カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 104
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041106426

作品紹介・あらすじ

カリスマとはいったい何なのか、どのように作用するのか、その仕組みはどうしたら実生活に利用できるのか。「カリスマ性」とは天賦の才能ではなく、後天的に獲得できる。長年の研究をもとに習得技術を明らかにする。

感想・レビュー・書評

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  • 12/23

  • カリスマを作りにはどうしたらいいか、実践的方法論をまとめている良書。結局は、置かれた状況でカリスマの使い分けていくわけで、いいリーダーになるため、より良い精神状態でいるために参考になる。時に返して読み返してみたい。

  • こういうレッスン受けてみたい

  •  まあ、正直、カリスマっていうより、いいリーダーくらいの話なんだけど、ぽつぽつ面白いところがあった。
     中でも、仕事の量は完成のために与えられた時間を満たすまで膨張するという「パーキンソンの法則」、完ぺきとはこれ以上つけ加えることがない状態ではなく、これ以上は取り除けない状態、というサン=テグジュペリ(『星の王子様』作者)の言葉なんてのは納得感あり。

  • カリスマっていうか、偉い人になりたかったら見つけるべき方法論。んじゃ偉い人になりたくなかったら・・・?

  • ビジネスブックマラソン2014.01.01

  • ■1.会話の中でカリスマを高める3つのポイント
     カリスマになる訓練では、カリスマらしい態度を身につけ、アイコンタクトを駆使し、声を調整して、注目を集める方法を学ぶ。たとえば、会話の中で簡単にカリスマを高めるポイントは3つある。
    1 文章の終わりでイントネーションを低くする。
    2 うなずく動作を遅くして、頻度を減らす。
    3 話す前に2秒の間をおく。


    ■2.「天使の羽根」のイメージトレーニング
    これは神経科学者のプリヴァヒニ・ブラドゥ博士が考案した。誠意と幸福感を発散しているカリスマ性の高い人で、私はかねてから慕っている。そんな彼女がある秘密を教えてくれた――自分が話している相手や、自分の周りにいる全員が、目に見えない天使の羽を持っていると想像するといい。
     このイメージトレーニングは、人に対する見方を変える。ほんの一瞬でも、誰かのことを本当はいい人だと見ることができれば、相手に対する感情が和らいで温かくなり、あなたのボディランゲージが根本から変わる。さっそく挑戦してみよう。


    ■3.場面に応じた音楽を聴く
     アスリートが大きな試合の朝に集中力を保つように、カリスマを最大限に発揮しなければならないときは、心の中に入ってくるものに気をつけること。音楽を聴くだけでも、感情や精神状態に影響を与えかねない。(中略)
     私は、音楽を聴く際はテンポと歌詞を考えて曲を決める。重要な場面に備えるときは、自分がなろうとしている精神状態にふさわしい歌を慎重に選ぶ。「自信」「誠意」「共感」「忍耐」など、それぞれのプレイリストを作ってある。実際、聴く音楽によって変化が生じるのだ。ほかにも「講演の前」「目覚め」「家族の集まりの前」といったプレイリストがある。


    ■4.カリスマの4つのスタイル
     リーダーシップや個性にさまざまなスタイルがあるように、カリスマにもさまざまなスタイルがある。マドンナもローマ教皇もダライ・ラマも、群衆を惹きつけるカリスマだが、彼らがカリスマたる理由はそれぞれ異なる。
     この章では4種類のカリスマ――集中力のカリスマ、ビジョンのあるカリスマ、優しさのカリスマ、権威のカリスマ――について説明する。それぞれのカリスマがどのように受け止められ、どのように高めることができ、どのような場面で活用できるかを学ぶ。

    (詳細は本書を)


    ■5.相手の話に上の空にならないテクニック
    相手が話しているあいだも、自分が話す番を待ちながら考えごとをしていたら、たとえ自分が次に話す内容を考えているとしても、プレゼンスが欠けていることは顔に出る。(中略)
    たとえば、次のように集中力を修正する。
    ・話を聞きながらぼんやりしてしまうなら、呼吸や足のつま先など肉体的な感覚に一瞬だけ意識を集中させてから、会話への集中力を取り戻す。 
    ・いらいらしていて集中できないなら、些細なことでもその肉体的な感覚と向き合ってから、目の前にいる相手に再び意識を集中させる。


    ■6.電話のカリスマになるコツ
    コミュニケーションの専門家で作家のレイル・ラウンデスによると、電話がかかってきたら、いきなり好意的で親しげな応対をしないこと。最初は手短に、事務的に返事をする。かけてきた相手がわかって初めて、声に親しみを込め、喜びをあふれさせる。簡単なテクニックだが、相手に自分は特別なのだと思わせる。私はこのテクニックを、顧客サービスを柱とする企業で働くクライアントに必ずすすめている。顧客の満足度が著しく向上するだろう。


    ■7.壇上を支配するテクニック
     まず、立つときは足を大きく開き、両足でバランスを取る。自分が自信を感じるだけでなく、聴衆から見ても、片足に重心をかけて立つより自信があって安定しているように見える。仁王立ちするゴリラになったつもりで!
     次に、演壇や書見台を使わずに練習する。台の後ろでしゃべっていると、不安で前に出られず、安全なところに隠れていたいのだろうという印象を与える。プレゼンテーションにも動きが出ない。(中略)
     最後に、自信を伝えるのにふさわしい声の大きさを見つける。これは当日のマイクや音響によるところが大きいので難しい。確実な方法の1つは、会場の後方に座る人に頼んで、声のボリュームを変える必要があれば手で合図をしてもらうことだ。

    ホントは他にも、身だしなみ等、いかにも「カリスマ」的なネタもあったのですが、とりあえず割愛(一応簡単に言うと「その状況に適した範囲で最高級の服装を選ぶ」とのこと)。


    ◆それよりも、まずは上記のポイントの4番目にある「カリスマの4つのスタイル」を理解しておくのが先決ではないか、と。

    引用では紹介しきれなかったので、本書をもとに、4つのスタイルを簡単に説明してみます。

    ●集中力のカリスマ

    相手のそばにいて、相手の言葉を聞き、すべてを吸収していると思わせる能力(「プレゼンス」)に基づくもの。

    ペイパルの共同創業者で、現在はテスラ・モーターズのCEOである、イーロン・マスクが代表的。

    ●ビジョンのあるカリスマ

    周囲を鼓舞し、この人を信じようという気持ちにさせる。

    スティーブ・ジョブズ、マーティン・ルーサー・キング牧師等。

    ●優しさのカリスマ

    誠意に基づき、相手を受容し、相手が愛されていると感じる。

    ダライ・ラマが代表的。

    ●権威のカリスマ

    自分のパワーを周囲に感じさせる。

    コリン・パウエル、マイケル・ジョーダン等。


    ◆ちなみに、これらのスタイルは、必ずしも独立しているとは限らず、同じ人が別のカリスマに切り替えたり、いくつかを取り混ぜたりすることもできます。

    たとえば、オプラ・ウィンフリーは、同じインタビューの中で、集中力と優しさのカリスマを両方発揮し、さらにビジョンのあるカリスマを加えたりできる、とのこと。

    また、クリントン元大統領とオバマ大統領は、ともにビジョンのあるカリスマであり、かつ権威のあるカリスマでもあるのですが、オバマ大統領の方が、集中力のカリスマとして優れいているのだそう。

    一方、クリントン元大統領は「優しさのカリスマの達人」であり、「途方もない共感力」の持ち主として知られているのだとか。


    ◆本書では、このクリントン元大統領のエピソードがいくつか紹介されているのですが、これがどれも、なかなかに秀逸です。

    たとえば、彼がグーグルの本部を見学した際、著者の友人が彼を直接褒めた(「この国のために尽くしてくれて、ありがとうございます」と声をかけた)ときのこと。

    クリントン元大統領は、「そんなふうに思ったことは一度もなかったかのように」少し考え、「その言葉をじっくり噛みしめているように」見え、「自分はそんな大それた人間ではないというような笑顔を見せ」て、「とても光栄です」と言ったのだそう。

    それを聞いた友人は、クリントン元大統領がカブスカウトの少年で、自分が大統領にでもなった気がした、とのこと。

    これに関連した効果的なテクニックとして、「誰かと話をしているとき、自分は映画を見ていて、相手はその主役だと想像する」ことを本書では奨励してました。

    なるほど、これなら私たちにもできそうな。


    ◆「カリスマ」というと、どうしてもスティーブ・ジョブズのような強烈な個性や、強いリーダーシップが必要な気でいましたが、本書を読むと必ずしもそうでもないことが分かります。

    ただし、ビジネスの上では「自信にあふれるカリスマ的なリーダー」の方が評価は高いわけで、本書ではそうなるためのテクニックも多数収録。

    実際、本書の終章では、「仕事はできるけれど、カリスマとは程遠い」印象の男性が、著者の訓練によって生まれ変わったエピソードが紹介されています。

    本書には、その男性のようになるための、また、本書の内容を習得するための、いくつもの「エクササイズ」がありますので、こちらも要チェック!

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