さいごの毛布 (単行本)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 375
レビュー : 85
  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041106495

作品紹介・あらすじ

年老いた犬を飼い主の代わりに看取る老犬ホームに勤めることになった智美。なにやら事情がありそうなオーナーと同僚、ホームの存続を脅かす事件の数々――。愛犬の終の棲家の平穏を守ることはできるのか?

感想・レビュー・書評

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  • 人と上手く付き合うことのできない主人公が、友人の勧めでとある老犬ホームで働く事になる。
    様々な事情を抱えた犬たち。こちらから見たら、人間は自分勝手だと思う事でも、仕事だと割り切って犬だけでなく依頼者の気持ちも受け入れなければいけない仕事。大変そうだなぁ。それでも毎日を一生懸命生きている、昨日と同じ日々を求めている犬たちが健気で、本当に可愛く思えた。人と人、人とペット、どちらも共に生きるって大変だ。

  • 近藤史恵さん作品。読後感が心配でしたが、とてもいいお話で、読んでよかったです。
    老犬ホームかぁ。
    時代が進むにつれ、どんどん選択肢も増えていきますね。
    読んでいる途中、何度も我が家の愛犬をハグして、ワンコに鬱陶しがられましたσ(^-^;)

  • 人にはそれぞれ自分に合った居場所が必ずどこかにある。
    そう思えた。
    老犬センターと人付き合いのニガテな智美。
    人相手ではなく、主にイヌ相手の仕事だったから変な緊張が溶けていったのかもしれない。
    イヌにもこれほど個性というものがあるのか(飼ったことがないのでわからない)、そりゃ生き物だから当たり前かぁ。
    人の気持ちを察して寄り添ってきてくれたりなんかしたら涙が出そう。

  • 老犬ホームに勤める、内気で人付き合いの苦手な新人女性が主人公。

    最期まで世話をできない飼い主と犬の問題を軸に、家族のあり方、不倫などの要素をちょこちょこ盛り込んで、サスペンスで色付けというあたりは、テレビの2時間ドラマのよう。
    犬を飼っている身としては、犬を巡る厳しい現実を目の当たりにするのは辛かった。

  • 読書感想文向き。

    人付き合いが苦手で、就職活動に失敗してしまった智美は
    友人から、老犬ホームの仕事を紹介される。
    そこは、さまざまな事情で飼い主と一緒に住むことができなくなった犬の面倒を見る施設だ。
    ド派手な服装のオーナー麻耶子や
    休日になるとやたら着飾って出かける碧の2人に仕事を教わりながら、
    15匹近くの犬の世話をする生活にすこしずつ慣れていく智美。
    慣れ始めたころにわかる、
     犬との別れの辛さ。
     それぞれの犬が抱える複雑な事情。
    ある日、智美は施設のそばで物が焼け焦げた跡を見つける。
    一体誰が、何のために?

    老犬ホームの存在について、非常に考えさせられます。
    本当に人間は身勝手。
    でも、それが必ずしも悪とは言えないのです。
    ・飼い主が亡くなったものの、保健所に連れて行くのは忍びなく、この施設にあずけられた犬
    ・子供が犬アレルギーだとわかり、子供が家を出るまでは施設で預かることになった犬
    ・犬が死ぬところを子供に見せたくないからと預けられた犬
    事情を聴けば酌量の余地のあるもの、ないものもさまざまですが、
    犬にしてみれば、それらは全部「人間の身勝手」でしかない。
    老犬ホームは身勝手な人間を助けるための施設なのです。

    麻耶子は強い。
    犬が好きで、犬が飼い主と一緒に生を全うできることを願いながらも
    この施設を運営する以上、
    施設に入ってくれる犬を探し続けなければならない。
    悲しくなるような切なくなるような出来事が
    ビジネスのスタートだから、必ず心がつらくなると思うのに。。。

    「犬は愛してくれた人のことを忘れない」
    「犬は昨日を愛する生き物」
    それは、人間も実は同じなのです。
    この物語は、犬の話のようで人間の話でもあります。

    自分は犬を飼ったことがないので、
    犬を飼ったことがある人が読めば
    更に思うところはいろいろあると思われ。

    ミステリー色はもう少し薄めでもよかったかな?
    相変わらず後悔する人を描くのがうまい作家さんです。

  • 老犬ホーム。何らかの事情で飼い主と生活できない犬が入居するホーム。飼い主の意思だけで入居しているってのが人間用の老人ホームとは違うけど、それなりのお金が必要ってのは一緒。
    ソコで暮らす犬の方が、ホームの経営者や従業員より幸せかも。老後は犬になろうと密かに決心した。

    って、むりだな。

  • 泣けるほどではないがほっこり癒やしになるような一冊。
    様々な事情で手元で飼えない犬たちを預かる施設。
    ボランティアでなく営利であるが故に綺麗事だけでは済まされない。
    言葉を持つが故に感情を素直にだせない人間と言葉を持たないが故に感情が素直に出せる犬とどちらが幸せなんだろう。

  • 甘々になりがちな動物話も、昨今毒ネタ流行の親子関係も、近藤作品らしく程よかった。

  • 勉強はそこそこできたが、人とのかかわりが苦手で就職できずアルバイトで生活している智美だが、友人の紹介で老犬ホームで仕事をするようになる。いろいろな事情で飼い主から預けられている老犬の世話をする施設である。
    オーナーはイケイケな外見の元教師・麻耶子。動物看護師の碧と3人で犬15匹を見ている。
    犬たちとその飼い主たちのそれぞれの事情、そして智美や麻耶子・碧たち人間の抱える事情。だんだんと明らかになる。

    世の中は、いろいろなところで頑張っている人たちであふれているのだなあア。

  • 老犬ホームで働くことになった女性の物語。身勝手だけど、身勝手じゃない真実を知れば切ない。犬に事情は分からない。嬉しければ喜び、悲しければ鳴く(泣く)。それは少し子供にも似ている。不倫は全くいらないけれど、そんな犬たちに癒され、励まされ、鍛えられていく智美の成長が素敵でした。認められていなかっただけで、彼女はきっと魅力的だったんだろうな、と思う。ブランケットに行く前から。麻耶子、碧、二人の今後も気になるところ、でも、物語としては、最後は綺麗に落ち着いて、読後は良かったです。

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プロフィール

近藤 史恵(こんどう ふみえ)
1969年大阪生まれの推理作家、小説家。
大阪芸術大学文芸学科卒業後、1993年『凍える島』で第4回鮎川哲也賞を受賞し、デビュー。
2008年、『サクリファイス』で第10回大藪春彦賞受賞、2008年度本屋大賞部門惜しくも2位、第61回日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門候補作になる。これがシリーズ化もされた代表作となった。ほかの代表作に、ドラマ化された『天使はモップを持って』シリーズ。
2006年から、母校の大阪芸術大学文芸学科客員准教授に就任している。

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