女、を思い出した。

    すい、すい、すいすいすいすい♪

  • はじめはドタバタしすぎて合わないかなと思ったけど、だんだん楽しくなっちゃった(笑)
    会話のノリ、言葉遊び、言葉選びが気持ちよい。
    こーゆーのもありっすね。

  • 「花酔いロジック」
    彼女が悪酔いした訳。
    あそこまで酒癖が悪いともう飲ませたくないと思うが、その中に本心を隠していたとなるとお酒も憎みきれないな。

    「球酔いロジック」
    約束の場に現れなかった訳。
    これは彼女が始めから真実を告げ日付などを変えていれば起こらなかった事案であるうえ彼も傷つかずにすんだのでは。

    「浜酔いロジック」
    彼が酔い潰された訳。
    ちゃんと確かめもせずに勝手に勘違いした挙句、勘違いした内容すらも本当で無かったなんて踏んだり蹴ったりだな。

    「月酔いロジック」
    消えた大量のチラシ。
    自分に都合が悪かったから破棄するのはよく有る事かもしれないが、部数が多過ぎたからこそ一人の犯行と思われなかったのだろうな。

    「雪酔いロジック」
    彼の犯した罪の真実。
    真実をその時にきちんと話していれば、こんな誤解は生まれず二人の仲に亀裂が入る事無かったのではないのでは。

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著者プロフィール

1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。

「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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